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月見のお茶会
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全員がそろったお茶会はにぎやかだった。
それぞれお茶や紅茶、コーヒー、ココアといった、あたたかな飲み物を手にして、冬休みに入ってからの近況報告をしあっている。そのだれもが白い息を吐き出しているが、足元はひざ掛けで守られているし、それぞれにしっかり防寒対策はしてきているため特に寒そうにしている者はいない。
「皆さん、お茶のおかわりはいかがですか?」
密架の言葉に、陽太はカップの底に残っていた紅茶を飲み干して、コーヒーを頼む。そしてとなりの朱乃を見た。
朱乃は反対側に座った水樹と楽しそうに何やら話している。やはり飲み物の注文で、会話の途切れるのを待って、陽太は声をかけた。
「朱乃ちゃん、楽しい?」
「はいっ!」
陽太からの問いかけに、朱乃は満面の笑顔で答える。
「……誘ってもらえて嬉しかったです、ありがとうございます、呉井先輩。えへへ」
恥ずかしそうに蒸気したほおを隠して俯く朱乃がかわいくて、陽太はちょっとどきりとする。
「そ、そう。よかった」
照れ隠しのように頭を掻いた。
「考えてみたら、朱乃ちゃんとこーして話すのって久しぶりだねぃ」
「そうですね。こうしてゆっくり話したのって、アイルランド料理店と足湯のとき以来、でしょうか」
朱乃は持っていたカップをテーブルに戻し、あらたまったように陽太の方へ向き直る。
「有意義で貴重な一時をいつもありがとうございます。呉井先輩とのご縁は朱乃にとって……あっ、えと、なんでもないです!」
急に声が小さくなって、言葉を途切れさせたと思ったら、真っ赤になってあせったように手をぱたぱたさせる朱乃に、陽太は少し面食らう。
「そ、そう?
にしても、きょうもかわいい服でおしゃれさんだなぁ。その髪型ともよく似合ってる。あ、そうそう。ネイルの方もきれいな塗りに仕上がっててさすがだわー♪」
「はわ……、そそそうですか……?」
「うん!」
「あ、ありがとうございます、ですの」
満面の笑顔で肯定されて、朱乃はますます熱くなった顔を隠すように、両手でほおを包んだ。
陽太に褒めてもらえてうれしい、がんばった甲斐があったと思うものの、こんなふうに真正面から褒められると気恥ずかしい。
喜んでいることを一生懸命隠そうとしている朱乃と、そうさせているのが自分とも気付かずににこにこ笑って関心している陽太。
その初々しい様子に密架はほほ笑んで近づくと、入れてきたコーヒーと紅茶をテーブルに置いた。
「うわぁ……、どれもおいしそうです! いただきまーす!」
時子がほとんど空になっていた皿に新たに盛りつけたストロベリーパイやケーキ、フルーツタルトなどを見て、結梨亜は目を輝かせる。
そしてひと口、タルトをかじり
「……んー! おいしいですっ!」
と感じ入ったあと、近くに置いてあった取り皿にお菓子を盛って、となりの喬へと差し出した。
「中山さんも、ぜひ食べてくださいっ! 特にこれ、すっごくおいしいですよ!
あ、甘い物、苦手じゃないですよね?」
「喬は甘い物も平気よ」
喬が何か言う前に、密架が答えてしまった。
「ね? 喬」
「…………」
小さく舌打ちをして、喬は結梨亜の差し出している皿を受け取る。
「中山さんは紅茶でしたね。どうぞ」
時子がポットからあたたかな紅茶をそそいだカップをその傍らに置いた。
「……ありがとう」
観念したようにつぶやいた喬が紅茶のカップを手に取るのを、密架はうれしそうに見つめている。
(もしかして、密架さんはそのために開こうって思ったのかしら?)
人付き合いの下手な彼に友達をもってほしかった?
密架の見つめているものを見ながら、紫はふとそんなことを思った。
正解か、まとはずれか。いずれにしても、今言葉にして訊くことはできないことだ。
ふう、とひと息つき、紅茶で渇いたのどを潤す。
それにしても、きょうは聞き役に徹しようと思っていたのに、まさか自分が話す側に回るとは。
(でも、ちょっと楽しかったかな)
空に目を移せば、黄色い光に縁どられた月が、冴え冴えとした光を投げかけている。
「そういえば子どものころ、あのきれいな月を捕まえたくて、何度か虫取り網を振り回したり、バケツの中に映った月を掬いあげてはこぼしたりしたのよね」
ぽつり、つぶやく。
今思えばほほ笑ましい光景だけれど、あのころは本気でお月さまを手にしたかった。
「それができないことがくやしくて……。
今でも思うのよね……ひょい、っと手を伸ばしたら、あのお月さまを捕まえられるのかな……って」
「できてるよ」
そんな言葉が聞こえてきて、「え?」と驚く。すっかり思い出に没入していて、自分がつぶやいていることすら自覚できていなかったのだ。
見つめてくる紫に、刀は紫が指を添えたままの紅茶のカップを指さした。
「ほら、捕まえてる」
紅茶のなかには、真ん丸い月が映っていた。
そんな会話を聞くともなしに聞いていた誉は、ほっこりした気分でクッキーをつまみ、白湯気をたてる紅茶に口をつける。
茶葉はアッサムCTC。体を内側から温めるためにジンジャーが入れられた、濃い目のジンジャーチャイだ。
(おいしいものを食べると無意識に口角が上がって困る)
でも、抑えるつもりはなくて。
もう1枚、とクッキーに指を伸ばし、サクッと音をたてる食感を楽しみつつ、空を見上げた。
ちょうど雲が流れて切れたところで、月はだんだんと丸いその姿を表し始める。
(本当に月がきれいだ……)
こんなふうにしみじみと月を見上げたのはいつぐらいぶりだろう?
ふと、スマホで撮ろうか、と思いたちポケットの上からスマホに触れた。しかし次の瞬間、今見えているこの月は、こうして肉眼で見ているからこそこんなに心に響くのだろう、と思う。
『こんなにきれいだった』
と、あとで見せても、きっとそれは今の思いの何分の1も伝えられないと悟って、手をテーブルに戻した。
今はこの月を見ることだけを楽しもう、そう思い直して。
ただ、この場にピアノがないことが少し残念だった。
こんなにも美しい月明かりの下でピアノが弾けたらどんなにすてきだろうか、と。思わずにいられない。
そのとき、視線が時子と合った。時子は大きめのストールとひざ掛けをした時子はココアを両手で包み込むようにして持ってこちらを見ていて、そして誉が彼女に気づくと、気持ちは分かるというようににこっとほほ笑んだ。
「本当にきれいですね」
ひざ掛けにとまっているヨタカがキョッと鳴く。そのなめらかな羽を優しく撫でながら言う時子に、誉も応じるようにうなずく。
「空気も澄み渡っていて、おいしいし。
冬に月見、なんて、考えたこともなかったですけど……意外とイイモノですね♪」
結梨亜のその言葉を皮切りに、月見談義が始まる。
そこには喬もいて、となりの結梨亜に皿に山盛りにされたお菓子を食べ、紅茶を飲んでいる。
みんなでテーブルを囲み、あたたかなお茶で体をあたためながら、和気あいあいと話して、おいしいお菓子をつまんで。
ああ本当に、こういうのも、たまにはいい。
そんなことを考えながら、誉はみんなと紅茶と菓子のおいしさ、月のみごとさについて語りあった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月01日
参加申し込みの期限
2016年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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