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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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聖歌隊のコーラスが終わると、
「さて次の次が出番なんで」
と鷹取洋二は席を立った。
「一緒にコーラスが聴けて楽しかったよ、羽生くん」
じゃあね、と去ろうとする彼を追うようにして羽生碧南は立った。一緒にステージに向かって歩く。なぜか、ここで別れるのが名残惜しいような気がしたのだ。
「先輩は独奏なんですよね。どんな曲を演奏するんですか?」
「楽しい曲をね。ワルツとかジグとか、みんなが踊りたくなるようなのを。元々そういうのが好きだし」
という彼の言葉は、ブギウギ調に軽やかである。
「ふふっ、先輩らしいですね」
「そうだ。羽生くん、踊ってみないかい?」
「……え、ここで踊れって言うんですか?」
「まさか、もうちょっと広いところがいいな。うーん、ステージの上とか?」
「って先輩いきなり大胆提案すぎー!」
「大丈夫」
洋二はトレードマークのワカメ前髪をかきあげて笑った。
「寝子祭の前夜祭で羽生くん踊ってたじゃないか。すごく上手だった。もしかしたら、天女の舞というのは羽生くんの見せてくれたようものを言うのかもしれないね。僕は……見とれてしまったよ」
後半は少し、照れくさげに彼は言ったのである。
「ええー! 見てたんですかー!」
「うん、よかったよ。その後も」
――げっ、熱湯風呂!
「『ゆうまくん』って人がちょっとうらやましいね、ちょっとね」
――げげー! やっぱりー!
まさかその『悠麻』というのが、彼女が最近プレイした乙女ゲームに登場する男性キャラの名であるとは口が裂けても言えない!
というやりとりの後、碧南は洋二とともにステージに向かい、アネット・ガトパルドに紹介された後、洋二の奏でる愉快な音楽に合わせ即興でダンスを披露したのである。
装いは普段着、メイクだってしていない。けれど踊り始めるやたちまち、ブロードウェイダンサーのような華やかさをふりまいた。長い脚で軽快にステップし、腕を広げ回っては飛ぶ。ときにそれは、祈りを捧げるようなものに変化し、ときにそれは、観客への誘いへと発展する。最初に誘いに乗ったのは小さな子どもたちだった。彼らは見よう見まねで碧南のように踊った。つづいて我も我もと踊りに加わりはじめたのだった。
これぞ祝祭、ふたりのステージは好評をもって締めくくられた。
いよいよ受験の冬到来ということで、受験勉強のほうもラストスパート! と……いきたいところだが、
藍川 慶介
は本日、叔父に頼まれ買い出しの手伝いをしているのだった。これは叔父が気を利かせてくれたことによるもので、『手伝い』の大半は自由時間だった。要するに、クリスマスくらい休みなさい、ということなのだろう。
このときまた空き時間ができたので、雪がちらちら降る中、緑色の傘をさして慶介は星ヶ丘教会まで来ていた。
今日はコンサートがあると聞いていたし、ミサにも興味があったからだ。つれづれにヴァイオリンケースも提げてきている。
到着したときすでにコンサートは始まっていて、聖歌隊の少年たちが清らかな歌声を披露していた。
――すごい! 教会ではこんなことをしていたんですね。
両開きの扉を開いた途端、慶介は稲妻に打たれたようになる。
圧倒的だった。その歌声に、慶介は文字通り爪先まで痺れたのだ。
和声が織りなす音圧の高さ、それでいて上質のシルクのような耳馴染みの良さ、そして、教会という天井の高い構造物がなしえる音響の深み、これらが渾然一体となって自分を飲み込んだように慶介は感じたのである。
歌は終わり聖歌隊はステージから降りた。それでようやく我に返って、慶介はふらふらと雲の上を歩くような足取りで長椅子の端に腰をすえたのである。
ところが、
「あっ……ごめんなさい……!」
慌てて腰を浮かす。慶介は隣の席にいた婦人の、服の裾を踏んでしまっていたのだ。
彼女は和服を着ていた。飾り気のない紫色の着物で、帯も控えめな照柿色、睫毛が長く、純和風の麗人である。
「いいのよ、気にしないで」
