霧の妖精のいたずら～寝子島の青空を取り戻せ！～｜リアクション

霧の妖精のいたずら～寝子島の青空を取り戻せ！～

【戦闘開始〜星ヶ丘〜】

「対応策？　なくはない。実はもう準備を始めているんだ」
「……そう。さすがですね」

　星ヶ丘にある本来なら海が見えるはずの戸建てにて、常闇月は八神修の返答に小さくうなづいた。

　視界がほとんどないほどの濃霧に異常を感じた常闇は早々に八神を訪ねたのだ。途中、テオドロス・バルツァの声を聞き状況を把握する。
　八神の返事は、ここに来たことは間違いではなかったと確信させるに足るものだった。
　
　スキーウェアを羽織りゴーグルを準備する八神へ、常闇は静かに申し出る。
　
「……協力させてもらっても？」
「もちろん。ちょっと大きな罠を張ることになるからな。手を貸してくれるならありがたい」

　八神のスマホが爽やかな着音を響かせる。相手は椿美咲紀。今回の作戦の協力者だ。

『シュー君、こっちの材料の準備はすみました！　今から公園に運びますね！』
「了解。途中気をつけて。常闇が協力してくれることになった。俺たちもこれから向かうから」
『それは心強いですね！　ではではまた後で、ですー！」

　八神はスマホをしまうと、作戦を説明する。
　いつものように無言で聞き入っていた常闇は話が終わると、一つだけ要望を口にした。

「先日のプールで用いたゴーグルはありますか？　目の保護が必要になると思いますから」
「ああ。今、用意する。それと運ぶものがあるから、少し手を貸してくれ」

　二人は速やかに動き出した。

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