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「……ふふっ」
自分の笑い声で目が覚めた。
幸せな夢の欠片が残ってなんだか温かな胸を片手でひと撫でして、起き上がる。布団を蹴飛ばす。幸せな夢のお陰で元気は身体いっぱいに充填されている。今日もいちにちがんばろう、と跳ねるように立ち上がって、
後木 真央
は周りの静けさに首を傾げた。
寝る前に消し忘れたのか、天井の明かりが煌々と灯っている。それはいい。
いつもなら薄い壁を通してほぼ筒抜けに聞こえて来る、猫鳴館の面々の声も気配も、何も聞こえてこない。誰の足音も、誰の声も。
(神魂事件なのだ?)
いつもと違う変事は、大抵が神魂による影響が多い。今日もまた何かあったかと、枕元に転がっていたスマートフォンを手に取る。情報収集に手っ取り早いネコッターのアプリを起ち上げて、
「……んん?」
夜明け前の時間を限りに、誰の発言もなくなっていることに気付いた。
まるで誰もいなくなったみたいだ、と一瞬思って、すぐに首を激しく横に振る。寝癖のついた栗色の髪がぱたぱたと耳元で大きく揺れた。
冬の冷気とも違う、どこか不気味な寒気が足元に這い寄ってきている気がして、真央は咄嗟に両手を握り込む。呼べばすぐさま現れる、ろっこんによる召喚の力を使って相棒の猫を呼びだそうとする。
「にゃにゃにゃがおー!」
いつもならどこからともなくのっそりと現れる三毛猫は、けれど現れなかった。首を傾げ、もう一度召喚儀式を繰り返す。もう一度。もう一度。
「がおー!」
何度繰り返しても、召喚猫は現れない。
誰も居ない猫鳴館の中、真央はいつまでもひとりのまま。
「がおー! なんで出てこないのだ!?」
悲鳴の声が枯れた。猫は出て来てくれない。
泣き出しそうな顔を丸めた両手で擦る。手早く制服に着替え、赤猫リュックを背負いながら部屋を飛び出す。廊下の古びた床を踏み抜く勢いで駆け、何か怖いものに出会ったときの用心にと台所の錆びかけた包丁をタオルで包んで鞄に押し込む。
きっと誰かいると信じて外に出て、誰にも会えなかった。寮の外に出ても道で誰にも会えないまま、学校の正門の前に立つ。
静けさで耳が痛かった。
学校にも、誰もいない。
(何かがあってみんなが避難したのに取り残された?)
ひとりきりの世界で、真央は考える。
(……それとも、テオが世界を切り取った?)
指先が冷たい。息が浅い。気をぬけば体中が震えて止まらなくなる。
学校に入っても誰にも会えないことが恐ろしく怖くて、学校に背を向けた。手近な家に侵入する。
誰も居ない、知らない家の台所に入り込む。誰もいないのに、電気は灯っている。食卓に食事が載っている。
冷蔵庫を勝手に開ける。ふつりと途切れる電気の駆動音と共、膝から力が抜けた。冷たい床に座り込む。
他人の家に勝手に入り込んで、勝手に冷蔵庫を開けた。中の食べ物を勝手に食べようともしている。それなのに、家の人は誰も出てこない。
悪い事をしたのに、誰も叱ってくれない。
「テオ、」
枯れていた声が、ようやく出た。
「テオ、……説明が欲しいのだ、何が起きたのだ、何をしてほしいのだ?」
呟きに応じる声はない。
開け放った冷蔵庫をそのまま、真央は獣のように呻いた。よろめくように立ち上がり、逃げるように見知らぬ家を飛び出す。
どこに行けば誰かに会えるだろう。外はこんなに朝日に溢れて眩しいくらいなのに、あちこちに誰かが居たような形跡はあるのに、コンビニに電気だって灯っているのに、どうして誰もいないのだろう。
(誰か)
コンビニに行ってみよう。真夜中だろうと早朝だろうと、コンビニにはいつだって誰かが居た。
(誰も居なかったら?)
悪夢のような思いに、真央は翡翠色の瞳を顰める。その時は『悪い事』をしよう。勝手に物を食べたり、カウンター内に入り込んで警察通報用のベルを鳴らしてみたり。それでも誰か来なければ、背負ってきた赤猫リュックにありったけの食べ物を詰めて盗み出してしまおう。
人のいない道を力の限り走る。
(怖い)
「怖くない」
泣き出すように叫んで、冷たい北風に咳き込んだ。
見回す限り誰も居ない。誰も居ないから怖くない。だって危険な物が近づいてくるわけじゃない。
(生き物が何もいないから怖く……)
「そんなわけないのだ」
心に言い聞かせようとして、できなかった。足が止まる。誰も居ない街の真ん中に立ちすくんでしまうと、もう一歩も動けなくなってしまった。
「独りは嫌いなのだ」
呟いてしまうと、溢れる恐怖は止まらなくなった。
「怖いのだ、こんなの……こんなの嫌なのだ!」
なにより怖い孤独のうちに、思う。
(世界をこんなにしたのは誰?)
(誰も彼もいないのはなんで?)
ああでも、とも思う。本当に誰も彼もいないわけではない。原因となる誰かがいるはず。それが証拠にここには己がまだ居る。
(原因は……原因は?)
落ちた針の音さえ聞こえそうな静寂に、誰かの足音が聞こえた。軽い、とても軽いその音は、鳥のそれのようにも思えた。いつもいつも、『フツウ』の世界に混乱をもたらそうとするあの烏の足音。
無言のまま、真央はリュックから包丁を取り出す。
こんな世界を夢見た誰かが、この世界には居る。その誰かが居なくなれば、――ここから本当に誰もいなくなれば、きっと。
「……ふふっ」
孤独に侵され錯乱する心と包丁を手に、真央は笑う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月23日
参加申し込みの期限
2016年03月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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