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- 00月00日生 00歳
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＜月華＞ 宵闇邂逅 ～それはフツウを壊すモノ？～
「あっ……」
ゴーレムへと投げられたネットは、ふわり、とその身を覆っていく。同時に派手に転ぶ夏朝。美咲紀は自然と駆け出していた。
「椿さんっ！」
「永田先生たちをよろしくお願いしますっ」
文字通り躍り出る美咲紀。手に花を持ち、己のろっこん『舞花の祈り』を発動させてまずは囮で傷が目立ち始めた陽太、記士郎、武道を回復させる。そして、もごもご動くゴーレムの側で転んででしまった、夏朝へ。
「フロイライン！」
クロセルが夏朝を抱え、ゴーレムとの接触を避ける。美咲紀が舞えば夏朝の傷がゆっくりと癒え、顔色も良くなる。
「あ、ありがとう……」
美咲紀はにこり、と笑って頷いた。
影の玉は発射され、それをぎりっぎりで避ける武道。だが、彼は嫌な予感がしていた。ゴーレムは歩みが遅い。どうにかあと少しで別の個体とぶつけ合いが出来そうなのだが……。
「こっちも、手を加えておかないとね」
通りすがりにサキリがゴーレムの関節を攻撃してくれた。そのお陰か、動きが鈍くなって壊れやすそうに見える。
武道は、ちらり、と虚空の帳を見る。ゴーレムとの戦いは長丁場になりそうだ。闇雲に攻撃しても疲労するばかりで、全体の士気が下がってしまう。そんな中で思ったのが『帳がゴーレムを操っているならば、直接彼女を挑発する事でもゴーレムの攻撃対象を自分に出来ないか』という事であった。
（仙藤先輩からのメール、妙に気になったんだよね。あの帳さん、ずっと俺たちが戦っている姿しか見ていないらしいし……。もしかしたらそういう事？）
彼は、強めに呼気を吐くと、見えない道化の仮面を被る。
「帳さんだっけ？ 遠くで安全に観戦だなんて優雅だウワァン！ さすがにプンプンダゾ☆」
「もとより、あなた方の力を試すことが目的。でも優雅だと言われる筋合いはないわ」
負けじと帳が反論。そうしつつも時折虚空に指を走らせる姿から、ゴーレムを操れているように見えた。しくじったか、と武道が内心で表情を険しくする。だが、ここで彼は気づいていない。帳ははっきりと武道の目を見て反論していた事に。
武道によって気がそれてしまっていた帳に、迫る影があった。ろっこん『加速』の進化能力により、虚空を駆ける事が可能となった刀だ。
彼女がそれに気づいたとき、すでに刀は接近していた。
「なぁ、これだけの事をしてテメエだけ高みの見物って言うのは傲慢すぎやしないか？」
――落ちろよ！
刀は、月長石を握り締めた拳で帳を殴る。咄嗟に帳は結界で身を守ろうとするも間に合わず、その腹を殴られる。
「ぐぅっ？！」
帳は、痛みに顔を歪めながらも刀を睨み付けた。その冷たい眼差しが、誰かの眼差しと重なり、刀の表情が揺らぐ。
「あなた……私を捨てたあの人に似てるううううっ！」
同時に、刀は頭を殴られたような衝撃に見舞われた。
モノクロームの世界で、男が帳を殴っていた。
何と言っているかはわからない。だが、その表情からふざけた事を言ったように思えた。
帳は涙を流しながら男をにらみつける。
『何よ、そんなくだらない理由で彼女を選んだの？ 私を捨てるの……？』
その深い恨みの眼差しが、刀の心を抉る！
（違う！ 俺はそいつのような事はしない……！！）
なぜだろう、冷たいいくつもの目が、自分を見つめているような気がした。
鈍い音がして、刀は我に返る。同時に激痛が体を襲った。彼は墜落していたのだ。側には紫が駆け寄ってきていた。
「大丈夫、御剣君？！」
「あ、ああ……」
紫の手を借りながら、痛む体に鞭を打って体を起こせば、周囲のざわめきが聞こえる。顔を上げると、ゴーレムたちが暴走していた。
「ちいっ！」
忍は円と共にゴーレムから離れる。こちらは幸いにもネットに包まれているだけではなく片腕が無い。故に、暴れてもそこまで動けない。問題は、それ以外の物である。
「……！ 逃げて！ 潰される！！」
アリーセが叫び、武道、陽太、記士郎が真横に避ける。暴走により走り出したゴーレムが、もう１体のゴーレムと正面衝突し派手な音を立てて砕け散った。幸いにも武道たちの望むとおり同士討ちは果たされたのだ。
「うわぁ、ひっどいねぇ」
自分でやっておきながら、と内心で付け加えつつ陽太が呟けば、その破片は黒い靄となって消えていく。
「さぁ、お仕舞いだ！」
いつのまにかゴーレムの股下に移動していたサキリが、ろっこんを発動させたまま２本のナイフを閃かせる。すると、ゴーレムの膝関節が一瞬だけ赤い光に蝕まれ、音を立てて砕け散る。ゴーレムが倒れこむと、サキリは更にナイフを閃かせ、蒼い珠へとダガーをむけた。
「チャンス、かも！」
夏朝は、ねこさんシールを貼った蒼い珠に『重くなれ』と念じた。
