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【5】真実を受け止めて
現象が始まって、二週間が過ぎた。
繰り返される殺意と、それを止められなかったという後悔の念が、彼らの心を疲弊させ、精神を蝕んで行きつつあった。
そんな中、誰かが成功するかもしれないと一同の行動を静観していた修が、「そろそろ、アタシたちも動いていいころよ」との蛇那伊の言葉もあって、動き出した。
二人はまず、修の発案でボート三隻を借りると、悠香の落下地点である崖下へと向かった。
彼女が落ちる場所は、毎日繰り返されるニュースや天気予報と同じく、まったく同一地点だった。
なので二人は何回か、警察と救急隊が到着したあとの様子を伺い、その場所を絞り込んであったのだ。
そこに到着すると、彼らはボート二隻を横に連結し、そこにエアマットを敷いた。
ちなみに、落下地点にマットなどを敷いて悠香の死そのものを食い止める案は、蛇那伊も考えていたものだ。
用意が終わると、二人は顔を見合わせ、うなずきあった。
「俺は、上に戻って島田と話してみる。もしもの時は、頼む」
「任せて。万が一の時には、アタシがしっかり受け止めてみせるわ」
そうなのだ。万全を期すため、蛇那伊はここで待機して、落ちて来た悠香を受け止めるつもりなのだった。
それへ再度うなずき、修は残った一隻のボートに乗り込むと、ゆっくりと漕ぎ出した。
「この手の動き、無駄になってくれれば、万々歳なんだけど」
それを見送りながら、蛇那伊は一人、呟くのだった。
一方、陸に戻った修は、廃線へと急いだ。
かなえと悠香が来る前にそこにたどり着くと、カメラを手に、いかにもこのあたりの風景を撮りに来たというふうを装い、彼女たちを待ち受けた。
やがて、やって来た二人が話しながら修のいる方へと、近づいて来る。
彼は、頃合いを見計らって、声をかけた。
「やあ、珍しいな。ここで誰かに会うなんて」
「……あなた、何してるの?」
かなえが、警戒心もあらわに返して来る。
「廃線と眺望を撮りたくてさ」
修は二人にカメラを見せ、続けた。
「こういう、打ち捨てられた場所には、独特の趣があると思うんだ。過去の自分や、心に会える……みたいなね」
「そういうの、私もわかるわ」
小さく目を輝かせて、悠香が話に乗って来た。
「朽ちて行くものへの哀愁っていうか、何か、不思議な感慨を覚えるわよね」
「ああ。……どうやら、そっちは話が合いそうだな」
修はうなずいて笑ってみせると、カメラを周辺に向け、何度かシャッターを切る。それからつとカメラを下ろして、続けた。
「喧嘩したまま、会えなくなった友人がいてさ……こういう所に来ると、そいつのことを思い出すんだ」
「会えなくなったって、どうして?」
悠香が、訊いて来る。かなえの方は、不機嫌そうに唇を引き結び、彼を睨み据えたままだ。
修はついとそちらに視線を向け、言った。
「事故で、死んでしまったんだ」
途端、かなえが小さく息を飲む気配がした。
かまわず修は続ける。
「おかげで、罵ることも、許し合うこともできなくなった。あの時、もっと本音で言いあえばよかったと、今でも思うよ。……後悔先に立たず、だな。命以外のことは、たいてい取り返しが利く。本音でぶつかれば、未来は変わっていただろうにな……」
淡々と紡がれる彼の言葉に、かなえは唇を噛んでうなだれた。
悠香の方は、ただ驚いたように目を見張っている。
「変な話して、ごめん」
修はそちらへ笑いかけ、謝罪を口にした。
と、そこに春彦、武道、利平、彰尋の四人が姿を現した。
むろん、今日もかなえを止めるためにやって来て、修の姿に様子を伺っていたのだった。
「彼の言うとおりだ。……生きていれば、本音で語り合って、怒りを解くこともできる」
彰尋が、一歩そちらに踏み出して言う。
「な、何を……」
かなえは、突然現れた彼らと彰尋の言葉に、動揺したように後ずさった。
遅れて、七星と和穂、倫理子も姿を現した。
「あなたたちは今、大切なものを失っていますわ。そして今、大切なものを捨てようとしていますわ」
七星がかなえと、そして悠香を見やって、口を開く。
