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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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エンプレス・ホールの名は伊達ではない。
このホールには、壮麗という言葉がよく似合う。
豪奢でもなくもちろん過剰でもない。しかしホール内は寸分隙なく掃き清められており、賑やかなれどどこか抑えめで、澄んだ空気に満ちている。音がこだまする高い天井、はっと息を飲むほどに大きなシャンデリア、磨き上げられた卓のいずれもが、ここは別世界だと主張しているように志波拓郎には思えた。食器一つとっても、光沢が一般のものとは異なるのだ。
正直、ちょっと圧倒されそうになるが、しかし、
――ここは負けてはならない!
心に活を入れ背筋を伸ばす。今日は招待されているのだ。堂々とすればいい。それに、彼は今、最愛の人、高梨彩葉と手をつないでいるのだ。みっともないところは見せられない。
軽く深呼吸して、拓郎は案内係を待った。
「こちらでございます」
フランス料理の席につく。緊張はしているものの、なんとか動揺を見せず席に着くことができた。
「いよいよディナーだね。さすがフルコース、テーブルがカトラリーでいっぱいだよ」
「……うん、カラトリー……」
よくわからないものの、微妙に間違って拓郎は繰り返した。要するにナイフ・フォーク類のことなのだが。
「テーブルマナー……ナイフやフォークは外側から使っていけばいい、んだよな?」
「うん、そうだよ」
「でも細かいところ自信ないから、彩葉さんに教えてもらいたい……」
「任せて、まあ、そんなに難しいことはないよ」
彩葉は、彼を安心させるような笑みを見せた。母親に仕込まれているので、彩葉はテーブルマナーについてはそれなりに詳しい。
見たことがあるものを目にして、拓郎はおずおずと微笑んだ。
「あ、でも……これ、飲んじゃダメっていうのはしってる」
フィンガーボールである。ということは終盤にフルーツが運ばれてくるのだろう。
最初の皿が運ばれてきた。
「小さい……これ何?」
置かれた二枚の小皿と彩葉とを、拓郎は交互に見ている。
「これはオードブル。メイン料理の前に胃腸を整えるための料理だよ」
すかさず彩葉が応えてくれたことが嬉しくて、その後も次々、拓郎は質問を飛ばした。
クルーズの料理はいずれも、寝子島で取れた食材をできるだけ用いたものだという。つまり、寝子島風フレンチというわけだ。
オードブルは二種、真っ赤なフルーツトマトを綺麗に切りそろえて花びら形にしたものと、グラタン仕立てにした冬大根、いずれも舌触りと甘みが絶品で、小皿でほんの少ししか食べられないのが惜しいくらいだった。
つづいてやってきたのは、寝子島産菜の花と生ハムのミモザサラダ、いずれも最高の状態のものだったので味が深く、ドレッシングはほとんどかけずに食べることができた。
さらに、蕪を入れたポタージュスープの登場だ。フォアグラのソテーが添えてあって、飲むというより食べるスープといった具合。これまた、量がそこそこしかないのが残念なほどのできばえなのだった。
そして魚料理、本日の趣向は鱈の白子のムニエルであった。寝子島らしくサンマも添えてある。これがまた、表面はさっくりした食感でありながら、中身は口のなかで溶けてるような絶妙の焼き加減だ。
フランス料理にサンマを使うことは珍しいが、土着のものと融合して発展するのがフレンチの神髄だという説もある。だとすれば、これは正しい『寝子島風』の展開だといえよう。
壬生由貴奈と屋敷野梢もまた、向かいあわせに座ってフルコースに舌鼓を打つのである。
美味しいの言葉が幾度となく飛び交った。たっぷり時間をかけて作ったものばかりである。触れるのすら勿体ないくらい綺麗に飾られた料理ばかりだったが、舌に乗せるとその悦びは数段増した。
食卓の交響曲はいよいよ、メインディッシュの登場でクライマックスを迎えた。
