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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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チケットは
維都月 怜
が買った。
自分と娘、つまり
維都月 茉菜
の分だ。
決して安い買い物ではない。ただ、ためらいもなくこの乗船券を購入できた現在の自分に、かつてほどではないとはいえ、我ながらよくここまで会社の経営を軌道に乗せたものだ、と思ったりもする。
とはいえ怜は、この誘いに茉菜が応じてくれるという期待はそれほどしていなかった。
断られても仕方ないと思いながら、恐る恐るチケットを見せた。一蹴されても仕方がない。それほどのことを自分はしたのだから。
だから彼女が、快諾とまではいかずとも、素直に水色のチケットを手にしてくれたことは本当に嬉しかった。
茉菜からすれば、やや強張った笑顔とともに父が不意に、『ナイト・エンプレス』のクリスマスクルーズチケットを出してきたことは、嫌悪とまでいかずとも、なにを今さら、と思う行為であった。
くじ引きでペアチケットでも当たったのかと思いきや、正規で購入したもののようである。新規事業の状態は悪くないようだ。
断るのは簡単だ。その権利は、自分にはあると茉菜は思う。
とはいえ――彼女は考えるのである。差し出された手をヒールの踵で踏みつけることに、何の意義があるだろう。今を楽しむのであれば、むしろ応じるべきではないか。
だから茉菜は、怜の手からチケットを受け取ったのだった。
かくして二人、船上の人となり、ディナークルーズについている。
さすが大型船、まるで揺れることはない。陸にいるときと同じ感覚で立食ゾーンのビッフェを回った。
「わぁ、美味しそう」
ノンアルコールのカクテルを干すや否、茉菜は席を立ち数々の料理に目を輝かせていた。
笑顔でそれを見守っていた彼女の父は、茉菜が突然、席に戻って鞄からタッパーを取り出そうとしているのに気がついて肝を潰した。またそのタッパーというのが、100円均一ショップに置いてありそうな無駄に大きなものなのである。
「よすんだ、それは……」
「これ? 明日の朝昼のお弁当にするんだよ。ほらあのローストビーフとか……!」
昔日の茉菜に、そんなことをする神経はなかったはずだ。とすれば責任は父親たる我が身にあるのか。
ため息ともうめきともつかない黒い息を吐き出して怜は首を振る。
「いけない。それは……品性が下がる」
綸言汗の如しと言う。それでも、口に出した直後、怜の胸には苦いものがひろがった。
「品性が……下がる?」
茉菜が冷たい目でこちらを見返してきたのである。
失言と悟ったところで、もう取り返しがきくものではない。どっと茉菜は椅子に腰を下ろし、着飾ったその服装とこの雰囲気からすれば、あまりに場違いなタッパーを、やや乱暴にテーブルの中央に置いた。
「いま、品性、って言った?」
怜にできることと言えば、唾を飲み込むことくらいだ。
「こっちは料理もろくに覚えていない状態で、親権握っている保護者に放り出されたんだよ!? 死活問題だったんだよ! ひとに教わったり必死に勉強してなきゃ、今だってキャベツやレタスを丸かじりながら空腹を凌いでいたかもしれないんだよ!?」
だから栄養を取れる機会を逃せない体質になった――と言いたいのだろう。
怜としてはうなだれるほかない。
かつて茉菜は大病をわずらい、それをきっかけの一つとして家は没落した。具体的に言えば、怜がそれまでより所としていた要職から追放されたのだ。
彼女が元気になったのは不幸中の幸いだったが、それでもその直後よりずっと、怜は人生を立て直すべくそれこそ寝る間も惜しんで働いた。だから最近まで、茉菜と話す機会はまるでなかった。
けれどそれは言い訳なのかもしれない。実際のところ怜は、貧困に陥ったことで負い目を感じ、娘と向き合うことができなくなっていたのである。つい、最近まで。
「……すまない」
好きにしてほしい、と短く告げて怜は、赤ワインのグラスとボトルを取ると、賑やかなジャズバンドの演奏に背を向けるようにしてデッキに向かった。
食欲はとうになくなっていた。
**********************
一人の少女が、スター・デッキの片隅で風雪にさらされている。
背筋はしっかりと伸ばし、両手は腰にあてて仁王立ちの姿勢で。
今、彼女の腕に風紀委員の腕章は巻かれておらず、腰に竹刀も佩いてはいないが、そのふたつはいずれも、心の中では装備されている。
反対側の隅では音海なぎさが雪に手をかざし、これを空からの祝福として受け取っていたのだが、彼女のほうにそういった敬虔な気持ちはない。
身を切るような風も、死者の肌のような雪も、現実からの一撃だ。
矢萩 咲
にとっては、『目を覚ませ!』と耳元で怒鳴られているような強烈な一撃だ。
しかしだからこそ、頭を整理するのにはちょうどいい。
――クリスマス……まさかリア充取り締まってた咲がリア充になるなんて……人生わからないものだわ。
だが現実は現実、受け止めなければなるまい。
確認。現在、七峯亨は自分の交際相手である。
ただし、七峯亨は交際相手
の一人
である。そこは忘れずにおきたい。(なお、彼女の交際相手は二人である。その事情については話すと長くなるのでここでは割愛する)
今日はクリスマスイブ。イブだというのに、もう一人とは会うことができず、そこは悪いことしてしまったな――と彼女は思っている。だが、今は亨とのひとときを楽しむことにする、と決めた。今この場所で決めた。
よし、頭の整理はできた。
できた気がする。
なので咲は意を決し、黒いドレスを翻してデッキから階下に戻るのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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