旧市街の一角に、近所では大家族で有名な
三夜家という一家がある。
12月も半ばのこの日、三夜家に宅配便が届いた。
段ボール箱がひとつ、ふたつ、みっつ……。
青森から、福島から、信州から、おばあちゃん宛に、お母さん宛に、叔父さん宛に。
家族それぞれのいろんな御縁のある方から、奇しくも同じ日に
林檎が届いてしまったのである。
「あら、あらあらあら……」
三夜家の玄関に山積みになった林檎に三夜家のおばあちゃん、
三夜 照子は目を丸くした。
「これじゃあ家に入れないよ。千暁さん、どうしようかねえ」
三夜家のおかあさん、
三夜 千暁も出てきて小首を傾げた。
「そうねえ。いくらうちが大家族でも、食べきれないかもしれないわねぇ」
そこにやってきたのが、千暁の息子のひとり、
三夜 雷一だ。
「なんだ、この大量の林檎!」
玄関先で素っ頓狂な声をあげた雷一の手を、千暁はちょうど良かったとばかりにぎゅっと掴んだ。
「雷ちゃん、いいところに来たわね。他のみんなにも知らせてくれない? 林檎がいっぱい届いたからみんな取りに来てって。忙しくて来れなそうな子には届けて欲しいわ。お友だちとか呼んで家で食べてもいいし。ね、お願い!」
こんにちは。
クリスマスイベントの『サンタさんに手紙を送ろう!』企画より、
三夜 雷一様のお願いを採用させて頂き、三夜家を舞台にしたお話です。
※三夜家以外の方も、ご自由にご参加ください。
三夜家さんに届いたたくさんの林檎。
三夜家に住んでいる方は三夜家で召し上がってもいいですし、
三夜家から離れた家族に届けに行く、連絡を貰って取りに行く、
三夜家に遊びに来る、お友だちに配る、などご自由にどうぞ。
林檎というモチーフにかこつけて、三夜家の家の様子や家族関係、友人関係などを描けたらと思っています。
なので、林檎にこだわらずご自由にアクションを掛けてくださいませ。
それではたくさんのご参加お待ちしております!