その人は、見た目で受ける印象以上に、落ち着いた口調で穏やかに告げた。着物に香でも焚きしめているのだろうか、かすかに白檀の香りがした。うなじの白さが色っぽい。背筋がしゃんと伸びている。
「あなたも出演者?」
何気なく麗人が言った。
「え? どうしてそう思うんですか?」
「ヴァイオリンのケースを持っているから」
ふっと笑ったその様子もびっくりするくらい綺麗で、慶介は心臓が高鳴るのを覚えていた。
「あ、いえ……これは、たまたまで……」
「飛び入り参加もできるそうよ。せっかくだから舞台に上がってみたら?」
からかっているのだろうか、それとも、本当にそう勧めてくれているのだろうか――謎めいたその笑みの真意は知れない。
「たいした技量もありませんから……」
「そうかしら? そのケースの刻印、イタリアのあのメーカーでしょう? 腕に自信がない人であれば購入しないと思う」
「ああ、これは母からのプレゼントなんです」
慶介は彼女がヴァイオリンに詳しいことに気がついた。このヴァイオリンが、知る人ぞ知る老舗のメーカー製であることは事実だ。しかし一般の人なら刻印はおろか、メーカー名すらわからないだろう。
「驚いた? 私、寝子島高校で音楽の教師をやっていてね」
彼女は名を、
樋口 弥生
というそうである。一見、華道か茶道の先生風であるものの、楽器を手にしても似合いそうだ。
「寝子高の先生なんですね! 僕、来年はそこに通おうと思っていたところなんです」
慶介も簡単に自己紹介して、しばらく弥生と会話を交わした。音楽、とりわけ楽器演奏について情報を交換する。弥生はピアノからドラム、サックスにチェロまで「一通りは音を出せる」と謙遜気味に言ってはいるが、知識量の多さからして、おそらくは手練れのマルチプレイヤーだと慶介は思った。なお、彼女が一番好きな楽器はギターなのだという。
「ところであの……良かったら一緒にいいですか?」
「一緒に?」
「ステージに、上がりませんか」
初対面の人にこれを言うには勇気が必要だった。けれども慶介はヴァイオリンを弾くのが好きだ。とても、好きだ。ヴァイオリンのことであれば、いくらでも勇気が湧いてくる。
「あ、でも! 僕のバイオリン、そんなに大したことないですし、先生の演奏の邪魔しちゃうかな……?」
「お誘いありがとう、でも、今日は楽器を持ってきていないの」
と弥生が目を伏せたとき、がたっ、と彼女の背後で音が立った。
「失礼しました」
声に振り返って、慶介はまたひとり、夢の世界から抜け出てきたような見目麗しき女性を目にしたのである。
壺からあふれた蜂蜜のように豊かな金の髪、透き通った水色の瞳、すらりと立った姿はまばゆいが、その光を抑えるように黒い修道服をまとっている。まるでその姿は、尼僧に扮したタイターニア。すぐに慶介は理解した。ついさっきまで聖歌隊に付き添っていた美しきシスターではないか。
「さらに失礼を承知で申し上げますが……あなたは、樋口弥生先生ではありませんか? 以前、ネコフェスでお見かけしましたわ。お会いできて光栄です」
ゼシカ・ホーエンハイムは、アイドルを目の前にしたティーンエイジャーの少女のように興奮した口調で言う。
「ステージを見て以来すっかりファンになってしまって……! よければ、あとでサインをいただけますか」
どうやら慣れているらしく、急に声をかけられても弥生は落ち着いた物腰で微笑んだ。
「お恥ずかしい、サインするほど立派な人間ではありませんよ。けれど、ネコフェスのときの演奏を聴いて下さったようで嬉しく思います。ところで……あなたは?」
「やだ、私ったら! はしたないところをお見せしました……ごめんあそばせ」
ゼシカは飛び上がりそうなほど周章して、大急ぎで名乗ったのである。慶介とも挨拶をかわして、
「私からもお願いします。藍川さんと一緒に舞台に上がっていただけないでしょうか? 楽器でしたら教会のものを使って下さいまし」
「そうまで言われては、断れませんね」
弥生は頭を下げて、「ではお願いします」と言った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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