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【クリスマス】シーサイドタウンのクリスマスイヴ
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●クリスマスの大観覧車(5)●
【大観覧車:ゴンドラ】
司馬 佳乃
と
天動 記士郎
、2人を乗せたゴンドラはその円の頂点を過ぎ、今はゆっくりと下り始めている。今度は島とは反対の海の方を眺めながら、何となくしんみりした気分になる。でも悪くない、心地良い時間。
夜の海なら、あまり高さも感じないので、天動も遠くを眺める余裕が出てきた。沖の方を、バースデイケーキのように灯りを満載した、豪華な客船が横切っていくのが見える。
逆にあちらの船からこの観覧車を眺めたら、
(きっと水平線に沈む、銀の月のように見えるでしょうか?)
目を閉じてみて、そんな想像を楽しむ。佳乃さんと一緒に、月にいる自分たち。
「……ねえ、記士郎くん。心が休まる時ってどんな時?」
同じ海を同じ場所から眺めながら、佳乃がぽつりと言った。
「心が休まる時、ですか……?」
何と答えたものか、と考え込む天動に、
「私はね、楽しいことをしてる時」
と続けて、佳乃が話し出す。
「休みの日に家でゆっくりするのも勿論だけど、
遠くに遊びに行ったりして、仕事の日より体力を使ったりすることも多いんだ。
でも、心が充実してれば疲れなんて取れるの」
そう言って、にっこり笑いながら彼女は、天動の方を振り向く。
「だから……私にあまり遠慮しなくていいんだからね?
記士郎くんと遊ぶのだって楽しいんだから」
「そうですか……でも」
天動が何かを言い淀む。こうして2人で会って話せるのは、確かに自分も楽しいし嬉しい。彼女は一緒にいるだけで安心できる、素敵な女性だ。最初に出会った時から、そうだった。でも。
(佳乃さんは厳しい忙しい世界のお仕事をしているので、あまり束縛してはいけない……)
そんな葛藤が、彼の中にはあるから。
佳乃は、そんな揺れ動く天動の表情を見ながら、
(この人は、優しい人だから)
優し過ぎて、まだ自分に気を遣ってもらってるんだろうな、とそう感じる。
そのまましばらく、無言で向き合っていた天動が、ふと何かを見つけたように、あ、と小さく声を上げた。佳乃も振り返ってその視線をたどると、遠くのゴンドラの中に。不思議な光景が見えた。
「あれは……」
降りしきる雪のカーテンに遮られて、よく見えない筈なのに。
あそこに、未来の私がいる……と何故か佳乃には、直観で分かった。
久々に戻ってきたこの寝子島で、どうやら誰かと再会したようで。
とても嬉しそうな笑顔を、浮かべていた。
(私は仕事柄ずっと寝子島にはいられない)
その笑顔に、少し胸を締めつけられながら、こちらの佳乃も思う。
(それに私の夢は世界に出ること。
それでも……)
その隣りで天動もまた、同じゴンドラに、自分の姿を見ていた。
どうやら誰かと一緒に乗っている様子だ。でもその人の顔は、ここからではよく見えない。
けれども天動が、胸の中にあった答えを見つけるのには、それだけで充分だった。
「佳乃さん」
声を掛け、こちらをゆっくり振り向く彼女に話し掛ける。
「佳乃さんは新聞記者さんという、忙しい世界の方です。
この寝子島に異動になった時のように、
いつかまたお仕事の都合で、この島を離れてしまう時も来るでしょう」
だから、いつも一緒にはいられないかもしれないけれど……と、天動は続ける。
「でも、佳乃さんがちょっと休みたくなった時には、
またこんなふうに一緒に。同じ景色を見つめていられる、
そんな関係でいたいと、そう思っています。
私は──いつでも佳乃さんが戻ってこれる場所でありたいです」
「……ありがとう、記士郎くん」
そう言ってくれた彼の気持ちが、今はただ、素直に嬉しくて。
佳乃は目頭が熱くなったのを誤魔化すように、そっと遠くの海に目を向けた。
それから観覧車を降りて、危ない雪道に滑る佳乃を、自宅まで送るその帰り道。
天動はふと、ポケットの中の「白蛇さん」の鱗に触れてみる。ろっこんが発動して、島を覆うその雲の上の、夜空のビジョンが目に浮かんできた。
降りしきる雪は、ここには無い。見えるのはただ星を湛えた静謐な空と、それから手に取れそうなほど近くにある、銀の月と。
(いつか、このろっこんで見える寝子島の空を、佳乃さんにも見せたい)
そんな願いを、その銀の月に願う。
【大観覧車:ゴンドラ】
実際に
五十士 柊斗
とゴンドラに乗ると、また
エリューシア・セリアン
の全身に、緊張が込み上げてきた。最初に乗ったあの初夏の時とは、違う種類の緊張。
降りしきる雪は、今や完全に外の視界を覆い、ゴンドラの密室感がよりいっそう際立つ。
2人きりに切り取られた空間。
白く塗り込められた世界の中に、2人きりという感覚。あの霧の中を、また思い出す。
せっかく繋いだ手は、ゴンドラに乗る時にまたどちらからともなく、放してしまった。隣同士の席に座る、勇気がまだなくて。五十士は向かいのシートに、所在なさげに座っている。
最初はぽつぽつと交わされていた会話も、やがて途絶えてしまった。
