人生の分かれ道！　滑らないで！｜リアクション

人生の分かれ道！　滑らないで！

☆英検当日

　神魂の影響も抜けたはずの英検当日。
　晴天の朝、御剣刀はどんな敵と戦うときとも違う種類の緊張に襲われていた。
「やれるだけのことはやった、よーし、行くぞ……って！」
　玄関を開けてみれば、地面はつるつるに凍っていた。
「……す」
　……べりそうだ、という言葉を、刀は慌てて飲み込んだ。
（滑るとか縁起悪いな！）
　慎重に歩を進める。
（いっそスケートみたいに滑っていけたら楽なのに。いや、滑るとか言っちゃだめだ）
　何度も滑りそうになりつつ、持ちこたえる。
「これも剣術の訓練になる、かもな……」
　会場まではいつもの倍も時間がかかったが、どうにか転ばずに済んだ。
「あー疲れた……何か緊張抜けたわ」
　刀は無事に試験を受け終えた。
（まあ落ちても死ぬわけじゃないし、次頑張れば良いよな）
　自分にそれなりの能力が身についていたか、それはこの試験結果で分かる。
（試験の結果は担任の島岡先生にも報告しよう）
　島岡先生の笑顔が見れたらいいな、と刀は思う。

　ちなみに結果は、無事合格だった。
　

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