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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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めまいがするくらい華やかな体験だった。
外に目をやれば雪と海、綿のように白いものが風に煽られ、群青色の海面に散ってゆく。内を見れば絢爛たるビッフェディナー、それも、普段目にすることのないような高級食材がふんだんに使われたものだ。耳を傾けるまでもなく、生演奏のジャズバンドがクリスマスのスタンダードナンバーを奏でているのが聞こえる。
ディナークルーズは食事会というより、紳士淑女の社交界という雰囲気で、浅山小淋は多少落ち着いた気持ちを、再び緊張で固くしてしまった。
――あまりに煌びやかで……。
自分はそこにそぐわない、そんな風に思うのだ。
霧生深雪は小淋をシンデレラと呼んでくれた。軽い意味で言ったはずだが、その表現は当たらずとも遠からずかと思う。
地味な身なりをした灰かぶり姫が、硝子の靴を履いて場違いな舞踏会に参加する……それが今の自分、そんな風に気後れしてしまうのだった。食べ物は取るのだが少しずつだ。あまり喉を通らない。
深雪は隙のないスーツ姿で、もちろん緊張していないではなかったが、小淋のことばかりが気になっていた。
――いきなりコース料理は緊張すると思ったのでとりあえず立食形式を選んでみたが……それでも小淋は緊張しているっぽいな。
だったら取るべき行動は、ひとつだ。
「姫、少し外の空気を吸いませんか」
王子様よろしく格式張った口調で小淋の手を取り、深雪は海上を目指したのである。
スター・デッキに上がると、今まさに太陽が沈まんとしているところだった。
手すりに手をかけ、並んで眺める。いつか映画で観たような光景だ。
夕日の赤に、ちらちらとだが粉雪の白が混じる。海は透明感のある波を立て続けている。
肌に触れる風は冷たい。でも体の芯は温かい。
「緊張した?」
深雪の問いに小淋は首肯した。外に出たのが良かったのだろう、すっと胸が空いた気がする。そうして彼女はスケッチブックを取り出して、
『思えば、先輩とは色んな事を共にしてきたような気がします』
すらすらとそう、したためたのだった。
「確かに今まで色んなこと一緒にしてきたよな。どれも俺にとっては大切な思い出だ」
深雪は揺れる海面を見つめている。
彼は首元のネクタイを緩めた。なんだか喉が渇いていた。
気がつけばデッキは二人きりだ。
これは……もしかしたら……千載一遇の機会が訪れたのかもしれない。
きっとそうだ。
言うなら、今しか、ない。
「俺、小淋のことが好きだ」
深雪はもう海を見ていない。空も、いや船だって思念の外だ。
彼はただ、彼女だけを見ていた。
「最初は妹みたいな後輩、そう思ってた。一緒に演奏するの楽しいし、いい曲書くし……。
でも意外とお転婆で危ないことに首突っ込んだりするし、守ってあげたいって気持ちも湧いてきてさ……ずっと一緒にいれたらなんて思って……ああこれは恋なんだ、って気付いた」
心の中では何度もリハーサルしてきた言葉だ。けれど実際に告げてみると、考えていた順序とは全然違っていたし、アドリブで自分すら予期していなかった言葉が飛び出していたりもした。
でもはっきりと判るのは、これが自分の魂から出ている言葉だということ。
ここまで少し早口だったが、最後に深雪ゆっくりと、はっきりと、力を込めて、告げた。
「だから、これからも一緒にいてほしい」
……。
言ってしまった。
告白、だ。
もうこらえようがなかった。無論彼にだって、クリスマスイブというシチュエーションとか、雪降る夕日の船上だとか、互いに正装だとか、色々と勝算はあったうえでの行いだとはいえ、それでも人生最大級の勇気を必要とする瞬間だったことだけは間違いがない。人と人との関係は、状況だけで定まるものではない。最後は結局、真心をぶつけるしかないのだ。
一秒、二秒……小淋が彼の言葉を咀嚼する間の時間は、彼にとってひどく長く感じられた。
恥ずかしい――それが小淋に最初にわき起こってきた気持ちだった。
だが嫌ではない。背に翼が生えて空に浮かび上がってしまいそうな、喜びとないまぜになった恥ずかしさだ。
この瞬間、彼と過ごしたこれまでの記憶が、どっと頭のなかに押し寄せてきた。
それは幸せな記憶だ。単純に楽しかったとか嬉しかったとかそういう段階にとどまらない温かな追憶である。
――あぁそうか。
小淋は理解していた。
――先輩と一緒にいた心地よさが…………私が恋をしている、証拠だったんだ。
鏡を見なくたってわかる。小淋は自分が、顔を真っ赤にしていることが容易に理解できた。
けれど彼を待たせたくない。
だからスケッチブックは使わなかった。
そうして彼女は、ただ黙ってうなずいたのだった。
文字にすることをしなくても、伝わっているものと思う。
それは、
「ありがとう。私も、あなたが好きです」
という気持ち。
深雪だって赤面している。勇気を出して告白したことに、もちろん、小淋の返答にも。
――可愛い……。
たまらなくなって深雪は、小淋を抱きしめた。
「言わなくたってお前の気持ちわかるぜ。ありがとな」
人が来る前にホールへ戻ろう。
ホールを出るとき、二人は親しい先輩と後輩だった。
そうして今、恋人同士となってホールに戻るのだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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