this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
1月の★ハッピーバースデー
<< もどる
1
…
13
14
15
16
17
…
18
つぎへ >>
【15】お祝いは手料理で
一月二十四日の夜のこと。
浮舟 久雨
は、桜花寮の食堂の厨房で一人、エプロン姿で料理の下ごしらえをしていた。
すでに寮の夕食は終わり、食堂内にも厨房にも他に人の姿はない。
実はこの夜、恋人の
畑生 言嗣
に手料理を作るため、久雨はここを貸してもらったのだった。
作業をしながら、久雨はふと一週間前の言嗣とのやりとりを思い出す。
「言嗣、来週は貴様の誕生日だろう。何がいい? なんでも付き合うぞ」
「ほう。そういえばそうだったね。覚えていてくれたのか。これはうれしいね」
久雨の言葉に言嗣は軽く目を見張ったあと、少し考えて答えたものだ。
「では、久雨の手料理が食べたいね。できるだろうか」
「私の手料理? それはかまわんが……」
彼のリクエストに、久雨はうなずいて小さくうなる。
「むう……あまり、期待はしてくれるな」
「日ごろから、料理の腕を磨いているのではないのかね? 楽しみにしているよ」
そんな彼女に、言嗣は言ったものだった。
久雨もむろん、作るからには全力を尽くすつもりだった。だが、はたして言嗣に喜んでもらえるかどうかは、不安でもある。
それでも、この一週間で献立を考えて、何度か実際に作ってみたりするのは楽しかった。
バースデーケーキとプレゼントは、事前に用意してちゃんと持って来ている。
レシピはしっかり頭に入っているが、それでも持参して来たメモを時おり覗いては確認するのを怠らない。
そんな彼女のエプロン姿を、言嗣は厨房のドアの傍に立ち、後ろから楽しげに見つめていた。
(さて。どんなものを作ってくれるのだろうかね)
彼の心の声が聞こえたかのように、つと久雨がふり返る。
「きさっ、いつからそこに?!」
恋人の姿に気づいて仰天し、彼女は裏返った声を上げた。
「ふふふ、ずっといたさ」
笑顔で答える言嗣に、久雨は何かおかしな行動を取っていなかっただろうかと考え、思わず青ざめる。
が、気を取り直して小さく咳払いすると、言った。
「……もうすぐだ。待っていろ」
「ふむ、そうかね? では、待たせてもらおうか」
うなずくと言嗣は、ドア近くにちょうど置かれていたスツールに腰を下ろす。
「……貴様、そこで待っているつもりか? 料理は出来上がったら、食堂の方に運んでやる。だから、そっちで待っていろ」
それを見て、久雨は思わず言った。ずっと見られているのは、さすがに居心地が悪い。
だが、言嗣は笑顔で返して来る。
「私のことは、気にしなくてもいい。さあ、料理の続きをやり給え」
「……わかった」
しかたなくうなずき、久雨は作業を再開した。
やがて料理が完成し、久雨は厨房に一番近いテーブルへとそれを運んだ。
テーブルに並ぶのは、オムレツとサラダ、オニオンスープといった洋食の数々だ。
「いただきます」
向かい合って席に着くと、二人はそれぞれ言って、食事を始めた。
もっとも久雨は、すぐに手を止めてじっと、食べる言嗣を見つめている。
料理が彼の口に合うかどうかが、気になるのだ。
それに気づいて言嗣は、顔を上げた。
「うむ、美味だ。とても良いよ」
「美味しいか? そうか……」
彼の言葉に久雨は、小さく口元をほころばせる。
胸の中では、大きく「よし!」とガッツポーズをしていた。
そんな彼女に、言嗣もついつい頬をゆるませる。
彼の笑顔に、久雨はふいに胸の奥が何かに満たされるような、不思議な感覚に襲われた。
「い、いや。なんだろう。どきどきも、する……のだが、それだけではなく、胸が満ちるような」
呟くように言って、彼女は胸元に手をやった。
(この感覚は、恋以上のものなのか?)
考えを巡らせ、あてはまる言葉を探す。
「ふむ、奇遇だね。私も君を見ていると、そういう時がある」
言嗣は言って、彼女の次の言葉を待った。
「あ……ふ、ふうふ……夫婦、とか……?」
ようやく見つけ出した言葉を、久雨が口にする。
途端、言嗣は驚いて小さく噴き出した。
「違う! 今のはもののたとえであって、というか私たちは……」
慌てて言い募る彼女が可愛くて、言嗣はこのままずっと見ていたいと思う。
がむろん、久雨の方は彼がそんなことを思っているなど、気づきもしない。
「とにかく、今のは言葉の綾というやつだ」
なんとかごまかそうと更に言って、強引に話題を変えた。
「それよりも、贈り物があるんだ!」
立ち上がると、厨房に駆け込んだ。そこから、用意していたプレゼントの袋を手に、戻って来る。
だが、彼の傍まで来て、久雨はふいに、はたしてこれを彼が喜んでくれるだろうかと、不安になった。
「む……贈り物は、だな……」
言いさして、後ろ手に袋を隠し持ったままうつむき、彼女は渡すのをためらう。
「贈り物……?」
軽く目を見張った言嗣だったが、彼女の様子を見て、大きくうなずいた。
「そうか、わかったよ。これはあれだね。『私がプレゼント』というパターンだね」
いつになく大胆だと思わず頬をゆるめ、「ここは受け止めてやらねばね……!」とばかりに、自分も立ち上がり彼女の腕をつかんで引き寄せようとする。
「そうではない! 離さんか!」
真っ赤になった彼女が怒鳴るのへ、「む、違うのかね」と言嗣は腕を離した。
「贈り物はこれだ。受け取れ!」
それへ久雨は、プレゼントの袋を差し出す。
受け取って、言嗣は「開けてみてもいいかね?」と尋ねた。
久雨がうなずくのを見やって、袋を開ける。
中身は、弁当用のカトラリーセットだった。シンプルだが、機能的なものだ。
「今度、昼に弁当を作って来る。よければ、その時はそれで……」
言いかけて、久雨はうつむいてしまう。
(これはまた……うれしいね)
プレゼントはむろんだが、それを彼女がくれた意味そのものが。
言嗣はうなずいた。
「もちろん、使うよ。久雨の手作り弁当、楽しみだね」
顔を上げた久雨が、安堵したように笑う。
その笑みに、言嗣は再び顔がゆるむのを感じた。
そのあとも、二人はあれこれと話しながら料理を口にした。
それを食べ終わると、久雨が用意したケーキで改めてバースデーソングを歌う。
そのケーキが全て、二人の胃袋に納まるころ、久雨はふと尋ねた。
「言嗣。その……今日は良い日、か?」
「あぁ、今日はとても良い日だ」
答える言嗣の面には、普段はあまり見せない、輝くような満面の笑みが浮かんでいた――。
<< もどる
1
…
13
14
15
16
17
…
18
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
1月の★ハッピーバースデー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月24日
参加申し込みの期限
2016年07月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!