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☆姉の服選び
大天使 天吏
は、シーサイドタウンにあるマンションで私服を眺めていました。
一人暮らしには広い家で収納スペースには困らず、クローゼットには十分に余裕がありました。
私服は今着ているものを含め山歩き用の実用的なものが多く、18歳の女子のものとしてはかなり偏っていたと言えるでしょう。
やがて天吏はスマホを取り出し、登録された番号に電話しました。
「私よ」
感情のない声で話しかけながら、天吏は息を飲んだ相手の反応を楽しんでいました。
「……私と同じ年頃の女性はあまり山にはいらない事に気が付いてね、私服を一式揃えたいのよ。買い物をする、行為も経験したいし今からシーサイドタウンに来てね」
相手の問いかけには応じず一方的に用件だけ言うと、天吏はスマホをしまい、山用のリュックを背負って街へ出て行きました。
普通の女子高生として振舞うべく、観察・訓練・実践を行うために。
「あっ、おい、待てよ……!」
切られたスマホを手に、中学三年の
新江 天懸
は舌打ちしました。
「いつの間に電話番号まで知ったんだよ」
電話は彼の姓の違う姉からのものでした。
親が離婚し、天懸は母と共に行き、天吏は父と住み、別々に暮らすようになって。
結局親たちと離れ寝子島で再会することになりましたが、その関係は世間一般の姉弟とはずいぶん違ったものでした。
「あー……どうしてこうなった」
単純に姉が服を選んでほしいのなら、それは天懸にとって別に苦ではないのです。
しかし姉の興味は服ではなく、実験であり観察にあることを天懸は知っています。
無遠慮に観察されたり周囲に怪訝な顔をされたりして胃が痛くなるけれど……断るという選択肢はありませんでした。
変人であっても大切な姉であり、自分の理解者でもあります。
普段彼がナンパしている大抵の女性たちより素材はいいのだし、普通にしていてくれるなら一緒に歩くのは嫌ではありません。
なんだかんだいって姉に甘い天懸でありました。
ウェーブの金髪に片目を眼帯で覆った天吏がシーサイドタウンに現れました。
人ごみの中でもよく目立つ姉に、天懸は言いました。
「……なんかこう、登山でもしそうな格好だな。そりゃ私服にそれは浮くわ」
天懸にしても、180cmの長身、金髪にピアス、鋭い眼光とかなり人目を引くのですが。
「成程、確かに私と同じ格好をしている女性は少ないわね」
辺りを見ながら天吏は言います。
「女性との接触経験の多い貴方をパートナーに選んでよかったわ。さ、早速服から買いに行きましょう」
「金は実家から送られてくるんだし適当にマネキン一式揃えればいいんじゃねーか……」
ぶつぶつ言いながらも、天懸は知っている店に向かって歩き始めました。
ギャル系の品揃えのブティックの店内を珍しそうに眺め、天吏は薄い生地を触ってみます。
「この素材耐久性あるの?」
「山登りするわけじゃねえだろ! 普通にしてりゃそうそう破れねえ」
言いながら天懸は熱心にトータルコーディネートを考えます。
「これと、そうだな……、やっぱりあっちのを」
愛想笑いして寄ってくる店員にてきぱきと指示を出し、服を揃えさせます。
(他の女相手なら、露出度高いのを勧めてみるんだがな)
姉は無表情に着こなすことでしょうが。
(他のヤローがそんな目で見たら、ぶっ飛ばす。……いや、俺には関係ねえけどな)
内心の葛藤を気取られないように、天懸は服選びに集中するのでした。
「着てみろよ」
「冬服なのにこんなに短いの? ああ、このタイツがパンツ代わりなのね」
渡された服を手に辺りを見回す天吏を、店員がにこやかに試着室に案内します。
「お客さま、こちらです」
試着室で着替えながら天吏は思います。
(あの店員、ずいぶん興味ありそうに見ていたわ。私たちは他人から見ると、不釣合いなカップル、というところかしら?)
鏡に映った自分はさっきとは別人のようです。
(これを着れば、街の中に溶け込めるのかもしれない。お茶でも飲みながら周囲の反応を比較検証してみたいわね)
天吏にとっても天懸は、なんだかんだいって可愛がりたい相手です。
自分が唯一人間らしい感情を残していると実感している、観察対象としても興味深い弟。
しばらくして、天吏はミニのワンピースにコート、カラータイツ姿で現れました。
少しギャルっぽいのは天懸がチャラ系な影響でありましょう。
「とてもよくお似合いですよ」
店員が営業スマイルで言います。
「……こんなもんでいいだろ。会計だけしてそのまま着ていけよ。よかったな」
店員も観察できて、という言葉は心の中でだけ言い、姉が会計をするのを待ちます。
「次はそれに合うショートブーツを買おう。今までおしゃれしてなかったんだから、どんどん買えばいい」
戻ってきた天吏はそれを聞いて意外そうな顔になりました。
「……今まで? お父様から金の巻き毛が美しい、と褒められてそこは勉強したわ」
そして天懸を見つめます。
「貴方ももう少し伸ばせばいいのに」
その時、ぞくり、と天懸は悪寒に襲われました。
彼女の背後に父の顔を思い浮かべたのです。
(やっぱり、姉ちゃんはあの家の人間……父親の操り人形、いや、籠の中にいる鳥だ)
生物学上着飾るのはメスではなくオスだ、と天懸は気づいてしまいました。
他の男の気を引くことなど微塵も考えず、ひたすら自身の興味対象に突き進む……
(人間として彼女はどうなるのか……)
それは、傍から見れば大げさな杞憂であるかもしれません。
けれど天懸は、怖さを感じずにはいられませんでした。
「どうしたの? さあ、行きましょう」
そしてそんな天懸を、天吏は無表情に……いえ、口の端をほんの少しだけ上げて見つめているのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
茄子りんこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月26日
参加申し込みの期限
2016年07月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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