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●お猿も人も、山の賑わい●
時は遡って、PM14時。
日差しは少し傾いたけれど、まだまだ気温は高い。
そろそろかなぁと集まり始めていたギャラリーを前に、サル山の中に竹山さんと入っていくのは、大振りのガラスの器を乗せたお盆を運ぶ
五月
だ。
まったりと昼の時間帯を過ごし、気侭に誉が残していった即席楽器を鳴らしていたサルたちは、彼女たちが運んで来たものに興味を示した。
水辺の平らな場所に更に平らになるよう木の板を敷き、五月と竹山さんは一緒に運び込んだ器を並べていく。
中にはなにやら、帯状になった薄い黄色っぽいものが液体に浸されて入っている。
端が赤いものもある事から、分かる人はリンゴを繋げて薄く剥いたものだと察しがつく。
浮いている楕円を半分にした形のものは、バナナの輪切りだろうか?
早速パンチ始めサルたちが集まってきたけれど、置いた端から無秩序に手を出さないのはパンチが制しているからのようだ。
やがて、器を全て並べ終わった二人がサル山の中から出て行く後姿を確認して、パンチが歩み寄った。
びろーん。
帯状のリンゴの端っこを摘んで持ち上げる。
「私が作ったのは、リンゴとバナナを使った『ドッキリ蕎麦』です!
お蕎麦というよりは、きしめんのような太さになっちゃいましたが……」
流石蕎麦屋の娘、サルへのおやつも蕎麦で勝負に出たようだ。
リンゴの皮を繋げて剥く要領で実も薄く剥いていき、蕎麦に見立てる。
バナナは輪切りにしたものをカマボコのように半月状にしてトッピングし、その上からすりおろしたリンゴを絞ったものを掛けて、絞った後のリンゴもトッピングしたのだという。
説明をしている間にパンチはびろーんと螺旋を描いて垂れているリンゴ麺をムシャムシャと食べ、仲間たちにOKのサインを出したようだった。
他のサルも器に集まり、物珍しそうにリンゴを引っ張る。
びろーん、びろーん。
匂いで食べ物だと分かるものの、変わった形状に「なんだろう?」と興味をそそられているようで。
それは五月が感じて貰えたらと思っていた事だった。
見ている方も面白いけれど、サルたちは遊ぶよりは食い気らしく思い思いの食べ方を始めた。
端から順番に食べていくサルもいるし、丸めて纏めて食べるサルもいる。
モン吉は出遅れてしまって、リンゴの汁に浮かぶバナナの欠片やすりおろした後のリンゴを掬った手を舐めていた。
その器も、そのうち直接口を付けて汁を吸うサルに取られてしまったけれど……。
「変わった食べ方で、おもしろいって」
サルの声を聞いたらしいチカが伝えてくる。
「そうですか、良かったです」
五月はほっと笑って、サルたちが食べ終わるまで見守った。
「いつも手の込んだ事をするのは難しいけど、たまに趣向の違うおやつを出すのも面白いかも知れないね。
餌の時間や一度に出す量を考え直して、皆さんにおやつの時間を見て貰うというのも良いかも……」
竹山さんは五月のアイデアを見て、色々と考えを巡らせているようだ。
美味しく楽しいおやつの時間も終わって、パフォーマンスは後半戦。
場外でもちょっとハプニングがあったりで、色々な人が吹っ飛ばされていた。
そんな人々の傍らで。
(ぎ、擬人化お布団さんとか、いいかもっ!? 疲れた美少年を優しく包み込むお布団……)
布団に絡まった男子たちの姿を目撃した
タルト
は、色々と想像を膨らませていた。
(今日は収穫が多いなぁ♪
吹っ飛ばされて縺れ合うコント少年に、孤独なモン吉を労わる器の大きいボスに……色々捗っちゃう~!)
