人生の分かれ道！　滑らないで！｜リアクション

人生の分かれ道！　滑らないで！

☆英検勉強中

　御剣刀の目標は剣術を極めることである。
　剣術に集中しすぎて勉強が疎かになって困ったことも多々あった。
　だがどうしたことか、刀は今期末テスト前でもないのに自分の部屋で勉強をしている。
（剣の道を極める、その為には海外への武者修行も必要だ！　その為に……えっ英語を身に付けないと）
　言葉がなくても刀を交えれば通じ合える、というのが理想であるが。
　さすがに海外へ行けば、日本語だけでは日々の生活が困難であろうことは予想できる。
　そんなわけで英語の勉強を始めた刀。
　しかし漫然と勉強していても、どのくらい身に着いたのかわからない。
（自分がどれ位の英語力を身に付けたのか、その指標として英検を受けてみよう）
　具体的な目標を得て、英語の勉強に身を入れる……はずだったが。

「えーっと……これなんて読むんだ？　これの意味なんだよ」
　さっそく躓いている。
「えっ、これ繋げると意味変わるの？　あー、もうわかんねえよ！」
　頭を抱え、投げ出したくなる。
（ヤバい、これで落ちたらどうしよう……いや、最終的には身に付けるんだから今落ちても次頑張ればいい……）
　つい自分に言い訳をしたくなるが、刀は気を取り直す。
「……とは言い切れないよな、受けるからには通りたい」
　島岡先生の悲しい顔を見たくなくてすごく頑張った2学期の期末テストの英語、刀は好成績を修めることができた。
「やればできるんだ！」
　不安を拭い去るために自分に色々と言い聞かせていると。
　ガタン。
　不意に物音がした。
　見ると本棚から本が落ちていた。
「英語の参考書……落ちるなよ！　縁起悪いな！！」
　本を棚に戻すと。
　ゴトッ。
　隣の棚に置いてあった猫の置物が落ちた。
「またか……」
　何とも言えないネガティブな気持ちになりながら、刀は置物を棚に戻す。
　その時、その隣に座っている人形の【ルヴィア】が目に入った。
　ルヴィアは動かない。その目は何も映していないようだが、刀は何かを感じた。
　何となく励まされた気がした。
（うん、頑張る）
　気を取り直して、刀は勉強を続けるのだった。
　

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