- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
魔界からの試練 ――たゆたう混沌姫ミサラトテップ――
転：鬨の声を上げよ
（しまった……）
がくり、と膝を付くねむる。同時にスキル『繭の眠り』が発動し、削れた体力を回復させる。
「しっかりしてくださいっ」
冬華がゆさぶるも、ねむるは起きない。ミサラトテップは笑いながら触手を振るい、冬華はそれから庇うように立ちはだかる。
「いっくよーっ！」
メイスを魔法のステッキよろしく回し、九月がキュアを施す。それで漸く目覚めたねむるは、ミサラトテップと目が合った気がし、息を飲む。彼女の意味深な眼差しが、ねむるの背筋を凍らせる！
「これ、負けたら……間違いなく『や』られるっ！」
「何をだよっ！！」
「てーそーの危機的なナニカなのだ！」
ねむるの呟きに刀が突っ込み、真央が真顔で頷く。そんな会話に苦笑しながら真白は呪文を完成させる。
「ほら、気合いれていこうっ！」
武器である【瞬唱の白符】を手に全体回復魔法『拡散する癒風』を発動させる。爽やかな風が吹いたかと思えば傷が癒えて力が漲ってきた。それに背中を押され、碧南や翼が再び立ち上がる。
（今は、斬る事に専念しなくちゃ）
（投げて、投げて、投げまくりますっ！）
鮮やかな手さばきで碧南が剣を振るい、翼は『風刃六射』で見事な投擲六連発をみせる。それを援護するかのように着ぐるみさんがボウガンを唸らせ、一二がクナイを投げつけた。
「真央ちゃん、突撃なのだ！」
赤いジャージが眩しい真央が、釘バットで突撃する。それにあわせるかのようにサキリとゆきこさん、円、梢が続いていく。
触手が届く範囲ではあるが、下がっている悠月や九月、刀が次々に前線組を癒し、合間に都が姿を現す。
『向上する生命』を添付した上で暴れれば、傷を負ってもその分を回復することが出来る。踊るように攻撃を繰り返し、都はダメージを与えていく。
だが、疲労は蓄積していく。攻撃と回復を繰り返しても、触手は次から次にあふれ出る。自動HP回復では間に合わず、真央はマインドヒールを使い、他の面々へはサキリがクイックヒールを施す。
修の放つ魔弾、みつび、アカリによる魔法攻撃も触手を減らし、確実にミサラトテップは疲労している。だのに、触手が減っている実感が湧かないのは、絶え間なくうねっているからだろうか？
（ダメだ、MP自動回復でも追いつかなくなってきた）
僅かなめまいを覚え、悠月が膝をつく。だが、そこで彼は何かに突き飛ばされた。よくみれば、それはサキリ。どうやら触手から庇ってもらったらしい。
悠月は刀に手を引かれ、MP回復ポーションを渡される。
「少し下がれ。俺が前に出る」
入れ替わるように金属杖を構えて前線へ出る刀。その視線の先、サキリが鎧を外した胸を押し付けていた。
「朝野、僕のなんかでよければいくらでも揉んでくれ」
押し寄せる快楽を必死に耐えながらも、彼は何かを呟く。それに反応したのか、ミサラトテップが僅かに硬直した。
「今だ！」
刀の号令で、動けるものたちは皆攻撃に移る。途中、ゆきこさんや冬華が捕まるも、それでも尚攻撃をやめない。その最中、みつびとゆきこさんの目が合った。何かを察知したゆきこさんは、大きく1つ頷く。
――一気に凍りつきそうなのが難点だが、後で溶かしてくれるだろ？
みつびは笑顔で答えた。
「ここいらで大きいのをかましたほうがいいわよね？」
鉄扇を一閃。放たれた『大冷獄』により、触手が音を立てて凍りつく。それを好機とし、冒険者達はここぞとばかりに全力を尽した。動かない触手など、怖くないのだ。
猛攻撃を受け、触手を刈り取られる形となったミサラトテップ。だが、彼女は冷たくも艶やかな笑顔のまま、ゆらり、と立ち続けていた。
――よくもやってくれたわね。
不意に、ミサラトテップの声が僅かに低くなる。彼女は潮溜まりで妖しく哂うと、触手を広げて津波を起こした。
「しまっ……！？」
修が津波に飲まれ、流されていく。アカリは咄嗟に魔法を使おうとしたが、諸に顔面へと水を浴びてしまい詠唱できない。その側をゆきこさんが流されていく！
同時に鈍い音を立てて空間が揺れる。どうにか立ち上がった修とゆきこさんがみたものは、空間いっぱいの津波。アカリは全力で詠唱し、『サダルスウドの楔』を展開する！
（少しでも、相殺できるならば！）
『溺れさせてあける』
甘くも非情なミサラトテップの声。だが、アカリが放った魔法により威力が落ち、流される者は居なかった。
「ほら、しっかりしろ！」
悠月が『湧水のピチカート』を施し、修とゆきこさんが駆け寄る。ミサラトテップは満身創痍な冒険者達を見、恍惚とした表情で笑いかけた。
――可愛い貴方達だもの、全力で奪わせてもらうわよ！！
ミサラトテップの声が空間に響く。千切れた触手は再生し、よりぬめりを帯びててらてらと輝いている。何故だろう、粘液が増えたようにみえてしまっていた。
上がる飛沫と悲鳴。ミサラトテップは恍惚とした表情で冒険者を見、その口元を綻ばせている。
――だが、ここまで来た、という事は……相手もHPが尽きかけているのではないか。
（しまった……）
がくり、と膝を付くねむる。同時にスキル『繭の眠り』が発動し、削れた体力を回復させる。
