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カーテンを開けると、そこは水の都だった。
「なんだいこれは!? すごい……」
突然の風景に
ロベルト・エメリヤノフ
はちょっと立ち尽くしていた。
街全体が空を映した水面に覆われていた。その鮮やかな青色がロベルトの胸に静かに流れ込んで来た時、1人の少女の姿と重なった。
(……描くなら今だ)
最近筆の調子もいい。
少女と約束した秋
からは1つ季節を移してしまったけれど、ようやく、約束を果たす時が来たようだ。
ロベルトは少女と連絡を取るべく、携帯を手にした。
浮舟 久雨
が連絡を受けたのは、彼女が眼下に広がる青い世界に見惚れていた時だった。
彼女の敬愛する先輩、ロベルトが以前約束していた絵を描いてくれるらしい。その言葉に久雨の瞳が輝いた。
「良いのか!? 分かった、今すぐ向かう!」
叫ぶように答えると、久雨はその身1つで桜花寮を飛び出した。青い髪をなびかせ、ぱしゃぱしゃと水飛沫を跳ね上げながら、息を弾ませロベルトが指定してきた場所に向かう。そこには、穏やかに微笑むロベルトが立っていた。
「先輩……」
「来てくれてありがとう。約束遅くなっちゃってごめんね……始めようか」
「……あ、ああ! 頼む!」
意気込む久雨に、ロベルトは集中しながらそっと触れた。ロベルトのろっこん<Прекрасный мальчик>だ。その名の通り久雨がみるみる内に青色の髪の美少年に変身する。
「うん、上手くショタに出来たね」
満足そうに頷くと、ロベルトはテキパキと指示をする。
「あそこのベンチに座って貰っていいかな。申し訳ないけどしばらくじっとしてて貰うよ」
ロベルトはイーゼルを立て、キャンバスを置いた。その真剣な顔は芸術家のそれだ。
―――今の自分の力を出し切って、目の前の奇跡のような風景と美少年をこのキャンバスに留めよう。
じっと少年になった久雨を見つめると、ロベルトはおもむろにその手を動かし始めた。
久雨は、ロベルトに言われた通り静かにベンチに座りながら目の前に広がる風景を眺めていた。
いつも見慣れているはずの寝子島が、見渡す限り久雨の大好きな青色に染まっている。
(……私が染めた髪の色と同じ)
青い澄んだ瞳にその景色を映しながら、久雨はその小さい口を開いた。
「せんぱい」
「ん、なんだい?」
ふいに呼びかけられたロベルトはその手を一瞬止める。久雨が小さく小さく首を振った。
「手は止めなくてよい。きくだけ、きいてくれ」
少年が、景色に溶け込むように語り出した。
幼少期は暗く、子供らしく過ごした記憶が少ししかない事。
窓の向こうに広がる青色に憧れていて、自由になった後に髪を染めた事。
ぽつり、ぽつり。一面にたたえられた水で少しずつ洗い流すように、久雨が心に溜め込んでいたものを吐き出していく。
「そうだったんだ……うん、浮舟には今の髪が似合ってるよ」
ロベルトは久雨の話を聞きながらもその手を動かし続ける。2人きりの青い時間が静かに過ぎていった。
―――どれだけの時間が経ったのだろうか。ロベルトがふうと息を吐いた。
「出来たよ、浮舟」
ロベルトはキャンバスをイーゼルからはずすと、そっと久雨の元に歩み寄る。久雨は両手でキャンバスを受け取り、瞬きも忘れてそれに見入った。
キャンバスには青色に佇む少年。その世界は明るく、爽やかで。少年は生き生きとした瞳を凜と持ちながら、先を見つめていた。
久雨は一言も発しなかった。ただ、ひたすらその絵を見つめていて。つと、その瞳から雫が零れ落ちた。
「う、ぁ……かは、あっ……ああああぁ……!」
叫ぶような嗚咽とともに、いつからか長く止まっていた筈の久雨の涙が、両の目からこんこんと溢れ出す。突然の事にロベルトが驚き言った。
「えっ、なんかごめん! 気に入らないなら描き直すよ?」
「せんぱっ、ちがう……え……せんぱいの絵に」
少年の久雨はしゃくり上げながらも懸命に言葉を続けた。
「こうありたかった私が、いたから」
絵の中の少年の私。輝く瞳で前を見つめる私。いつも、いつも思っていた。外に広がる青色に駆け出したら、どんなに気持ちがいいだろうと。
涙が、止まらない。このままでは先輩に迷惑をかけてしまう。久雨はめちゃくちゃに目をこすった。
「止まら、な……ごめん、ごめっ……なさい、せんぱ……」
その時久雨の肩が温かくなった。
ポン、ポン。ゆっくりと、ゆっくりとロベルトが久雨の肩を叩く。そして自分のハンカチでそっと久雨の涙を拭ってやった。
「そっか……そうなんだね、うん、大丈夫、大丈夫……」
あやすように。寄り添うように。ロベルトは久雨の肩を優しく叩く。そのリズムに徐々に落ち着きを取り戻した久雨に、ロベルトは言った。
「子供の頃の分、楽しい思い出をいっぱい作ろう。ね?」
濡れた瞳で少年の久雨はロベルトを見上げた。
「……またろっこんで私を少年にしてくれる?」
そのあどけない視線にロベルトは内心ドキリとする。あせりを笑顔で隠しながら久雨に言った。
「そうだな……ショタを見るのは……そう、癒し! 眼福だからね! いつでも僕のろっこんは貸すよ」
久雨はキャンバスをきゅっと抱きしめ、微笑んだ。
「……ああ。ありがとう、せんぱい」
柔らかな太陽の光を受け、街がキラキラと輝いている。
2人はいつまでもその光景を見つめていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月06日
参加申し込みの期限
2016年07月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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