【星幽塔】酒場にて　→飲む　→話す　→外に出る　→脱ぐ｜リアクション

【星幽塔】酒場にて　→飲む　→話す　→外に出る　→脱ぐ

　まだ光の戻らないサジタリオの街を、影を求めてさまよい歩く人物がいた。

（この塔は、一体何を開放しているのか）
　夜海霧楓はそこが気になっていた。
　以前この塔とやらの開放に関わった鴻上彰尋から、色々話は聞いていた。
　人語を喋る黒い影。
　今、サジタリオの街は大部分の戦闘力が城に割かれている。
　もし、黒い影とやらがこの城下町にも来ているとしたら、動くのは今だろう。
　楓はそう踏んだのだ。

　楓に敵意はなかった。
　ただ、巻き込まれる側として、何をやらされているかを知っておきたいのだ。
　影が素直に答えなくてもいい。独り言になってもいい。
　相対してみたかった。

（後は……自分の武器も鍛え直さないといざという時面倒だな。しょうがない、鍛冶屋にも寄ろうか）
　楓は光のない街を歩く。
　その姿が路地の闇へと消えていく。