「あなたたちが本当に護りたいものは、何かしら? あなたたちは本当に、お互いを必要だと思っていますか?」
その問いの真摯な響きに、かなえと悠香は思わず互いを見やった。
それへ、春彦も言う。
「ストレス溜めて破裂する前に、言いたいことあるなら、言ってすっきりしちまった方が、イイんじゃねー?」
「俺も、そう思うな。……言わないから、よけいにモヤモヤがたまるってことは、よくある」
うんうんとうなずき、武道が相槌を打つ。
軽い口調ではあるが、二人の言葉には七星と同じ真摯な響きがあった。
それに気づいてか、悠香がかなえをふり返った。
「かなえ……もし何か思っていることがあるなら、私に本心を聞かせて」
「悠香……」
言われてかなえは、驚いたようにそちらを見やる。
「……なんで、そんなこと言うの?」
「だって……かなえ、クリスマスからこっち、ちょっと変なんだもの」
問い返されて、悠香は言った。
「私が話しかけても聞こえてないふりして、どこかに行っちゃったり、知らない間に一人で出かけたり……。お正月も、二人で初詣に行こうって前は言ってたのに、鎌倉のおばあさんの家に行くなんて急に言い出して……。私、何か悪いことした? もし何か私のしたことで怒ってるなら、ちゃんと言ってほしいの」
「何か悪いことした? ですって?! よくそんなことが、平気で言えるわね!」
小さく唇を噛みしめ、彼女の言葉を聞いていたかなえは、とうとう我慢できなくなって、叫んだ。
「あなたの存在そのものが、私にとっては悪よ! あなたは、私にないものを全部持ってる。あなたは、誰にでも好かれていて、誰にでも素直に自分の心をさらけ出せて、そんなところがうらやましくて妬ましくて、でも、ずっと憧れだった。私もあなたみたいになれたらって、心のどこかで思ってた。でも……でも、あなたが先輩から愛されてるって知った時、そんな気持ちも吹き飛んだわ。あなたの顔を見るのも、声を聞くのも嫌になるぐらい憎くて、腹立たしくて……! だから、あなたの存在そのものを、消してやろうと思ったのよ」
「私の……存在そのものを消すって……どういうこと……?」
憎しみにぎらつく目で見据えられ、ただ竦み上がって悠香は震える声で問い返す。
「言葉どおりの意味よ。……あなたを、殺すつもりだったわ」
押し殺した低い声で、かなえが答えた。
「……かなえ……本当に……?」
悠香の目が大きく見張られ、信じられないと言いたげに小さくかぶりをふる。
「うそ……。そんなの、嘘よ……」
悠香は呟きながら、よろめくように後ずさった。
と、その足がたたらを踏む。草が生い茂っているせいでわからなかったが、そこはすでに崖の突端だった。
「……悠香!」
鋭く息を飲むかなえの視線は、その彼女に向けられていた。
和穂はその機を逃さず、そちらに向けてダーツを投げる仕草をする。
ろっこん『キューピッド・ダート』の発動により、一時的に好意的感情を増幅されたかなえは、悠香を助けるために、駆け出した。
むろん、他の者たちも、落ちて行く悠香に向かって駆け寄り、手を差し伸べた。
だが、悠香は彼らの手をすり抜け、崖下へと落ちて行く。
「……また、明日ってことなのか?」
「冗談じゃないわ。せっかく、止められそうだったのに」
なすすべもなく唇を噛む利平に、倫理子も悔しそうに呟く。
それへ、修が声をかけた。
「大丈夫だ。万が一の時のために、崖下に対策を施してある」
そして修は、崖下を覗き込んだ。
そのころ、崖下では。
連結したボートの上に敷いたエアマットに足を踏ん張り、蛇那伊が落ちて来た悠香を、しっかりとその太い腕で受け止めていたのだった。
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担当ゲームマスター
織人文
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月06日
参加申し込みの期限
2016年03月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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