寝子島絶叫計画：鷲尾礼美編｜リアクション

寝子島絶叫計画：鷲尾礼美編

●死の罠の地下水路

　そこは荒れ狂う地上とは対照的に静かな空間だった。
　だがその一方で、むせかえるようにねっとりした濃密な湿気と不快な異臭に包まれていた。
　館の地下深く張り巡らされた下水道――
　そこは無機質な石造りの通路が網の目のように張り巡らされ、侵入者を惑わす迷路の役割を果たしていた。

「まず行うべきは現状と戦力の把握だ」

　八神修の提案で一行は互いのろっこんと武器を確認する。
　武器の無いものは、水路の床に転がる白骨――迷路に迷った犠牲者のなれの果てか――の傍に落ちていた剣や槍を拾って手にする。

　修は冷静に本や映画で得たモンスターの知識を語り、今後の後の対策を練る。
　そこに語られた伝説の中にはモンスターを倒すヒントがあるように思えた。
　目的は囚われた者を救出し、全員で脱出する事だ。
　その為には互いの協力が必要である事も感じていた。

「大抵、この手の『ゲーム』には時間制限が付きものだ。グズグズしてはいられない。急ごう」

　修の言葉に一行は頷く。

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