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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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とてもとてもとても……寒い!
音海 なぎさ
はダウンジャケットの襟元に首を埋めた。スター・デッキに上がった途端、体感温度が数度一気に下がった気がする。
さすが海上、潮風が容赦ない。これほど寒いとは思わなかった。せっかくのディナークルーズゆえジャケットの下は一張羅、それはつまり薄着ということであり、冷えは文字通り骨身にしみるのだった。きしきしと音が聞こえてくるくらいに。
けれど――。
階下から持ってきた温かいマグカップ、これを両手で包み込むようにしてデッキの手すりに背をもたせかければ、それはそれで、良い気持ちなのである。
「眺めがいいよね」
大空と、海と、あとは彼方の陸地だけ。360度、なぎさの視界を遮るものはない。船が海を往く音は、局の見つからない状態のラジオに似ている。
ときおり白いものがちらちらするし、いずれしっかりと降雪が予報されているけれど、今現在、空は冬らしく透き通っていた。やがて海の彼方に沈みゆく太陽が空を、徐々に赤い色に染めていった。
カップの中身はジンジャーティーだ。ショウガのもつ効能ゆえか、だんだん体も温もってくる。ほのかな甘い香りも、外で嗅ぐにはちょうどいい。
この日、なぎさは単身でディナークルーズに参加していた。
もちろん、雰囲気を共有するように、会話もあったほうが楽しいとは思うのだけれど、たった一人でも、それはそれで雰囲気が出るものじゃないかな――そんな気もするのだ。
階下ではジャズバンドの演奏が始まったようだ。ベース音がデッキをかすかに震わせているのがわかる。
その心地よい振動に身を任せながら、人もまばらなデッキにて、なぎさは船上のクリスマスを過ごした。
夕暮れは宵闇に取って代わられ、宵闇をやがて夜が支配していく。
あいにくと曇りはじめており星は多くないものの、聖夜にふさわしい静寂に満ちた時間であった。
街明かりが遠いせいだろうか、夜空は黒の密度が高いように見える。
雲に負けまいと顔を見せる星々が、なんだか健気なようになぎさの目には映った。まるで「ここにいるよ、忘れないでね」と言っているように見えるではないか。
「星空かあ……」
夜空の星といえば、なぎさに思い起こされるのはほぼ半年前、七夕のときに見た空だ。
「音海先輩! 悩んでいるなら吐き出したほうが楽になりますよ!」
あのとき、後輩の一人からそんなことを言われたものだ。
どうも、深刻そうな顔をしていると見えたらしい。まあ実際、当たらずとも遠からず、といったところだったが。
その後なぎさは確かに、上を見て明日から頑張る、そう思った。
あの頃の思いの先にいるのかどうか、今のボクにはわからないけれど――なぎさはまた空を見上げる――それでも、あのとき見た星の海と、今ここにある星の海は、変わらずまたたいている。
何も変わってなどいない。
変わっていくのはただ、自分たちなのだ。
星は懸命に光を届けようとしている。
小学校の理科の授業で教えてもらったことがある。星の光が地上に差してくる、それはきっと、人には触れられない奇跡なのだと。
あの七夕の日も、近づいたけれど届きはしなかったように。
考えるなら、そこは神の領域なのだろうか。
――そういえば、すべては空から降ってきたんだったっけ……。
いつかまた、近づくことはできるのだろうか。
そのときなぎさは、胸を張っていることができるだろうか。
手の中では、階下で入れ直してきたジンジャーティーが湯気を上げている。
「空は、とっても広いよね……」
ふと、そんな言葉が口をついて出た。
「……あ、ああ、そう思う、ぞ」
思わぬところから変事があり、なぎさはぎょっとして手すりから体を起こした。
「俺に言ったんじゃねぇのか?」
ぎょっとしたのは向こうも同じらしい。目を丸くして、どこかで見たような顔がこっちを見ている。
失礼を承知で、なぎさは相手を二度見してしまった。
あまり冬向けではなさそうな薄手のジャンパー、その下は寝子高の女子制服だ。黒い髪をポニーテールにして、肌の色は濃い、ちょっときつそうな目をしているが印象的な顔立ちあった。
「あー、すまねぇ、聞き流してくれ」
それにしても乱暴な口調だ。姿が見えなかったら変声期前の男子小学生かと思うほどである。
ぱっぱと少女は手を振ると、デッキを見渡して反対側の端へ移動しようとした。
「ちょっと待って、君……ええと」
「詠。詠寛美っていう」
「ああ、ボクは音海なぎさ。詠くんは何をしてるの?」
「理事長とかいう女の手伝いしたら、タダ券くれたんで来た。食うもの食ったんで帰ろうと思って岸に着くのを待ってる」
「これ、多分周遊が終わるまで岸に着かないと思うよ」
「……マジかよ」
寛美はしかめっ面をした。その頭をなでるように、
「あ……」
「雪……」
ひとひらの綿雪が空から舞い降りてきたのである。それも、ひとつやふたつではなく、無数に。
その光景はなぎさの目には、星が降っているように見えた。
たとえるなら、神の祝福のように。
しばらくなぎさも寛美も、我を忘れて雪に見入った。どうやら本降りになったらしい。きっと、積もるだろう。
「寒ぃはずだよな」
両腕をこする彼女を見て、思わずなぎさは手の中のカップを差し出していた。
「下から持ってきたジンジャーティー、飲む?」
つい、お人好しの顔が出てしまった。まだ口つけてないから、となぎさが付け加えるより先に、寛美は「ありがてぇ」と躊躇せず受け取って目を細めた。
「これ、サンキュな。じゃ、俺はなんとかして降りるから」
熱くないのかほとんど一息で飲み干して、寛美はカップごと階下に降りていった。
「不思議な子……」
現れたとき同様にすばやく、彼女は姿を消してしまった。
さて、と、なぎさは手すりに両手をかけた。
もう少しこの雪……空からの祝福を味わってから戻ろう。
大天使 天吏
は雪のデッキに姿を見せ、ため息をついて手すりに両肘をついた。
風は冷たく、波は黒く、そして空は灰色だ。
遠くに見ゆる寝子島は雪景色、雪が島に雪が積もっているのか、それとも島が、雪の毛布をまとうことを選んだのか。
目を凝らして天吏は見た。古びたタイプライターが打ち出したアクセント記号のようなかすかな姿で、鳥が一羽、雪景色の上をよぎっていくのを。
見間違いとは思えない。
あれはカモメだろうか、いや、カラスだろうか。
もともと、天吏の乗船券は父親が得たものだ。しかし彼は行くことかなわず、娘の自分が代理で乗船した。
そのため社交の場にも顔を出したものの、そこは天吏にとって、海の底よりも息苦しい世界であった。
階下の騒ぎを思いだすと気が沈む。
――この島の真の美しさ知ろうともせず、虚栄心と俗物にまみれて……。
社交場といったところで天吏には、虚数のように現実感のない世界だった。目に付くのは、ただ人間の醜さばかりであったように思う。
あそこにいるような人間が近づくことは決してないだろう。クローネにも、クローネが起こす騒動にも。
天吏は常に片目を閉ざしているが、彼らのように両眼を閉じてはいない。
震える我が身を抱くようにして天吏は階下に戻ってゆく。船が岸に着くまで避難できるような場所を探しながら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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