(何を話そう……)
エリューシアの胸が、締め付けられるように痛む。
気を抜けば好きと、彼にそう告げてしまいそうで。
(でも、言える訳がありません……)
自分を好きになってくれなくてもいいから、ただ好きでいさせてくれと。
あのコスモス畑で告げてしまったから、だから、言えない。
「……えっ!?」
外を眺めていたら、その視界がどこまでも上っていくことに気付き、思わず五十士は立ち上がった。最初は錯覚だと思う。ゴンドラは上に、雪は下に向かって降っているので、相対的にゴンドラが浮いているような感覚に陥っているのだと。
けれども、錯覚などではなかった。2人の乗るゴンドラは、分厚い雪雲をみるみる突き抜け、ぽっかり出た雲海すら眼下に置き去りにして、急上昇していく。まるで軌道エレベーターに乗っているようだ。
「エリューシアさん!?」
「柊斗様!」
考えるより先に、身体の方が動いた。
とっさに手を伸ばし、必死に求めてきた彼女の手を取る。
その手を固く繋ぎ合わせる。
外で一体、何が起きているのかは分からない。
でも、自分自身がどうにかなることよりも、ただ彼女のことを……
もう何があっても、この手を離してしまわぬよう。
ゴンドラの上昇が唐突に止まり、ふわりとエリューシアの身体が浮き出した。
「えっ……?」
彼女を中心にして宙に広がる、その豊かな銀の髪を呆気に取られて見る。
「いったい……どうなって、」
「柊斗様も、浮いてますよ……!」
エリューシアに指摘されて気が付けば、確かに自分の身体も、ゴンドラの中央を漂っている。空中で手を繋いだまま2人で顔を見合わせ、そして窓の外に広がる世界を改めて見る。
外は宇宙だった。
瞬かない星々が2人を囲み、そして窓の片側には、圧倒的に大きな白銀の月。太陽光を鏡のように反射する、その月面からの光が、2人のシルエットを鮮明にゴンドラの中に投影している。
「凄い……何て綺麗なんでしょうか……」
エリューシアの隣りで五十士も、その光景を呆然と見ていたが、はっと途中で気付いて、
「エリューシアさん、怪我はなかった? どこか身体に異常は?」
「大丈夫です。途中までは少し怖かったですけれど……でも」
「でも?」
エリューシアが頬を染めながら答える。
「柊斗様が、ずっと手を繋いでいてくれましたから」
「そう……良かった」
ゴンドラの中も、無重力になっているだけでどうやら危険がないと分かって、五十士がほっと安堵のため息をつく。そして改めて周囲を見回し、
「そりゃ高い所は好きだけど、まさか宇宙まで来てしまうなんて……」
「見て下さい、ほら、あそこに地球まで!」
エリューシアに倣って五十士も、ゴンドラの天井に逆さまに降り立ち、その水の惑星を共に振り仰ぐ。
青い海と白い雲をその身に纏って、ゆっくりと回転を続ける地球。考えてみればあの星こそ、数え切れないほどの人々を乗せて回っている、太古の昔からの観覧車だ。
五十士は、こんな所に来てしまった不思議を思う。
(空を眺めていると、自分の中の色々な淀んだものが薄められるようで、
気が付けば見上げるようになっていたけれど……)
今はその空の高みにいて、逆に地球の方を見上げているなんて。
「あっ……凄い」
今度は五十士の方がそれを先に見つけて、エリューシアに教えてあげる。極地の方に──まるでサンタクロースが残したソリの軌跡のように、蛇行して続いていくあの光の帯は。
「エリューシアさん、オーロラだ」
「えっ!? どこです……きゃっ!」
慌ててそちらを見ようとした彼女がバランスを崩し、五十士の方に倒れ込んでしまった。空中でしっかり彼がその身体を受け止め、そのまま暫くゴンドラの中を漂う2人。
「「………………」」
抱き合う格好になってしまったエリューシアが、彼の胸に無言でその顔を埋める。
(こんなに近くにいるのに、満足できない私……
どんどん欲張りになっていく……)
不思議な現象はやがて唐突に終わり、気が付くと2人は、また元の観覧車に乗っていた。無事に地上へと帰還し、最後にクリスマスプレゼントを交換し合う。
「柊斗様、メリークリスマス」
「俺からも。プレゼント選びは不慣れだから、
喜んでもらえたらいいけど……」
五十士からの贈り物は小さなオルゴール、そしてエリューシアからのプレゼントは、星を散りばめた夜空のドーム型の置物だった。
もちろんエリューシアは感激して喜び、そして五十士はその夜空を閉じ込めた置物を眺めながら、またあの宇宙のことを、これを見て思い出す気がした。
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1000人
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62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月12日
参加申し込みの期限
2016年02月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月19日 11時00分
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