「しっかりしてくださいっ」
冬華がゆさぶるも、ねむるは起きない。ミサラトテップは笑いながら触手を振るい、冬華はそれから庇うように立ちはだかる。
「いっくよーっ！」
メイスを魔法のステッキよろしく回し、九月がキュアを施す。それで漸く目覚めたねむるは、ミサラトテップと目が合った気がし、息を飲む。彼女の意味深な眼差しが、ねむるの背筋を凍らせる！
「これ、負けたら……間違いなく『や』られるっ！」
「何をだよっ！！」
「てーそーの危機的なナニカなのだ！」
ねむるの呟きに刀が突っ込み、真央が真顔で頷く。そんな会話に苦笑しながら真白は呪文を完成させる。
「ほら、気合いれていこうっ！」
武器である【瞬唱の白符】を手に全体回復魔法『拡散する癒風』を発動させる。爽やかな風が吹いたかと思えば傷が癒えて力が漲ってきた。それに背中を押され、碧南や翼が再び立ち上がる。
（今は、斬る事に専念しなくちゃ）
（投げて、投げて、投げまくりますっ！）
鮮やかな手さばきで碧南が剣を振るい、翼は『風刃六射』で見事な投擲六連発をみせる。それを援護するかのように着ぐるみさんがボウガンを唸らせ、一二がクナイを投げつけた。
「真央ちゃん、突撃なのだ！」
赤いジャージが眩しい真央が、釘バットで突撃する。それにあわせるかのようにサキリとゆきこさん、円、梢が続いていく。
触手が届く範囲ではあるが、下がっている悠月や九月、刀が次々に前線組を癒し、合間に都が姿を現す。
『向上する生命』を添付した上で暴れれば、傷を負ってもその分を回復することが出来る。踊るように攻撃を繰り返し、都はダメージを与えていく。
だが、疲労は蓄積していく。攻撃と回復を繰り返しても、触手は次から次にあふれ出る。自動HP回復では間に合わず、真央はマインドヒールを使い、他の面々へはサキリがクイックヒールを施す。
修の放つ魔弾、みつび、アカリによる魔法攻撃も触手を減らし、確実にミサラトテップは疲労している。だのに、触手が減っている実感が湧かないのは、絶え間なくうねっているからだろうか？
（ダメだ、MP自動回復でも追いつかなくなってきた）
僅かなめまいを覚え、悠月が膝をつく。だが、そこで彼は何かに突き飛ばされた。よくみれば、それはサキリ。どうやら触手から庇ってもらったらしい。
悠月は刀に手を引かれ、MP回復ポーションを渡される。
「少し下がれ。俺が前に出る」
入れ替わるように金属杖を構えて前線へ出る刀。その視線の先、サキリが鎧を外した胸を押し付けていた。
「朝野、僕のなんかでよければいくらでも揉んでくれ」
押し寄せる快楽を必死に耐えながらも、彼は何かを呟く。それに反応したのか、ミサラトテップが僅かに硬直した。
「今だ！」
刀の号令で、動けるものたちは皆攻撃に移る。途中、ゆきこさんや冬華が捕まるも、それでも尚攻撃をやめない。その最中、みつびとゆきこさんの目が合った。何かを察知したゆきこさんは、大きく1つ頷く。
――一気に凍りつきそうなのが難点だが、後で溶かしてくれるだろ？
みつびは笑顔で答えた。
「ここいらで大きいのをかましたほうがいいわよね？」
鉄扇を一閃。放たれた『大冷獄』により、触手が音を立てて凍りつく。それを好機とし、冒険者達はここぞとばかりに全力を尽した。動かない触手など、怖くないのだ。
猛攻撃を受け、触手を刈り取られる形となったミサラトテップ。だが、彼女は冷たくも艶やかな笑顔のまま、ゆらり、と立ち続けていた。
――よくもやってくれたわね。
不意に、ミサラトテップの声が僅かに低くなる。彼女は潮溜まりで妖しく哂うと、触手を広げて津波を起こした。
「しまっ……！？」
修が津波に飲まれ、流されていく。アカリは咄嗟に魔法を使おうとしたが、諸に顔面へと水を浴びてしまい詠唱できない。その側をゆきこさんが流されていく！
同時に鈍い音を立てて空間が揺れる。どうにか立ち上がった修とゆきこさんがみたものは、空間いっぱいの津波。アカリは全力で詠唱し、『サダルスウドの楔』を展開する！
（少しでも、相殺できるならば！）
『溺れさせてあける』
甘くも非情なミサラトテップの声。だが、アカリが放った魔法により威力が落ち、流される者は居なかった。
「ほら、しっかりしろ！」
悠月が『湧水のピチカート』を施し、修とゆきこさんが駆け寄る。ミサラトテップは満身創痍な冒険者達を見、恍惚とした表情で笑いかけた。
――可愛い貴方達だもの、全力で奪わせてもらうわよ！！
ミサラトテップの声が空間に響く。千切れた触手は再生し、よりぬめりを帯びててらてらと輝いている。何故だろう、粘液が増えたようにみえてしまっていた。
上がる飛沫と悲鳴。ミサラトテップは恍惚とした表情で冒険者を見、その口元を綻ばせている。
――だが、ここまで来た、という事は……相手もHPが尽きかけているのではないか。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2016年08月03日
- 参加申し込みの期限
-
- 2016年08月10日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2016年08月10日 11時00分
