【お正月】ドキッ☆水着だらけ！新春最後の聖戦｜リアクション

【お正月】ドキッ☆水着だらけ！新春最後の聖戦

￥ついに……

　保健室から戻ってきたまゆ先生と竜司、明里やみゆきも、巨大雪だるま倒しに参戦です。
「まゆ先生！　俺が肩車します」
　衛を肩車しているロベルトの様子を見て、竜司は目を輝かせますが。
「結構よ！　高いところに届かなくても下から崩せるわ」
「どいひー！」
「あら、箱があるわ。中にみかんが入ってるわね」
　雪だるまの頭部分を破壊していた蛇那伊が気づきました。
「みかんか……まゆ先生、差し上げます」
　食べ物が見つかってもテンションが上がらない竜司です。
「みかんはみんなで分けましょう」
　私マジ天使、と思いながら暦が言います。
「戦利品は５円にアイス券にみかんだけ？　この下に１万入ってるとしても、何人で山分けかしら……」
　手の感覚がなくなりかける中、焦りを感じる碧南です。

「ふふふ、やったわ。これで何買おうかしら」
　桃花が戦利品を手に、満足げに大きな雪だるまのほうにやってきました。
「みんな、残念ね。お年玉は……」
　桃花がそう言いかけた時。
　ぐらり。
　皆の奮闘のおかげで、さしもの大きな雪だるまもついに傾きました。
「たーおれーるぞー！」
　暦が大きな声で周囲に危険を知らせます。
「まさか巻き込まれる人は……って、こっちに来る！？」
　大きな雪だるまの頭が、ごろんと転がりだしました。
「いやー！　雪崩跡からスク水が生えてるような絵面はいやー！」
　必死で逃げる暦の上に、ばらばらとみかんの雨が降り注ぎました。
　むしゃあ！　瓢がみかんを口で受け止めます。
　明里が、そして圭花が雪に飲まれました。
　が、すぐに雪の下から顔を出しました。
「ぴぎゃー！　寒いけど楽しいなの！　でもみんなは真冬に雪の中を泳ごうとしたら駄目なの！」
　笑顔で明里が言い。
「ふう、ひどい目にあったわ」
　飲み込まれながらも、圭花は猫の雪像から掘り出した１万円入りのポチ袋を放しませんでした。
　そして巨大雪だるまの体からも……
「今宵は宴じゃ！」
「寮でＢＢＱなのだ！」
　瓢が、真央が歓声をあげます。
　牛肉１キロが発見されたのでした。
「今夜猫鳴館でみんなで食べるなの。寮生以外の争奪戦参加者の方もどうぞなの」
　自治会長の明里が宣言、歓声が上がりました。
「こうなったら夕食代分くらい浮かすわ！」
　碧南も参加を決めました。

「かまくら……暖を取りたかったのに」
　衛やロベルトを始め、破壊されたかまくらにがっかりする参加者たちに。
「もうメインの賞品も出たことですしいいでしょう。風邪をひかないよう暖まってくださいませ」
　唱華がタープテントを開放しました。
「クシュン」
　かわいいくしゃみをして、明里がストーブにあたりにいきます。
「天使の加護（コメディエアー）があるなら、きっと本格的に風邪は引かないよね！　なの」
　アンナはおしるこ券を交換し、明里の後についていきます。
（んー、可愛い子に美人のお姉さんの水着姿が見られて楽しかったわー。……はぁ、でも付き合ってくれそうな子はいなかったわねー。残念だわー）
「薄い本を買うお年玉は見つからなかったけど……たまには外に出るのもいいですわね」
　いいカップルが見れて、お団子を手にした暦も満足そうです。
　
「いい汗かいたわね。ちょっと物足りないくらいかしら？」
　体から湯気が出ている蛇那伊は、ストーブに当たる必要もなさそうです。

　
「真央ちゃんの事は物欲の申し子と呼ぶがいいのだハァックション」
　その後も全雪だるまがなくなるまで、唇真っ青＆目を円マークにして壊しまくる真央でした。
　シャベルを構え、それに続くかと思われた瓢ですが。
「みかんや５円玉を探そうかと思ったが……それよりいいものがあるよぃ」
　瓢は楽しそうに、さっきまでＯＢが食べていたスルメやししゃものある場所にシャベルで雪を放り込みます。
「な、何をする！」
　慌てるＯＢたちに平然と瓢は言いました。
「おや、こんなところにも雪像があるよぃ。掘るとしようかねえ」
　そしてちゃっかりと、残っていたスルメやししゃも、ジュースをゲットします。
「おい、それは俺たちの」
　文句を言おうとするＯＢたちに瓢はニンマリしていいます。
「さすが先輩たち、自分たちの分を欠食童子に分けてくださるとはお心が広い」
「う、うむ……まあ星ヶ丘からたくさんいただいたことだしな」
　ＯＢたちは文句を言えなくなり、瓢は言います。
「むしゃあ……としたいとこだが、今は美味い肉の前だからひかえとくよぃ」
　瓢はスルメやししゃも等の戦利品を抱え、猫鳴館へ向かうのでした。

　保健室に運ばれた倫理子ですが、鷲尾先生の看護を受け、おしるこで温まったあとお土産のみかんをもらってタクシーで帰宅したということです。

　雪像は消えてしまいましたが、その姿と雪の冷たさは皆の心の中に残り、語り継がれていくことでしょう。
　

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あとがき

担当マスター：茄子りんこ
ファンレターはマスターページから！

雪の中のお年玉探し、おつかれさまでした！
皆さんのアクションのおかげで、物語が思いがけない方向に転がっていって楽しく執筆させていただきました。
一部かなりアドリブが入っている方もいらっしゃいますが、楽しんでいただけたら幸いです。

書き上げた時点で、うっかり雪像から出てきた冷凍サンマさんを放置プレイしてたなんて、そんなことは……（汗）

また機会がありましたらご参加お待ちしております。

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