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三夜家の人々 ~真っ赤な林檎が届いた日
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【8】
夕食の時間が近づくと、三夜家にまた新たな足音が近づいてくる。
三夜 深夜子
はすでに実家を出た社会人だった。
深夜子の住む旧市街のアパートは実家から歩いて行ける距離にあったが、ここのところ、忙しくてなかなか実家に帰ることができないでいた。
「あー、定時に上がれるなんて久しぶりねー。せっかくだからちょっと家に顔出していこうかな」
久しぶりに掴んだ自由なアフターファイブを実家の家族と過ごそうとするぐらいには、深夜子も家族と仲が良かった。
そのせいか、はたまた別の要因か、最近ちょっと婚期が遅れていることが気になってはいたが、それは今は置いておく。
「せっかくだから何かお土産があった方がいいわね」
ふと思いついた深夜子が最初に目にしたのが青果店で投げ売りをされている蜜柑の箱の山だった。
そして、
「こんばんはー。久しぶりに差し入……って、り、りんごー!?」
深夜子は蜜柑をひと箱買って、実家に戻り、目を丸くした。
よもや蜜柑を土産に買っていった先で、林檎のフルコースを食べることになるとは思いもしない深夜子なのであった。
* * *
三夜 智蔵
は三夜家の父親の年の離れた弟である。
智蔵もまた大工の仕事を終え、家に入ってすぐに目の前の林檎の山に呆然とした顔になった。
「……なんだ、とうとう果物屋でも始めるのかー?」
とりあえず思いついて口にした冗談は家族からは不評だった。
「……いや、冗談だって」
苦笑しつつ、「しかし、こりゃまた凄い林檎の量だなー」と種類も量も豊富な林檎の箱の山を一つ一つ目で追っていく。
冗談ではなく、本当に果物屋でも始められそうな量だと智蔵は思った。
こんなに食いきれるのか、と他人事のように呟いていると自分充ての箱も笑えない量が届いていることに気づいて、だんだんと脂汗が頬に滲んでいく。
「……も、もちろん量減らすのに協力するぜっ! とりあえず一箱は職場の仲間に持ってくぜ。ま、どっちかってーと、食うより潰す方が似合ってるような連中だけどな」
そうして、智蔵もまた林檎のフルコースが並ぶ食卓へと向かうことになる。
* * *
そして、ついに皆がお待ちかねの夕食の時間がやってきた。
「わあ、凄い! これ、全部お祖父ちゃんが作ったの?」
三夜 深夜子
は目の前に並んだ林檎料理の山に感嘆の声をあげた。
「ふん。べつに大したことはやっとらん。干し林檎やラム酒漬けは千暁さんがつくったものじゃし、ソースは照子のお手製、ジャムやホイル焼きは怜理がつくったもの。ワシはそれ以外のものをつくっただけじゃ。アップルパイは一霞や呼宵も手伝ってくれたしの」
三夜 天吉
は頑固爺然とした表情を崩さず、なんでもないことのように言う。
「それって、ほとんど全部親父がつくったってことじゃねぇか……。マジかよ」
呆れと感心が入り混じった
三夜 智蔵
の言葉が、食堂に居並ぶほぼ全員の気持ちを代弁していた。
それくらいに食卓の上に並ぶ種種の林檎料理は見た目も美しく、また味も申し分のないものだった。
「お料理を運ぶのは一霞ちゃんや怜理ちゃん、それにトワちゃんがたくさん手伝ってくれたから助かったわぁ」
三夜 千暁
がほわほわと笑いながら、年少の女の子達の働きを労う。
「そうかそうか。みんなありがとうねぇ。金髪のお嬢ちゃんはこのまえに来た子かねぇ? 三夜家はこう見えていんたーなしょなるだからねぇ」
三夜 照子
は客人の
トワ・E・ライトフェロゥ
の頭を撫でながら穏やかに微笑む。
「……? トワ、みやfamilyくるの初めてデス。でも、みやfamilyみんな仲良し。トワのfamilyもたぶんそうだったと思うデス!」
照子は以前にやってきたある少女とトワを勘違いしているようだったが、不思議と会話は通じていた。
一方、林檎は悪魔の果実であるとわりと本気で思い込み始めていた
三夜 暗
は、美味しそうな林檎料理を目の前にして、辛抱溜まらん状態になっていた。
「……はっ! そうか! 林檎の力は加熱処理すれば消えるという論理を俺は今電撃的に思いついたぞ!」