「おねえちゃん、たのしそうね」
「しばらくそっとしとこうな……」
頬を押さえてきゃっ☆ と嬉しそうなタルトに触れるのは、熊吉先生親子にも憚られたようだ。
月詠
は午前中に引き続き、パフォーマンスを行う人々や反応するサルたちの姿を絵の中に収めていた。
手早くラフを描いた後、油性や水性、蛍光などのペンを駆使してコミカルなイラストに仕上げていく。
尤も、そのままスケッチするだけではない。
例えば動物の真似などをすればその動物を付け足したり、手品や演奏なら服装をステージ用の立派なものにしたりとアレンジを加えていくのだ。
彼女は集中し続け、次々と作品を生み出していった。
ピンポンパンポン♪
園内のスピーカーからイベントの案内が流れる。
『間もなく午後三時より、フードコートエリア・イベントステージにて、ゴールデンウィーク特別イベント・鬼面タイガーデルタショーが開催されます。
ネコジマンや秋刀魚ブレイドなど、寝子島のご当地ヒーローも登場する特別なステージとなっておりますので、皆様お誘い合わせの上……』
サル山前の見物人の中からも、案内を聞いてパラパラと人が移動し始めた。
「折角お客さん沢山集まって、ちょっと楽しくなってきたのにね……」
人気特撮キャラにご当地ヒーローじゃ仕方ないか、と
緑野 毬藻仔
は呟く。
今日は友人の
シダ 美穂戸
とやっと一緒に訪れる事が出来た動物園を巡り、楽しく過ごしていたのだけれど、お猿の五月病の話を聞いて二人とも気になって覗きに来たのだ。
「どうする? もこもこ」
「うーん……うん?」
尋ねる美穂戸に腕を組んで俯き……毬藻仔の視線に自分の首から下がっているホイッスルが入った。
そういえば、ボールも鞄に入っていた気が。
きらーん。
毬藻仔の黒い瞳が輝く。
「ねえねえ、シダさん、ごにょごにょ」
「ん、もこもこ 内緒話?」
こしょこしょ。
「はひっ! くすぐったい もこもこ」
思わずぴょんと跳ねる美穂戸。
「あ、ごめんごめん」
「でも わかった 大丈夫」
「よし、いこう!」
内緒話で打ち合わせた二人は、ボールを持ってサル山の前に出た。
「おさるさん シンチャオ!」
サルたちに手を振って、美穂戸は毬藻仔と向かい合う。
以前、毬藻仔に芝生の広場でサッカーを教えて貰う約束をしていた美穂戸だったけれど、それをサルたちの前でやろうという話になったのだ。
(きっと ボールに興味もつ おさる)
ボールを両手で構える毬藻仔を眺めながら、美穂戸もなんだかワクワクしてきた。
「いっくよー!」
ピーッ!
ホイッスルを合図に、毬藻仔は美穂戸に向けボールを投げた。
「ん? サッカーどうやる?
シダ あんまり 知らない サッカー」
そう言いながらも、ぽーんと爪先で軽くボールを蹴り返す美穂戸。
「教えるから、慌てないでゆっくりね」
「足しか 使わない 知ってる。やさしく教えてね」
受け取ったボールを投げ返しながら指示する毬藻仔に、美穂戸は頷いた。
「シダ 蹴るの 大好き のぞむところ!」
スカッ。
「お 案外 むずかしい」
コロコロ転がっていったボールを拾いに走る。
「もこもこ 手加減して。シダ シロウト」
「了解ー、今度はもうちょっと優しく投げるね」
投げては蹴り、投げては蹴り。
毬藻仔のホイッスルに合わせて、慣れてきた美穂戸が交互の足で蹴ったり、ヘディングっぽい事にも挑戦してみる。
「もこもこの 変な笛もイエ トゥーン(可愛い)」
美穂戸の言葉に毬藻仔も笑う。
「シダさん上手、水族館のアシカみたいだよ」
「アシカ? シダ サオラになると シカって 言われる。
けど アシカは はじめて」
確かに美穂戸がろっこんで変身するサオラは、幻の獣で知らない人が見たらシカと勘違いされる場合もままあるようだ。
「こうか? アシカ よ ほっ おうっおうっ」
ぱちんぱちんと手を叩きながら、軽く打ち上げたボールを頭で受け止める。
「あはは、シダさんすごい。そっくり!」
毬藻仔と一緒に、サルたちもちょっと反応した。
彼らが見た事もない海の生き物の物真似は、珍しかったのかも知れない。
その様子を見た美穂戸も、更に張り切って歌い出す。
「シダと もこもこ ボール蹴りー♪
おさるも 一緒に遊びましょー♪」
歌に合わせて、サルの一匹が洗濯板をギッコギッコ鳴らし始めた。
ボールの動きを追っているヤツもいる。
「お猿さんもノリが良いね!」
「もこもこ パス やってみようか」
「うん!」
ピッ、ピッ! とホイッスルの音を刻んで、毬藻仔はタイミングを見計らって受け取ったボールを抱えたままサル山の方に身体を向けた。
「お猿さん、いっくよー!」
ピーッ!
