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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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アネット・ガトパルド
は大きく息を吐いてステージから降りた。
まず最初の舞台はこなした。少しは緊張が晴れた……とは思いたいが……。
うう、と両の頬を手で押さえ、そのひんやりとした感触にびっくりする。
それはつまり、頬が熱いということでもある。
そういえば動悸もするような気がするし、息も苦しい。
なんだかめまいもしてききたような――あれ?
このとき、
「みなさん、とてもいい舞台でしたよ」
そっと肩におかれた手を感じ、顔を上げたアネットはそこに、ゼシカ・ホーエンハイムの笑顔を見た。
「後半は一緒に頑張りましょうね」
「うん……イエス」
一緒に――そうなのだ。聖歌隊の出番は二度あり、その二度目こそが問題なのだった。次のステージでアネットとシスター・ゼシカは、それぞれソロパートを受け持つことになっている。
この予定こそが、いまアネットに大きなプレッシャーになってのしかかっているのだ。昨日まで彼女の背に乗っていたプレッシャーは動物園の熊くらいだったのに、今ではそれは自由の女神ほどのサイズになっている。
「緊張、するネ……みんな歌声きれいだし」
するとシスターはアネットに顔を寄せ、小声で告げたのである。
「ですよね、私も、同じ気持ちです」
ゼシカはうなずいて戻っていった。よく教会に来ているオネーサン(十文字若菜)が、差し入れをもってきてくれたようである。
舞台裏に置かれた椅子で体を休めていると、次のステージ出演者が入ってきた。
そこで、
「あっ、モジャモジャ」
アネットはモジャモジャと出くわしたのである。
「ヘロー、カウガール。いいステージだったよ♪」
モジャモジャ、すなわち鷹取洋二は、へろりと手を挙げて口の端を上げた。洋二はときどき教会に遊びに来ており、その縁でアネットと知り合った。アネットの彼への第一印象は『変なヒト』であったが、今もそれは変わらない。ただ、親しみやすい変なヒトだったのは事実だ。今では互いに「モジャモジャ」「カウガール」と呼び合う間柄である。
「モジャモジャ、次、ヴァイオリン披露なのネ!」
「おうイエスオフコースさ」
レフティー仕様のヴァイオリンをケースを持ち上げると、左手で弓を持つポーズをしてみせる。
「緊張してるカ?」
「してるよ」
あっさり洋二が答えたので、逆に「No kidding?(マジで?)」とアネットは返してしまう。洋二はマイペース、言い換えれば泰然自若としていて、舞台に上がるからといって緊張するタイプには見えなかった。なるほど今だってくつろいでいる様子だが、内心の荒波を覆い隠しているだけなのか――。
ところがどっこい、
「彼女が」
さっと洋二は一歩下がって、同行者の
羽生 碧南
を前に通した。
「え?」
いきなりの展開に、碧南は目をぱちくりするばかりだ。
「はっはっは、急きょ僕と一緒に出場することになっった羽生くんだよ。応援してくれたまえよ! ほらほら、羽生くんからも挨拶挨拶!」
「ちょっと先輩! いきなり話を振らないでっ!」
思わず「こらー!」とばかりに両拳を振り上げる碧南なのであった。
……なぜ羽生碧南が洋二といるのか、そのあたりを語らねばなるまい。
時間を少し、巻き戻す。
昨年まで碧南は毎年、クリスマスは自宅で家族とを過ごしてきた。最近まではそれが、ごく当たり前だと思っていた。
ところがその『当たり前』は高校入学の直前に消し炭となった。
彼女の家は火事で全焼し、碧南のみが桜花寮に、他の家族は鎌倉の祖父の家に暮らすことになったのだ。とはいえ時間はかかったものの火災保険は下りたので、家の経済事情そのものは好転しつつある。
ところがそれですまないのが人生というもの、これがきっかけとなって祖父がその息子、つまり碧南の父一家に同居を持ちかけており、それが原因で碧南の伯父(父の兄)と父の関係がこじれつつあるというのだ。そもそも実は祖父と伯父は不仲で、これまでくすぶっていた問題が、火災によって『炎上』したという状況なのである。