「これが牛ランプ肉のロティ……っていうものですねー」
ロティ、というと馴染みが薄いが、ようはローストした肉料理、すなわちローストビーフということだ。これも寝子島の牧場で大事に育てられたビーフということで、地産地消のご馳走である。その色の鮮やかなこと、ナイフを入れたときの柔らかな食感、たっぷり肉汁を含んだトロトロの味わい、いずれもこれ以上は望めないほどのものだった。
「ソースもいい色だねぇ」
一切れを口に運んだ由貴奈は顔を輝かせた。
「思ってた以上に美味しい!」
フランス料理のフルコースというから、どんな料理が出てくるのかと彼女は戦々恐々としていたのだが、これまで出てきたものはいずれも、舌になじむ素晴らしい料理だった。なかでもこのロティは絶品だ。ランプ肉というのは柔軟な赤身肉で、味に深みがあるためどんな料理にも向いている。だが一番向いているのはローストビーフだという。ジューシーで滋味にあふれ、体が天に浮き上がりそうになるほどに極上の噛み心地――由貴奈は一瞬、忘我の境地へ至ってしまったほどだ。
「おお……ほんと美味しいです。なんていうか、至高と究極! ……って感じです」
最初はテーブルマナーに気をつかって多少緊張気味の梢であったが、今は由貴奈同様、夢の世界にいるような表情をしている。マナーが間違っていないかと心を砕くより、今は目の前の皿を味わおう。料理は、楽しむためにあるのだから。
「やっぱりこういう高級感のある場所だと出てくるご飯も違うよ……それにフランス料理なんて普段自分で作ったりしないもんねぇ」
「そう思います!」
「それだけじゃないかな。やっぱり……仲の良い人と食べると美味しいねぇ」
「はい! すっごく、そう思います!」
デザートはなんと、寝子島みかんをもちいたタルトであった。酸味は控えめ、果肉はぎっしりのこれまた逸品だ。紅茶とともにこれをいただきつつ、梢が言った。
「この後どうします。先輩はお外いいんですかー?」
「うーん、やっぱり雪降ってきたよねぇ。寒いから雪は窓の内側から楽しむだけでいいかなー、なんて思ってるけど」
「気が合いますね! 私も、夜景はいいかなー、って思ってました。寒いですし、光の方に飛んでっちゃうかもしれませんよ?」
「飛んでっちゃう? 梢ちゃんが?」
「はい! 私、虫ですから!」
「虫って、あははは」
それまで小休止していたジャズバンドが、演奏を再開したのが聞こえてきた。
休憩前まではテンポの速いナンバーを続けざまに奏でていたのだが、今はゆったりとしたペースに変わっている。リラックスするにはもってこいだ。
「じゃあ、席を立ったらフロアで踊ろっか?」
「ダンスですか?」
「そう」
そのときにはもう、由貴奈の心は一足先にダンスフロアに向かっていた。
二人は手を取り合ってフロアに降りた。踊るスペースは階下に設けられている。バンドの真正面だ。
不慣れなのか、梢の歩幅は小さくなっていた。
「こずえちゃん、こういう場所で踊るのは初めてだったりする?」
「踊ったことは……んー、アニメのぐらいしか……」
ちょっと前に大人気になった猛毒アニメ(でも子ども向け)『業界ウオッチ』の話だろうか。それとももっと幼少期の少女ヒロインバトルアニメか。いずれにせよ、由貴奈にも経験はある。
「体硬いですけどだいじょーぶですかねー」
少々不安げな梢を見て、『守ってあげたい』と由貴奈の胸に使命感がわきおこったのである。最高のデート相手として、できる限りの力でパートナーをつとめてみせよう。そんな由貴奈の気持ちが伝わったのか、やや恥ずかしそうに、
「……えーと、先輩、社交ダンス教えて下さい!」
と思い切って告げた。それこそ、由貴奈が待っていた言葉だ。
「まぁ他人に教えられるほど上手くはないけど、昔習ってたことがあるから、うちがリードするよぉ」
そうして彼女はうやうやしく、梢に手を差し出したのである。
「しゃるうぃーだんす、お姫様?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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