空想サバイバル・バトル　～寝子島を奪還せよ～｜リアクション

空想サバイバル・バトル　～寝子島を奪還せよ～

・邂逅（１３：４５）

　ロベルトと蛇那伊を見張りに残し、武道は逃走ルートをふさぎつつ、刀、円、そしてナタリアは中に踏み込んだ。
「あっはっはっは！　はぁ～あ。負けちゃった」
　実理は特に気にした風でも無く、言う。
　ナタリアが無言ですぐによって、額に銃を突きつける。
「……今すぐもとにもどしましょうか？」
「それだったら、あたしを殺せば良いのよ」
　うっとりと、実理は言う。
「……なんなんだ、こいつ？」
　刀が引きながら言う。
　実理は構わず続ける。
「ねぇ？　ねぇねぇ？　楽しかった？　いっぱい殺したでしょ？　人形のようなあれでも、生身を殺す感触はあるのよ？　その手で！　撃ったの？　刺したの？　きゃははははははははは！」
　そう言って、歯をむき出しにして笑う。
　ぐっと、円が何かを言いたそうにしてこらえる。
「てめぇの……てめぇの妄想で俺の仲間を傷付けるんじゃねえ！」
　瞬間、【加速】した刀が、日本刀を振るい実理の首を叩く。
「がっ」
　ガッと言う音とともに、実理が横にはじけ飛ぶ。
　どくどくと、斬られた方から血があふれる。
　その光景は見慣れぬ者には異様だった。
「うぐっ……」
　刀は、つい、自分の喉を押さえる。
「ぁ……これで……」　
　実理は安心したかのようにつぶやく。
「目は閉じさせない」
　パンッ！　と頭をナタリアが打ち抜く。
「……っ」
　円は、手に持った銃に力を込めていたが、ナタリアがその役は引き受けたのであった。
「”私達”は、負けない」
　世界の割れる音とともに、その言葉が妙に円には印象に残った。

・世界の崩壊（１３：５０）

　仄はそれを落神神社付近の木の上から見ていた。
　上空の空がひび割れるようにぐしゃっとひしゃげ、かっと大きく光が輝く……。
　次の瞬間、意識が遠ざかっていた。

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