ゴーレムへと投げられたネットは、ふわり、とその身を覆っていく。同時に派手に転ぶ夏朝。美咲紀は自然と駆け出していた。
「椿さんっ！」
「永田先生たちをよろしくお願いしますっ」
文字通り躍り出る美咲紀。手に花を持ち、己のろっこん『舞花の祈り』を発動させてまずは囮で傷が目立ち始めた陽太、記士郎、武道を回復させる。そして、もごもご動くゴーレムの側で転んででしまった、夏朝へ。
「フロイライン！」
クロセルが夏朝を抱え、ゴーレムとの接触を避ける。美咲紀が舞えば夏朝の傷がゆっくりと癒え、顔色も良くなる。
「あ、ありがとう……」
美咲紀はにこり、と笑って頷いた。
影の玉は発射され、それをぎりっぎりで避ける武道。だが、彼は嫌な予感がしていた。ゴーレムは歩みが遅い。どうにかあと少しで別の個体とぶつけ合いが出来そうなのだが……。
「こっちも、手を加えておかないとね」
通りすがりにサキリがゴーレムの関節を攻撃してくれた。そのお陰か、動きが鈍くなって壊れやすそうに見える。
武道は、ちらり、と虚空の帳を見る。ゴーレムとの戦いは長丁場になりそうだ。闇雲に攻撃しても疲労するばかりで、全体の士気が下がってしまう。そんな中で思ったのが『帳がゴーレムを操っているならば、直接彼女を挑発する事でもゴーレムの攻撃対象を自分に出来ないか』という事であった。
（仙藤先輩からのメール、妙に気になったんだよね。あの帳さん、ずっと俺たちが戦っている姿しか見ていないらしいし……。もしかしたらそういう事？）
彼は、強めに呼気を吐くと、見えない道化の仮面を被る。
「帳さんだっけ？ 遠くで安全に観戦だなんて優雅だウワァン！ さすがにプンプンダゾ☆」
「もとより、あなた方の力を試すことが目的。でも優雅だと言われる筋合いはないわ」
負けじと帳が反論。そうしつつも時折虚空に指を走らせる姿から、ゴーレムを操れているように見えた。しくじったか、と武道が内心で表情を険しくする。だが、ここで彼は気づいていない。帳ははっきりと武道の目を見て反論していた事に。
武道によって気がそれてしまっていた帳に、迫る影があった。ろっこん『加速』の進化能力により、虚空を駆ける事が可能となった刀だ。
彼女がそれに気づいたとき、すでに刀は接近していた。
「なぁ、これだけの事をしてテメエだけ高みの見物って言うのは傲慢すぎやしないか？」
――落ちろよ！
刀は、月長石を握り締めた拳で帳を殴る。咄嗟に帳は結界で身を守ろうとするも間に合わず、その腹を殴られる。
「ぐぅっ？！」
帳は、痛みに顔を歪めながらも刀を睨み付けた。その冷たい眼差しが、誰かの眼差しと重なり、刀の表情が揺らぐ。
「あなた……私を捨てたあの人に似てるううううっ！」
同時に、刀は頭を殴られたような衝撃に見舞われた。
モノクロームの世界で、男が帳を殴っていた。
何と言っているかはわからない。だが、その表情からふざけた事を言ったように思えた。
帳は涙を流しながら男をにらみつける。
『何よ、そんなくだらない理由で彼女を選んだの？ 私を捨てるの……？』
その深い恨みの眼差しが、刀の心を抉る！
（違う！ 俺はそいつのような事はしない……！！）
なぜだろう、冷たいいくつもの目が、自分を見つめているような気がした。
鈍い音がして、刀は我に返る。同時に激痛が体を襲った。彼は墜落していたのだ。側には紫が駆け寄ってきていた。
「大丈夫、御剣君？！」
「あ、ああ……」
紫の手を借りながら、痛む体に鞭を打って体を起こせば、周囲のざわめきが聞こえる。顔を上げると、ゴーレムたちが暴走していた。
「ちいっ！」
忍は円と共にゴーレムから離れる。こちらは幸いにもネットに包まれているだけではなく片腕が無い。故に、暴れてもそこまで動けない。問題は、それ以外の物である。
「……！ 逃げて！ 潰される！！」
アリーセが叫び、武道、陽太、記士郎が真横に避ける。暴走により走り出したゴーレムが、もう１体のゴーレムと正面衝突し派手な音を立てて砕け散った。幸いにも武道たちの望むとおり同士討ちは果たされたのだ。
「うわぁ、ひっどいねぇ」
自分でやっておきながら、と内心で付け加えつつ陽太が呟けば、その破片は黒い靄となって消えていく。
「さぁ、お仕舞いだ！」
いつのまにかゴーレムの股下に移動していたサキリが、ろっこんを発動させたまま２本のナイフを閃かせる。すると、ゴーレムの膝関節が一瞬だけ赤い光に蝕まれ、音を立てて砕け散る。ゴーレムが倒れこむと、サキリは更にナイフを閃かせ、蒼い珠へとダガーをむけた。
「チャンス、かも！」
夏朝は、ねこさんシールを貼った蒼い珠に『重くなれ』と念じた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年07月17日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年07月24日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年07月24日 11時00分
