this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
大きなイチョウの木の下で
<< もどる
1
2
3
4
5
…
17
つぎへ >>
ふたりは登山道入口駅からロープウェイに乗った。
ロープウェイはごとんごとん揺れながら登って行く。車内はがら空きで、乗っているのは孝明と瑠樹のほかには3名ぐらいしかいなかった。
同じ席にとなり合わせに座って、瑠樹はリュックを横に、ラピちゃんは抱っこして、なんとはなし、足をぶらぶらさせる。
まだ外は明るいとはいえ、午後5時を回っている。きょうは旧市街で友達と遊んでくると両親には昨夜前もって知らせてあるから多少は遅くなっても平気だとは思うが、それでもやっぱり、小学生がふたりでロープウェイに乗っていることを不審に思われたり咎められたりしないか、瑠樹は内心気が気でない。孝明はどうだろうかととなりを盗み見ると、孝明は窓に顔を寄せて、ほおづえをついていた。下の景色を見ているようでもあり、何か考え込んでいるようでもある。いずれにしても、周囲の目を気にしているようには見えなかった。
孝明は瑠樹からすると、ものすごく大人に見えていた。
小学3年生の瑠樹から見れば6年生はみんなおにいさん、おねえさんで、すごく年上に思えるものだけれど、孝明はそのだれよりしっかりしているし、とても賢いのだ。オリエンテーションでもグループのほかの者たちのようにふざけたりはしゃいだりしなかった。自分から積極的にしゃべらないけど、かといって暗いというわけでもない。瑠樹や、ほかの下級生の子たちの面倒もしっかり見てくれたし、チェックポイントで先生の出す問題に迷っていると、ヒントを出して助けてくれたりした。
孝明の『事情』は、なんとなく瑠樹の耳にも入ってきていた。もともとは島外の者で1年生のときに島へ転居してきたとか、両親は亡くなっていて今は叔母夫婦と一緒に暮らしているとか。
(お父さんやお母さんがいないって、どんな感じかな? だから孝明お兄さんはこんなふうなのかなぁ)
聡明という言葉は難しくて瑠樹には思いつけなかったが、瑠樹が孝明に感じているのはそれだった。
その孝明が、妙にふさぎ込んでいるのが気になる。あと、ずっとポケットに突っ込んだままの右手も。
形から、何か握り込んでいるみたいだけれど……。
「孝明お兄さんは、どうしてその神社へ行こうとしてるの?」
話題を探して振ってみたけれど、孝明からの反応はなかった。
「オレでよければ話聞くよぉ。
ほら、ラピちゃんも心配してるよぉ」
ラピちゃんの手でぽすぽすと孝明の腕をたたきながら、ろっこん
ゆるゆる和みと恩恵の輪
を使った。
孝明を包む緊張が少しほぐれた気がする。ぽつっと孝明がつぶやいた。
「女の人に、会いに」
「だれ?」
「知らない」
「えー? 知らない人とこんな時間に会ったりしちゃいけないんだよぉ? 先生に怒られるよぉ?」
孝明がそれを知らないはずはないのだが。自分のことを心配して眉をしかめる瑠樹に、孝明は釈明するように言った。
「今の時間じゃないと駄目なんだ、たぶん」
「今?」
「うん」
それっきり、押し黙ってしまった。
「ふぅん。
でもその人に会って、どうするの? だって知らない人なんでしょ?」
「……お願いするんだ」
「お願い?」
「もうぼくにかかわらないで、って。……
もし聞いてもらえないときは
……」
もうじき砂掛谷駅に到着するというアナウンスにかき消されて、最後のつぶやきは瑠樹には聞こえなかった。
思い詰めた顔で、ぎゅっとポケットのなかの手を握り直す孝明を見て。
「じゃあぼく、ここだから」
砂掛谷駅で降車しようと立ち上がった孝明の前、瑠樹はぴょんっと座席から飛び出し両足を揃えて着地した。
「オレも一緒に行ってもいいかねぇ?」
「え? でも……」
「べつに、展望台は用事があって行くわけじゃないからねぇ」
孝明は見た目にもはっきりとうろたえていた。しかし、面には出していなかったけれど内心では彼も心細かったのだろう、すぐにうなずいた。
「一緒に来てくれる……?」
「うんっ」
ふたりはほかの乗客たちとともに砂掛谷駅へと降りる。
「あ、孝明お兄さん、スポーツドリンクあるよぉ。飲む?」
瑠樹はスポーツドリンクの存在を思い出し、リュックから取り出して「はい」と孝明に差し出した。
「ありがとう。でも瑠樹くんの分は?」
「オレはいいよぉ。お兄さんと会う前に飲んだから」
「そう?」
孝明は遠慮がちに、それを受け取った。
改札を出たふたりの足元から伸びる影が、長くなり始めていた。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
17
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
大きなイチョウの木の下で
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
ホラー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月12日
参加申し込みの期限
2016年04月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!