ぽーんと大きく放物線を描いたボールは、水場を超えて山に届く。
落下地点付近にいたサルは、飛んできたボールの大きさに驚いて逃げて行ったものの、すぐに別のサルが寄ってきた。
「お おさるさんも やるか?」
パスを止めた美穂戸も期待を込めて、毬藻仔と一緒に見守る。
ボールを抱えたサルは、近付いてきたもう一匹のサルに向けてボールを転がすように投げた。
それを相手のサルがぎこちない足捌きで蹴り返す。
サルの体格からすると大きいのか、くるくる空回りしながらゆっくり転がっていくボール。
受け取ったサルはまた投げて、蹴り返し。
投げては蹴り返し。
繰り返しているうちに、興味を持った別のサル数匹も集まってきた。
投げては蹴り、投げては蹴り。
コントロールはあまり良くないけれど、みんなで追い掛けては投げたり蹴ったりしている。
「おさるさん 気に入ったか ボール」
「えっへへー、可愛いね、あの子たち」
美穂戸と毬藻仔は、笑顔でサルたちを見守った。
「気に入ってくれたみたいだから、サッカーボールはお猿さんにプレゼントするよ!」
「やさしいな もこもこ」
美穂戸は友人にも笑みを向け、灰色の髪を撫でた。
「えへへー」
そこへ竹山さんが歩み寄る。
「あのボール、サルたちが貰ってしまって良いのかい?」
「はい!」
「そうか、ありがとう……サルたちも興味を持ってくれたみたいだし、僕も頑張らなくちゃね。
サッカーか……」
竹山さんは生徒たちが齎してくれたものと、目の前の状況をヒントにして色々考えているようだった。
一方その頃、サル山近くの植え込みの影で。
白雨
は鞄の中にしまっておいたレインコートを取り出して羽織っていた。
「なるべく霧雨だと嬉しいのですけれど……」
青空にお願いしながら、長靴に履き替える。
ほんの少し間を置いて、サアァ……と音を立てて周囲に小雨が降り出した。
白雨のろっこん【あめあめふれふれ】が発動したのだ。
「え、雨……!? 今日は一日中晴れって言ってたのに」
「空は晴れたままよ。お天気雨なの……?」
「傘持ってきてないよー」
集まっていた人々が慌て始め、散り散りに雨宿り出来る場所に避難していく。
「マットを濡れないように片付けないと……」
「手伝うよ、竹山さん!」
「あ、ありがとう」
まもる
たちに手伝って貰い、竹山さんも濡れて困るものをしまいに行ってしまった。
残されたサルたちは、濡れ鼠。
お山に点在する小屋っぽい建物や雨を凌ぐ場所に避難したのは、小さな子供を連れた母猿くらいだ。
雨はほんの数分で降り止んだ。
地面や地上のものは濡れてしまったけれど、空は相変わらず抜けるような青さだ。
「任務完了ですよ」
さっとレインコートを脱いだ白雨は、そのままサル山から離れていく。
「さて、動物園回り再開です。ニシキヘビさんを首に巻いてみたいんですよね~」
てくてくと歩いていく白雨。
「天気雨の虹さん、出たんですかねぇ」
(それはお猿さんのみぞ知る……ってカッコいいですかね、私)
自らを誇るような表情を浮かべながら、彼女は水辺エリアのヘビたちのいる方へと向かう。
「やれやれ、とんだ通り雨だったな」
急に降り出した雨に急いで画用紙をしまって雨宿りに行った月詠だったけれど、その時描いていた紙は少し滲んでしまっていた。
青い帽子も長い髪も、湿ってしまった。
しかし。
「これは……」
サル山前まで戻ってきた月詠は、足を止める。
丁度白雨が歩き去った茂みの脇に、小さな虹が掛かっていたのだ。
「災い転じて福となる、か……」
口角を上げた彼女は、湿った画用紙に虹を書き足す。
サッカーボールで遊ぶサルたちのイラストに、七色の光が掛けられた。
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グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年04月10日
参加申し込みの期限
2013年04月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年04月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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