this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
<< もどる
1
…
43
44
45
46
47
…
50
つぎへ >>
いよいよこのときがきた。
アネット・ガトパルドは自分を奮い立たせる。
ヴァイオリンのモジャモジャ(鷹取洋二)も頑張っていた。シスターも一緒だ。いつまでも怖がっていてはいられない。
「どうか皆、緊張しないで。いつもどおりにやればいいのですよ」
というゼシカ・ホーエンハイムも緊張気味ながら、興奮を抑えられない様子である。
うなずいてアネットは、脚光の中に歩き出す。
――私にしかできないこと、がんばらなくちゃ!
アネットの頭の中では、緑がかったフィルムの映画が再生されていた。
大好きな西部劇だ。ガンマンが、周りを囲まれた絶望的な状況に飛び込んで行く場面が繰り返し再生されている。ガンマンの手にはリボルバーが光っている。引き金と撃鉄が連動したダブルアクション型、稲妻みたいな弾丸を放つ無敵の銃――!
まるで自分もそれと同じ舞台にいるように思い、彼女の心から重いプレッシャーは姿を消していた。アネットの手に銃はないが、頭の中には歌がある。
整列した聖歌隊、ゲスト参加のコーラス組も並んだところで、数歩進んでアネットはマイクスタンドを取った。
ハンドマイクだけ外したりしない。スタンドごと持ち上げて、
「ホーリーナイトは静かに過ごすものだけど、今夜は明るく、楽しくネ!」
アールズコートに立つ往年のロックスターのように、くるっと体を一回転させスタンドを置いた。
空いた両手をパンと合わせる。ハンドクラップ! リズムはビートを生み、ビートがグルーブとなる。パイプオルガンや弦楽器がアネットを追いかけた。
ゴスペル!
ソウルシンガーばりの深い歌声が淀みなく飛び出した。
これがアネットの銃だ。といっても闘うための武器ではなく、教会じゅうのすべての人に、愛と楽しさを届けるための銃。
コーラスが唱和する。喜びが満ちあふれる。教会の中の温度は、一気に数度、上がったはずだ。
熱唱、あるいは絶唱といえばいいのか、アネットの声には、本場仕込みの精悍さがある。しなやかさもある。
ゴスペルは大好きで、出身地のハーレムで親しんできたアネットである。そんな経緯から彼女は、最初のソロパートという大役を任された。その大役を今、見事にこなしている!
最初のフレーズをアネットは丸々歌い、激しいシャウトを轟かせた後、マイクスタンドを取った。
「
Ladies and Gentlemen! Please Welcome Sister Jessica!!
(客席の皆様! 喝采を持ってお迎え下さい! シスター・ゼシカを!)」
ゼシカは飛び出して、マイクスタンドの前に単身で立った。
今夜、ゼシカは勇気をもらった。
十文字若菜に、樋口弥生に、藍川慶介に、鷹取洋二に……すべての参加者に。
だから何も恐れない。誠意を尽くして、声を絞り出す。ときに男声ばりに化けるアネットの歌唱とはやや異なり、ゼシカの唱法は誤解を恐れずに書けばミュージカル調だ。けれどそこに彼女の優しさ、優美さが現れていた。
アネット、ゼシカと2コーラス回したところで、ロックで言うジャムセッション風に、曲は自由に展開を始めた。ゲストのシンガーが次々とソロを取る。
このとき、
「もうすぐボーイの番、オーケー?」
見知らぬ女の子(アネット)に手を引かれ七枷陣は面食らった。
「ファッ!?」
陣にとってはまさしく、急転直下のジェットコースター的展開だった。ステンドグラスパネルとガラス工芸品の展示会から離れコンサート鑑賞を楽しんでいたら、あの例のヘンテコワカメ先輩(洋二)が、「やあやあ七枷くん、こんなところでまたお目にかかれるとは。やあやあやあ」などと寄ってきて、「これからラストの舞台なんだ。七枷くんも出たまえ、出たほうが楽しいよ」と相変わらずの調子で陣の手を引き、ここにひっぱり上げたのだった。そうして、
――あれれー、おかしいぞー?
と気がついたときにはもう、美人のシスター(ゼシカ)にゲストの列を割り振られていたのである。
まあそれでも、バックコーラスだけなら結構楽しかった。割と有名な曲だったから知っていたし、たまにはこうして思いっきり声を出して合唱するのも悪くない。
なのに、
――ワンフレーズだけでいいからソロを取れ、って? 待って、意味分かんない。待って!
ところがあまりの驚愕に、言葉が口から出てこない。必死でシスターを探して小声で告げる。
「プリーズ・ヘルプミー、アイ・アムROM専!」
これで意味通じるのかな、と陣は思った。
もちろん、通じなかった。
ゼシカは彼にマイクを手渡したのである。
あうー! 涙目になりながら、それでも一生懸命、声が裏返らないようにして陣は歌いきった。
穴があったらマジ入りたい心境で、駆け戻って次の人にマイクを手渡す。
「次俺? オッケィ!」
あっという間だな、と言いつつも、飛吹蓮太郎は陣からマイクを受け取った。
「ミスターオルガン奏者、頼むよ!」
指示を出すや音楽は転調した。蓮太郎は呼びかける。
「みんな、クリスマスの12日、知ってるかな? 一行ずつ増えていく歌だ。知らなくても大丈夫、まず俺が歌うから、みんなでリピートしてくれると嬉しい! いくぞ! ワン・ツー・スリー!」
原題を『Twelve Days of Christmas』というこの曲は、一種の言葉遊びのような要素も含む愉快な積み重ね歌だ。途中からリードで弥生のギター、慶介と洋二のヴァイオリンが駆けつけて加わった。もう彼ら楽器隊も、いてもたってもいられなくなったのだろう。
――教会で歌を歌うのって、密かに憧れてたんだ。
まるでコール・アンド・レスポンス、皆が自分の歌を繰り返すのを聴き、蓮太郎は感無量である。
――いつか壇の上に乗って、ステンドグラスの空を仰いで高らかに歌を響かせたい……と思って、聖歌に夢中になってたんだっけ。
けれどいつの間にか、自分は自分の小さな世界に籠もり、周囲を遠ざけていた、と蓮太郎は思う。
だがもうその日々も終わりだ。
――ベルの合奏みたいに世界が弾けるような感覚で、一人で歌う時より倍ほど楽しい気分になるんだ!
届けこの歌。寒い雪にも負けない程の心の温もり。
天の神様のところまで!
「サンキュー、なのネ! Merry Christmas and Happy New Year!」
アネットの言葉とともにコンサートは終わった。
会場は総立ちだ。
舞台の上の参加者も、観客も。
その双方が贈りあう喝采は、いつまでもやむことがなかった。
<< もどる
1
…
43
44
45
46
47
…
50
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!