娘の自分としては、どうなっちゃうんだろ――と案じる他はない。おかげで大変、家族の元には帰りづらい今日この頃だ。
というわけでこの夜、碧南は生まれてはじめて、家族から離れてクリスマス・イブを過ごすことになったのである。
いやまあ彼女も十六歳、家族とホームパーティが楽しい頃は過ぎつつある。半強制的にライフスタイルの変化を選んだものと思うことにしたい。
青春ざかりの十六歳としては、恋人と過ごす、という展開もあっていいはずだ。実際、同級生やバスケ部の友人たちからも「イブは彼氏と過ごすのー☆」という声は少なからず聞いている。
だったそれに倣おう。碧南だって恋人はたくさんいるのだ。うん、乙女ゲームの中の話だが。特に最近でた人気シリーズ六作目ときたらもう
以下略
。
しかしゲームはときとしてゲームを越えるのである。つまりときとして、モニタの中からキャラやシチュエーションがが出てきて悪いはずはない、のである! 夕方になって脳内妄想もとい記憶の中のスチルの一枚に、イルミネーションで飾られた教会での告白シーンとかが浮かび上がった碧南は星ヶ丘教会へ奔ったのだった。
このとき碧南の気分はすっかり、デートの待ち合わせ場所に向かう乙女だった。気分だけだが!
けれど教会の入り口で碧南がどーんと衝突した相手は、ゲーム内の美形キャラではなく、百歩譲って顔はマアマアとしてもそれ以外が色々と残念な、ワカメ先輩こと鷹取洋二だったのである。
「やあ羽生くん、奇遇だねえ。でもそんなに急がなくても教会は逃げないよ」
アスリートの碧南にふっとばされた格好だが、洋二はそんな軽口を飛ばした。
「先輩、大丈夫ですか?」
「なあに、平気だよ。羽生くんこそ怪我はないかい?」
「ええでも先輩……髪がボサボサになってますよ」
「ああそれはいつも通りだから」
自覚あったんですか! と思わずツッコミそうになって碧南は控えた。
「ところで先輩も教会に?」
「そうだよ。コンサートの出演者でもあるからね。部屋で夢中で練習してたら遅くなってしまった」
洋二が、ひょいと掲げて見せたのは楽器のケースだ。ヴァイオリンらしい。
「先輩、ヴァイオリン弾けるんですか? さすが芸術科ですねー」
「まあね、かつては神童と言われたもんだよ。今は平凡な弾き手だけど」
「はっはっは、そんな先輩らしくもない」
「おやその笑い方、僕に似てるねえ、はっはっは」
碧南は目を見張った。よく彼と話しているうち、似てきたのだろうか。だがまあ……こうやって笑うのは、山の頂上で大声を出すときに似て、悪い気持ちはしないのだった。
会場に椅子を確保し、少年聖歌隊が出てくるまでまた話し込んだ。洋二というのはつかみどころのないキャラクターなのだが、なんだか話していて楽な相手でもある。
「……というわけで、祖父と伯父のみならず、伯父と父ともぎくしゃくしつつあるんですよー」
深刻ぶらないように冗談めかして、碧南はそんな事情までつい話してしまった。
気にすることはないよ、とでも返してくれるとは思いきや、洋二はいつも浮かべている笑みを消して、
「困ったね……」
自分にもなにか親戚関係で嫌なことがあったのか、ため息をついて言ったのである。
「親たちって、いつもは『大人になりなさい』とか言うのに、こういう話になるといきなり僕らを子ども扱いして、口を出させようとしないんだよねえ……羽生くんの立場はお察しするよ……」
ここで我に返ったように洋二は咳払いした。
「おっと、言葉が過ぎたな。はっはっは、今のは気にしないで」
「あ……はい、でも、ありがとうございました」
一瞬、洋二の隠された一面を見た気がする。いつも朗らかな洋二にしたって、実際は悩みも心配事もあるのだろう。彼はただ、それを表にしないのが上手いだけなのかもしれない。
このとき聖歌隊のコーラスが始まった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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