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1月最後の日曜日。
遅く起きて階下へ向かうと、なぜかダイニングに
毒島 虹子
が座っていた。
「おはようございます、中山さま。今ご起床ですか?」
にっこり笑う虹子に、喬はとっさに何も返せなかった。
「……『さま』つけんな……」
寝起きの頭では混乱するのも容易でなく。ようやくのこと、のろのろとそれだけを口にする。
ぱたぱたとスリッパの音がして、キッチンからティーセットの乗ったトレイを手に密架が出てきた。
「ああ喬、起きたのね。うるさくしちゃった?
まあ。お客さまの前で寝間着姿なんて、みっともない。早く着替えていらっしゃい」
母親のように追い払ったあと、虹子に向き直ってトレイの物をテーブルに置く。
「ごめんなさいね、不調法者で」
「いいえ。何とも思っておりませんわ。私がいるとは思われなかったのでしょう。こちらはおふたりの生活スペースで、本来なら密架さましかいらっしゃらない場所ですもの」
「そう言ってもらえると助かるわ」
ほっとした表情で応じたあと、密架は急に喬をフォローしないといけない気持ちになったらしい。
「いつもはきちんと朝起きてくるのよ。でも昨夜はあの子、夏の新作用のアイデアを練っていたらしくて明け方まで起きていたようなの。だから――」
「なんでおまえがここにいる」
着替えを終え、濡れた顔をタオルで拭きながら喬が戻ってきた。先から5分と経っていない。
よけいなことをしゃべられる前に、と急いだのだろう。虹子は素知らぬふりで答えた。
「密架さまに先日の非礼のお詫びに来ましたの」
「じゃあもうすんだだろ。帰れ」
「喬! もうっ、そんな憎まれ口をきかないの!
ごめんなさいね、虹子さん」
「気にしておりませんわ」
虹子は先からの笑顔を崩さず答える。
紅茶の入ったカップを持ち上げ、口元にあてる姿を見て、喬はうさんくさいものを見るようにフンと鼻を鳴らすと、虹子の前の席についた。そこに用意されていた朝――というよりもう昼に近かったが――用のパンを食べ始める。
「虹子さんはね、マリンパラダイスへ行かないかって、わざわざあなたをお誘いに来てくださったのよ」
「はあ? なんでそんなとこ――」
「密架さまもですわ」
「あら。わたしも?」
「ぜひおふたりとご一緒できたらと思ってますの」
「まあ。うれしいわ。でもお店があるのよ」
「存じておりますわ。ですが、たまには密架さまもお休みになられてはどうかと思いましたの」
「そうね……」
(……いつの間にこいつら、こんなに仲良くなってるんだ?)
眉をひそめる喬の前、ふたりはさっさとマリンパラダイス行きを決めてしまった。どうやら自分に決定権は最初からなかったようだ。ふうとため息をつきそうになったところでくるっと密架がこちらを向いた。
「ペンギンが歩くのを見られるんですって! 楽しみね、喬」
うれしそうな密架を見てぐっと飲み込み「ああ」とだけ返す。その様子を虹子は、あの何を考えているか読めないアルカイックな笑顔で見ていた。
「密架さま、何が見たいですか?」
「そうね。イルカとかシャチかしら」
虹子と密架がふたり並んで歩く。無言で後ろをついて歩く喬にも、虹子はにっこりほほ笑みかけた。
マリンパラダイスで魚たちの泳ぐ巨大な水槽を覗き込む密架は、本当に楽しそうだった。
ペンギンの行進について歩き、イルカショーを堪能し。数時間を過ごしたあと、記念の品を買って帰ろうとショップに寄った。
「密架さま、楽しそうでしたわね?」
ガラスの生き物たちが並ぶ陳列棚を覗き込む密架を見守りながら、となりの喬にだけ聞こえる声で言う。
間を開けたが、喬は答えなかった。密架が彼に注意を払わなくなって、以来ずっと不機嫌を前面に出した不愛想な態度はとりつくしまもなく、さすがの虹子も心のなかでため息をつく。
「出過ぎた真似をと思われているのかもしれませんが――」
「あいつを巻き込めば、俺が断れないと考えたんだろ」
「巻き込むだなんて。私、きのうお電話を差し上げましたわ。でも中山さま、ほとんど口をきかれないで、さっさとお切りになられたでしょう?」
虹子から携帯に電話があったことを喬も思い出した。相手がうさんくさいやつと思っている虹子である上、ちょうど新作について考えていた最中でもあったので、「忙しいから切るぞ」と切ってしまったのだ。
「こうなっては直接お訪ねするしかないと思いましたの。ちょうどご訪問する予定もありましたし」
のどの奥でうなる喬に、くすっと笑う。
「水槽で泳ぐ魚の姿……夏の作品のモチーフにはぴったり、とお思いになりませんか?」
さらりと言ってのける虹子の姿に喬は目を眇めた。
「水族館に来るお客さんやスタッフさんの衣装、その他いろいろお洋服が見られて楽しかったじゃありませんか?
それに、実は私……水族館へ来るのは初めてだったんです。皆さまで楽しみたかったのですわ」
ああくそ、と思う。喬も内心分かってはいるのだ。自分の態度は子どもじみていて、受け流す虹子の方がずっと大人な対応をしている。そしてそんな虹子に、喬は言うべきことがあった。言動をそのまま鵜呑みにはできない、そんな殊勝な女ではないと、内心思ってはいても、だ。
「……誘ってくれて……感謝している」
その言葉を耳にしたとき、虹子は表には出さなかったがひどく驚いた。空耳を疑ったほどだ。
だが聞き直すような無礼はせず、
「お礼を言われるようなことではありませんわ」
とさらりと流す。
携帯で誘おうとしたのは事実だが、誘ったところで断られたに違いないことは虹子も承知していた。だから搦め手できたのだ。
「あいつがあんなに楽しそうにしているのを見たのは、初めてなんだ」
きょうの密架を見て、密架にはこういう息抜きが必要だったのだ、と喬は初めて気付いたのだった。これまでずっと自分を立て直すことだけで精一杯で、彼女はどうなのかなんて全然考えもしなかった。それには、密架が大人だということもある。寝子島に引っ越して店を出すことに意欲的で、前向きに見えていたから、そうなんだと思い込んでいた。しかし違った。あの夜、もらした言葉……。
子どもの喬には見せようとしていなかっただけだ。そして実際、見るまでそのことに気づけなかった。
「どうかなさいました?」
買い物を終えて出口へ向かう途中、虹子は訊いた。無言なのは今までどおりだったが、これまでとは違う雰囲気を感じる。
見上げてくる虹子に、喬は正面を向けた。
「正直、あんたは厄介なやつだと思ってる。だけど今回は……ありがとう」
鬼の霍乱とでも言うのだろうか。虹子はつい、目をしぱたかせる。ただ、いかにもしぶしぶといった様子で、嫌そうに口にするのがなんだかおかしかった。
虹子はふっと息をつき、言う。
「中山さまにだけ教えて差し上げます、ええと私。婚約者がいますの。ふふ」
なぜそんなことを? と、意味が分からず喬は眉をひそめる。
「じゃあそいつと過ごせよ」
「そうですわね。
今度は彼と来ることになるのかしらね……」
自動ドアをくぐって外へ出る。相手のことを思い出してか、独り言のように言う虹子の髪を、夕方の風が震わせた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月24日
参加申し込みの期限
2016年07月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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