おっぱいヒーロー見参！｜リアクション

おっぱいヒーロー見参！

【巨乳ＶＳ貧乳】

　その日の同じ頃、さらにまた別の場所では――。
「うーん。また大きくなった気がします……。ところで、なんだか今日は騒がしいですね……」
　北条冬華が、ふらりと街に買い物にやって来ていた。
　そこで、冬華はある人物と出会う。
「あら？　北条さんじゃない？」
「あ、鷲尾先生。こんにちわ」
　冬華は偶然に出会った寝子おっぱい高校の養護教諭である鷲尾礼美にぺこりと頭を下げた。
　ちなみにこの二人、とてもボインなので、二人揃うとボインボインである。
　そんな二人の目の前に、『奴』は現れた。

「ふはははは！　そこのボインちゃん達、俺を見ろ！」

「「……はい？」」
　自己主張全開の謎の声に、冬華と礼美は同時に声の主を振り返り――
「「！？」」
　思わず息を詰まらせた。
　そこにいたのは両手にカッターナイフを持ち、ズボンのチャックをフルオープンにした変態――切り裂きチャックだった。
「きゃ、きゃあっ！　へ、変態ですっ……！」
「なっ！？　失礼なっ！　俺は変態じゃない！」
　冬華の悲鳴に、切り裂きチャックはとても心外そうに言った。
「俺はただ女の子の衣服を切り裂いて、おっぱいが見たいだけだ！」
「それを変態って言うんですよ！？」
　冬華は全力で突っ込んでいた。自覚のない変態まじ怖い。
　しかし、本当に恐ろしいのは、切り裂きチャックではなかった。
「……に、逃げましょう。先生。ていうか、まわりの人達も見てないで助けてくださ――」
「いいぞ！」「やっちまえ！」「むしろ俺におっぱいを見せろっ！」「おっぱい！」「おっぱい！」
「は、はぃいいいいいいいいっ！？　ちょっと……なにをするんですか……ふぁっ……そんなに強く掴まないで……ひゃあんっ……！？」
　むしろ、それに便乗して襲い掛かってくる島の住人の方が狂気に満ちていて冬華には怖かった。
　と、そのとき。

「ええええええぃっ！　おっぱい、おっぱい、やかましいわぁあああああああああっ！」

「え……？　なんだ、このボールは――う、うわあああーーー！？」
　冬華に襲い掛かっていた荒くれものの一人が、突如顔面に飛んできたゴムボールの直撃で地面に倒れた。
「……まったく。どいつもこいつも二言目にはおっぱい、おっぱいと言いおってからに。僕はもう頭に来たぞ……！」
　人垣を割って現れたのは、白衣の少女――伊賀解理だった。
　解理はキレていた。全てのおっぱいと、おっぱいを崇めるこの世界そのものに。
「ひ、ひぃっ……！？　このちっぱい怖い！」
「に、逃げろっ！」
　そのキレ具合の恐ろしさたるや、切り裂きチャックやその他の荒くれ者どもが即座に尻尾を巻いて逃げ出すほどだった。
「……ッ！？　待て、誰がちっぱいかぁあああああああああっ！」
　解理はくわっと目を見開くと、バイクで逃走するチャックの背中に叫んだ。
　が、その声は届かず、チャックはそのまま通りの向こうへバイクで消えていった。
「おのれ……。その顔、憶えたからな……」
「……あ、あの、伊賀さん？」
　ぶつぶつ呟く解理の背中に、冬華はおずおずと声をかける。
「……む、君は北条氏」
　解理は冬華の声に気づくと、まず彼女の顔を見て、その次に彼女の胸を見た。
「…………」

〔notice〕
　どこかで何かがプツンと切れる音がした。

「……ありがとうございます、伊賀さん。おかげで助かりました。たくさんの変態さんに囲まれて、このままでは実力行使にでなければいけないところでし――」
「……許すまじ」
「え……？」
「……巨乳許すまじ！　今日、このときをもって、僕はちっぱいヴィランを名乗らせてもらうよ！　手始めにまず北条氏の胸部装甲を破壊する」
「ええっ！？」
　怒りに闇墜ち（？）した解理の魔の手が冬華を襲う！
「や、やめなさい、伊賀さん。何か悩みがあるなら、私が聞くから」
　暴走する解理の目の前に、礼美が胸をボインと弾ませながら援護防御に入る。しかし、それが却っていけない。
「やかましい！　同情するなら、乳を寄越せ！　乳をッ！」
「きゃああああんっ！」
　ゴムボールをぶつけられた礼美の胸は無駄によく揺れた。
「ぬううう！　おのれ、デカチチめ！」
　と、それにまた解理が怒りを爆発させて、Ｕボールをぶつけ、また胸が揺れる。その繰り返しがしばらく続く。
「…………」
　そんなどうしようもない光景を、冬華はバナナで釘が打てそうなほどに冷たい眼差しで、ぼんやりと見つめていた。
（いったいなんなんでしょうね、コレ……？）
　こうして、冬華の受難もまだまだ続く。

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おっぱいヒーロー見参！

シナリオ

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