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豚は出荷よー!
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●
「ふんふふ~ん、ふんふふ~ん♪」
路地裏に響くは陽気で牧歌的な鼻歌。歌を紡ぐは一人の女性。
彼女は歌の節を取るように、腕を振り上げては振り下ろす。
「ふんふふーん、ふんふふーふ~ん♪」
女の歌に呼応するように、水が飛び散る。
けれど女はそれを不快と思わずに、むしろ心地良いとばかりに浴びる。
女の鼻歌は、イギリスで生まれてドイツで育った、そんな戯曲の劇中歌。
それは、異化された風景だった。ちょうど、犯罪者の所業を陽気に、牧歌的に歌い上げる歌のように。
彼女は腕を振るう。その手に指揮棒のように握られているのは、大きく無骨な鉈。
鉈が振り下ろされるたびに、肉が潰れて断ち切られる音がして、赤い水が跳ね、女の顔にかかる。女は口元に付着したそれを妖艶に舌で舐め取って、立ち上がった。
「ふう。こんなものかしら」
満足気に微笑んで、女は――
常闇 虚
は――肉塊を、あるいは彼女の狩猟の成果物と成り果てた豚だったものを眺める。
「ふふふ、猪は狩ったことがあるけれど……喋る豚なんてゾクゾクするじゃない」
さあ、と虚は路地裏の奥を見やる。そこには恐怖と怒りで震え上がるもう一匹の豚の姿。無様とも言える豚どもの醜態を前に、彼女はくすくすと笑いながら鉈を片手に、まるで友人を遊びに誘うかのように空いた方の手の平を向ける。
「豚さんこちら、食肉になりたい子はこちらにおいで♪」
「お、おのれ……同志“寝子島おいしい豚さん”をよくも、よくもォオ!」
ぶるりと震えた豚が怒りに任せて突進してくる。しかしそれは彼女の思う壺だ。
虚がしゅるりと取り出したのはいわゆる括り縄。それ、と豚の直進方向に投げたそれを、タイミング良く引いて足を取る。
足を取られて体勢を崩した豚はべしゃりとそのまま地に伏せてしまう。豚はわけがわからないとばかりに混乱の悲鳴を上げた。
そもそも四足歩行とは非常に安定性のある歩行法である。ゆえに、その片足を相当強く引いて、体幹ごと揺るがさなくては効果が薄い。しかし、虚の引き方はそこまで力強さのあるものではなかった。
「あら。足を取られた瞬間に足を滑らせてしまうなんて、なんて不運なんでしょう……」
クスクスと笑いながら、虚は豚を見下ろす。
つまり、およそ物理や条理から外れた力がこの豚に働きかけたのであった。
絶対狂運圏(ルール・オブ・ラック)。負の情感を向けられることによって、自身の運気を向上させる力。それが虚の持つろっこんであった。
豚は立ち上がろうともがくが、しかしまたしても足を滑らせてしまう。もがけばもがくほど豚は恐怖の深みにはまっていく。深みにはまればはまるほど、虚の運気はその不幸を蜜の味とあざ笑わんばかりに上昇し、虚にとって都合の良い事象を引き寄せる。
「ふふ、うふふふふ……っ」
我慢できないとばかりに虚は鉈を振り上げ、振り下ろした。
「ひぅっ……」
豚の悲鳴以外の声が聞こえて、はたと虚はそちらを振り向く。そこには少年と青年――カジカと貫司の二人がいた。
「あら、こんにちは」
なんとは無しに虚が挨拶すると、カジカはまた小さく悲鳴を上げて貫司の後ろに隠れてしまった。
「どうも。えーと、大丈夫、みたいだな?」
「何がかしら?」
「ああいや、大丈夫ならそれで良いんだ。気にしないでくれ」
一瞬だけ場の雰囲気に飲まれたかけた貫司だが、持ち前の肝の太さで平常心を保つ。
じたばたとなおも暴れる豚の背を虚が踏みつけて黙らせる。
「……それ、お前一人でやったのか?」
「ええ、そうよ。なんだか面白いことになってたから、とりあえずは〆ているだけなんだけどね」
地面に伏す二匹の豚を見やる貫司へと平然と頷く虚。カジカは貫司のツナギの端を握ったまま震えている。鉈もそうだが、怖いのだろう。雰囲気が。
「ほざけ小娘、我々豚は自由な自然に生きる動物……! このようなことが許されると思っているのか……!?」
果たして、地に伏した豚の言葉に対する虚の一番最初の返答とは、踏み付けの体重を加えることであった。
「あは、自由な自然に生きる動物、ですってぇ?」
愉快なことを聞いた。そういう表情だった。虚は鉈を振り上げる。
「……だったらぁ、自然の摂理には従ってもらおうかしらぁ」
鉈が空気を裂く音が聞こえたのは、その言葉とほぼ同時だった。
金属音。
――虚の鉈の先にあったものは、豚ではなく缶詰だった。貫司のろっこん、缶詰のすゝめである。
虚の視線が貫司へ向く。やったのはあなた? 彼女の目はそう聞いていた。それに対して貫司は手を後ろにやってカジカの頭を掴むと、言った。
「さすがに教育に悪いだろ」
「……そう。そうね。確かに、その通りだわ」
ふ、と笑って虚は鉈を持つ手から力を抜く。
「私は虚。あなたたちのお名前は?」
「俺は貫司。……で、こっちの坊主がカジカ」
すっかりおびえてしまったカジカの頭をぽんと軽く叩きながら貫司が代わりに名乗る。その様子が彼女の視界にはおもしろいものに映ったのか、虚はくすくすと笑った。
「さあ、どうしましょうか。まさかここで缶詰を開いて殺処分して解体作業、というわけには行かないし。処理場の許可が欲しいわねぇ……」
「ぶ、ぶ、ぶたさん……」
貫司の後ろから震える声が聞こえてくる。あら、なにかしら、と虚が覗き込むように首を傾げると、カジカは小さく悲鳴を上げて縮こまった。
「ぶたさん、ころしちゃう……?」
「ええ。この子はね、自然の摂理に従いたい、より強い人に食べられたいんですって」
「た、たべちゃう、の……?」
ぎゅ、と貫司のツナギを掴んだカジカの小さな手は、震えている。
「人間ってのはな、何かを食って生きなきゃならねえンだ」
「でも、かわいそう……」
貫司からしてみれば、豚は食料だ。けれど目の前の少年にとっては違うのだろう。じわ、とカジカの目の端に涙が浮かぶ。貫司はそれを指ですくい取って、乱暴にくしゃくしゃと頭を撫でた。
「カジカ、お前は優しいな。でも、それが自然ってもンだ。お前だって食わなきゃ死ぬ。だからこれは必要なことなンだ」
「…………」
やや間が開いて、青年の手のひらに頷きが返ってくる。貫司はよし、と笑ってぐしゃぐしゃと髪を引っ掻き回した。
「……? なンだ?」
「……いいえ、なんでもないわ」
どこか遠いところを眺めているような目でこちらを見る虚へ視線を向けると、彼女はゆるゆると首を横に振った。髪を掻き上げて微笑む虚の表情に、先ほどのどこか寂しげとも言えるような独特な雰囲気はすでにない。
「そんなことよりも移動してしまいましょうか。業者に連絡して交渉すれば、解体処理場が貸して貰えるかも」
「その処理場の手配、俺に任せて貰おう」
ふと、角から声がして、男が一人現れる。
「――俺は
八神 修
。お前たちと手を組みたい」
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担当ゲームマスター
豚野郎
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
バトル
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月20日
参加申し込みの期限
2016年03月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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