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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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空は灰色、空気は凍りつきそうなほど乾いて、北風が耳のうぶ毛すら震わせるような冬の日、そんな日であろうと、朝から心温かな一日がある。
それはクリスマス・イブ。
祝祭そのものは翌日であり、そもそも『イブ』とて夕方(evening)の略ゆえ、本来クリスマス・イブとは前夜祭程度のものであるはずだが、少なくともここ日本ではその意味は薄れ、むしろ最も盛り上がるのがこの日だったりする。
それでいいのではないか。クリスマスという日のなりたちから考えれば、おかしな話とも言い切れまい。
このとき
鉄 衛守
の胸をよぎったのはそんな想いだった。
今朝は早朝の時点からもう、空気のなかにそわそわした感じ、くす玉の紐をじっと握って待っているかのような熱がこもっていることを、衛守は視覚や嗅覚ではなく、肌に触れる質感として覚えている。日が高くなり、傾き、この季節特有の早い夕暮れが訪れるにしたがって、その感覚は乗算的に高まっていった。
寝子島とは不思議な土地だ。
ここに派遣されてそれなりになるが、こういった季節イベントになるたび、衛守は改めてそう考えるのだ。
とにかく、この島の住民は季節イベントに熱心だ。つねに全島挙げて楽しもうとする。七夕しかり、ハロウィンしかり、先日のお三夜まつりしかり、である。観光収入だとか地域の活性化だとか、そういう打算的な匂いがあまりないのも不思議だ。島民たちはいずれも、効率を超えて『好き』という感情に動かされるまま積極的に動いているように思うのだ。
このとき星ヶ丘の街路をゆく衛守の周囲でも、『好き』の心がもう弾けはじめていた。忙しくクリスマスツリーを運んでいるる人たちがいる。門をイルミネーションで飾っている家がある。どこへ行くのか大きな包みを抱えて、正装の上にコートを羽織り出かけていく人たちの姿も。
衛守自身もその一人だ。
仕事着でもある黒いスーツ、同じ色のレザーコート、生まれたての赤子を運ぶように、プレゼントを入れた袋を大切に腕に抱いている。
本日、彼の訪問先ではパーティが開かれているのである。
といっても、衛守にとっては半分仕事でもあった。向かうは大企業の社長宅、間接的ながら彼の務める会社とも関わりがある。今宵、彼ははネクタイを弛めるつもりはない。
聞きしに勝る豪邸だった。
呼び鈴を押すと使用人が出てきて案内される。ドアにたどり着くまで結構な歩数を数えた。
衛守はわずかに目を細めた。まぶしい――そんな気がしたのだ。
「ようこそおいで下さいました」
立食パーティ会場が明るすぎたせいではない。むしろ会場内は落ち着いた照明である。イージーリスニング的な音楽も流されているが控えめだ。
衛守が無意識的ににまぶしさを感じた対象は、彼女の存在だった。
奥のテーブル、夜会服姿の社長令嬢、彼女は、ただ立っているだけで目を惹いた。
櫻木 梓音
はわずか十三歳、されどその美しさはすでに開花期にさしかかりつつあり、落ち着いた物腰も、口調も、歴然とした格の存在を印象づけるものがある。物語世界の王女が現実に実在するとすれば、きっと彼女のような姿をしていることだろう。
「このたびは妹ともども、お招き頂きありがとうございました」
名刺を差し出すと、会社員としての顔で衛守は頭を下げる。今日の彼は、まず一人の会社員である。
梓音がなにか問いかけるような顔をしたので、続けて衛守は告げた。
「あいにく妹は急病のため足を運ぶことが叶いませんでしたが……」
会社員の顔を保とうとしても、どうしても衛守の目の色は沈んでいた。今日の彼は会社員であると同時に、妹の兄でもあるのだ。
「妹さんご病気ですの……心配ですわ」
梓音の目と口調にも、衛守の口調と同じ色がある。社交辞令ではなく本当に心配しているのだろう。
「それほど重くはありません。ただ、しばらく安静が必要と医者に言われましたので」
「そうですか……でも残念ですわね。あんなに楽しみにしててくださったのに」
梓音の様子からすると、彼女自身も楽しみにしていたように衛守は思った。
妹のことを考えると胸が痛む。だがつとめて冷静に、
「お嬢様宛の贈り物を預かっておりますので、お受け取り頂けると幸いです」
と、衛守は袋を開け、小箱を取り出したのである。
「お気遣いいただかなくても」
「いえ、つまらないものですので」
「よろしいのですか?」
「どうぞ」
「それでは……ありがとうございます。ここで開けてもよろしくて?」
衛守の返答を聞き、包みに手をかけた梓音は、ここでようやく、年齢相応のあどけない笑みを見せたのである。
「なんて素敵なんでしょう」
紫苑色のリボンと柊をあしらったブローチ、冬のコーディネートにはぴったりのアクセントだろう。蛍を捕まえるようにしてブローチを両手で包み、梓音は顔をほころばせている。
衛守は内心、安堵のため息をついていた。喜ばれたようでなによりだ。このブローチは妹に付き合い二人で選んだ物だが、それは言わない。
妹の兄としてのつとめは終わったと、衛守は短く言葉を述べて令嬢の元を辞し、パーティーに入っていった。
広いホールだ。ホテルのワンフロアほどもあるだろうか。地域の有力者や、取引先の重役と思わしき姿があちこちに見受けられる。彼らのところに挨拶に回るべきだろう。
――これでは仕事の付き合いで参加するパーティーと変わらないな……。
このとき衛守の口元に浮かんだ微笑は、自嘲と諦めがない交ぜになったようなものであった。
酌をし、酌をされ、作り笑いを浮かべ、と、形は欧州風ながら、内実はこれ以上ないほどに純和風のひとときをしばし衛守は過ごした。
梓音も似たようなものである。この会場の『姫』である彼女は、自分の三倍は体重がありそうな禿頭の某社会長や某社CEOたちのお追従をそれこそ数限りなく受け、すべてに対しふさわしい笑みと言葉を返していく。衛守と違うところがあるとすれば、そこにアルコールが介在していないことと、生まれながらの姫君として、こうしたやりとりをほとんど無意識でできることくらいであろうか。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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