「暗兄さん、妄想がダダ漏れてますよ……」
「!? ……うん、ポテトと林檎のグラタンうまい!」
頭痛をこらえるように言う
三夜 怜理
の言葉に、暗はようやく食べられるようになった林檎料理を全力で食べることで有耶無耶にしようとした。
「……まあ、さっきのアレ(ビタミン剤)が神の力なのだとすると、加熱処理で消えるというのはまんざら間違いじゃないな」
三夜 霧人
は持ち前の知識を使いつつ、嘘は言っていないレベルで微妙なフォローを入れる。
「あと、暗、神の力を抑えたければ、林檎の皮がいいぞ。皮を食え、皮を」
霧人はそう言って、先程の皮剥き競争で大量に余った皮を暗に押しつける。
「……! わかった、ありがとう、きりにー!」
暗は素直に礼を言うと、皮をポリポリ食べ始めた。完全な廃品回収車扱いであり、本当にありがとうございますな感じだ。
「いやー、いい食べっぷりだねぇ少年! でも、いくら林檎の皮が神の力を抑えるからって食べ過ぎると胃もたれしちゃうぞ? というわけで、胃薬とかどうだい? あ、ほかのご家族の方も是非。今ならお得意様価格でお譲りしますよ」
ある意味で共犯者である
天神平 庵
は、しれっとした顔で暗に胃薬をすすめつつ、ほかの家族にも営業を怠らないプロフェッショナルぶりだった。
「しっかし、本当にすげぇ料理だよな。31年生きてきて、まだ見た事ない料理とかもあるぜ。あ、それも美味そうだな、俺にもくれよー」
智蔵はこんな機会はめったにないと、あらゆる料理を積極的に口に運ぶ。
彼は大工仲間に林檎を配ると言っていたから、そのときに今夜食べた料理の話も一緒にするのだろう。
もしかすると、寝子島の大工の間で空前の林檎ブームが起きる日も近いかもしれない。
そうして、みるみるうちに林檎料理は大家族の口の中へと消えていき、ついにデザートの時間がやってくる。
「デザートのアップルパイ持ってきたわよ」
「アップルティーも」
「コーヒーも淹れました。おかわりもたくさんありますから、欲しい方は遠慮なく言ってくださいね」
河野 一霞
がアップルパイを冷蔵庫から運び、
三夜 怜理
と
三夜 呼宵
がそれぞれアップルティーとコーヒーの用意をてきぱきとする。
「へへっ、待ってました! うん、やっぱり爺ちゃんのアップルパイは世界一だぜ!」
三夜 雷一
は大好物のアップルパイに我を忘れたように誰よりも早くその手を伸ばして、ぱくりとそれに齧りついた。
「……ちょっとライチ、がっつきすぎ。お行儀悪い」
河野 一霞
は子供を叱るような口調で雷一をじろりと見て言うが、そこにはつい先ほどまであった険しさは感じられない。
一霞が直感していたように、ただひたすら手を動かし、美味しそうな料理を運んでいるうちに、自然と笑みがこぼれてきて、悩んでいるのが馬鹿らしくなってきたのだった。
「へへっ。まあそう言わずに、いっちゃんも食えよ。本当に美味いからさ」
「……ん、そうね。――うん、おいしい」
少しずつ雷一と一霞のわだかまりがとけていっているのを感じ、食卓の空気は一層柔らかく穏やかなものになっていく。
「でも、これだけの家族が一斉に集まることって滅多にないよね。みんな最近はどんな感じ? 話、聞きたいな」
深夜子がそう切り出すと、それぞれが少しずつ、なんでもないような、けれどたくさんのエピソードが詰まったそれぞれの日常の話を披露していく。
一霞の囲碁の話。茜の曲芸飛行の話。雫紅の絵本の話。太陽の小学校の話。
三夜家は大家族だ。
そして、今日は客人もいる。
話題は尽きることがなかった。
そうして、夜はどんどんと深まっていく。
そんななかで、
(……照星兄さん、遅いな)
三夜 呼宵
は、ふと、まだ一向に顔を見せない
三夜 照星
の横顔に思いを馳せ、ふぅと一つ切なげな溜息を吐いたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
水月 鏡花
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月15日
参加申し込みの期限
2016年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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