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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
落とし物ひーろった！
兵藤 雅也と愛犬イチ（♀）が砂まみれでお互いの愛情を確かめ合っている頃、小島 海美は母親に頼まれたお使いの荷物を玄関先に置き、飛び出すようにまた表参道商店街に戻っていた。
（やっぱり、気になる！）
海美は小さい胸にいっぱい空気を吸いながら、一生懸命走っていた。
お使いの帰りに道の隅で見つけた、小さな赤い財布。両手がいっぱいでそのまま帰ってしまったけど、どうしても海美は気になっていた。
悪い人に拾われてたらどうしよう。やっぱりわたしが拾って交番に届けてればよかった。心がちくちく痛む。早く、あの場所に行かなくちゃ！
持てる全速力を全て出し切り、ようやく辿り着く。はたして財布は、海美が見つけた時のままだった。
（よかった～！）
ほっと胸を押さえ、急いで拾おうとした海美だが、はっとその手を止める。そして突然木の幹に隠れ、辺りをきょろきょろと伺い始めた。
（もしわるい人に見つかったら、よこどりされるかもしれない！）
何としてもわたしが交番に届けるんだから！ 海美は重大任務に胸を熱くした。
英 モニカは丁度休日の散歩中、その姿を見つけた。
（ええっと……、何をしてるのかしらね？）
その女の子は明らかに挙動不審だった。周囲をきょろきょろと警戒したと思ったら、じっと１点を見つめる。その繰り返しだ。
スパイごっこでもしてるのかしら？ モニカは辺りを見回すが、子供は誰もいない。
（……あら？）
注意深く女の子の視線の先を追って、気が付いた。財布が落ちていた。赤い、小さな布のがま口財布だ。
あの子が落としたのかしら？ モニカは首を傾げる。だったら早く拾えばいいのではと思うが、何か遊びであそこから離れられなくて困ってるのかもしれない。
そうかもと合点して、モニカは赤い財布に近付いた。拾って、女の子に渡してやろうと思ったのだ。その瞬間。
「あーーーーっ、だめえーーー！！！」
「な、何っ？！」
女の子がモニカの前に飛び出した。
「おねえさん、わるい人ぉ？！」
「え？！？」
わ、悪い人と思ったことはないけど、実際はどうなのかしら……。
思いもかけず、モニカは突然自分と向き合う羽目になった。
「モニカおねえさんといっしょで、よかったぁ！」
「海美ちゃんにそう言ってもらえて、私も嬉しいわ」
結局海美の事情が分かり、モニカは交番まで付き合うことにした。その道すがらすっかり仲良くなった２人は、目的地に着くとにっこりと笑い合った。
「おまわりさーん！ おとしものですよー！」
海美が元気よく交番に飛び込んでいく。
（可愛いわね。小さい子とゆっくり話すなんて久し振りだから嬉しいわ）
モニカもにこにこしながら後について入る。すると、中に先客がいた。上品な老婦人だ。彼女は警官と話をしていたが、海美に気付き、その手に握られた財布を見て目を丸くした。
「あら、それは私の財布！」
「え！ これおばあちゃんのなの？！」
わあと海美も目をまん丸くして、モニカを振り返った。
「本当にありがとうございました」
交番を出て、婦人が深々とお辞儀をする。その手には海美が見つけた財布があった。
「よかったね、おばあちゃん！」
「わたしは何もしてませんから、お顔を上げて下さい」
海美はぴょんぴょんしながら喜び、モニカは慌てて婦人を手で制する。
「いえいえ、助かりましたよ。この財布は思い出の財布でね。縮緬なの。若いあなた達は縮緬なんて知らないと思うけど」
「あ！ こうもんさまだね！ えちごのちりめんどんやなんだよね！」
海美の発言にモニカは驚く。確か随分昔の時代劇だったはずだ。……再放送でも見てるのかしら？
「あらあらあら、こんなに小さいのに、良く知ってるわね～」
老婦人は楽しそうに笑うと、財布から５００円玉を取り出した。
「少なくてごめんなさいね。２人でお菓子でも買ってちょうだい」
「わ、おばあちゃん、ありがとう！」
「え？ いえ、わたしはいいですよ」
「何言ってるの、子供が遠慮しちゃ駄目ですよ。ほら、仲良くわけてね」
戸惑うモニカの手のひらに硬貨を握らせ、婦人は笑顔で立ち去った。
（子供……。そっか、彼女にとってはわたしでも子供なのよね……）
何か心の奥がむず痒く、温かい。モニカは海美を見る。小さい子供と大きい子供は顔を見合わせ、ふふっと笑い合う。モニカは海美の手を取った。
「お菓子、ありがたく買いに行こうか、海美ちゃん」
「うん！ おねえさんは、なにがすき？」
２人で手を繋ぎ、仲良く歩き出す。
素敵な１日、ひーろった！
（やっぱり、気になる！）
海美は小さい胸にいっぱい空気を吸いながら、一生懸命走っていた。
お使いの帰りに道の隅で見つけた、小さな赤い財布。両手がいっぱいでそのまま帰ってしまったけど、どうしても海美は気になっていた。
悪い人に拾われてたらどうしよう。やっぱりわたしが拾って交番に届けてればよかった。心がちくちく痛む。早く、あの場所に行かなくちゃ！
持てる全速力を全て出し切り、ようやく辿り着く。はたして財布は、海美が見つけた時のままだった。
（よかった～！）
ほっと胸を押さえ、急いで拾おうとした海美だが、はっとその手を止める。そして突然木の幹に隠れ、辺りをきょろきょろと伺い始めた。
（もしわるい人に見つかったら、よこどりされるかもしれない！）
何としてもわたしが交番に届けるんだから！ 海美は重大任務に胸を熱くした。
英 モニカは丁度休日の散歩中、その姿を見つけた。
（ええっと……、何をしてるのかしらね？）
その女の子は明らかに挙動不審だった。周囲をきょろきょろと警戒したと思ったら、じっと１点を見つめる。その繰り返しだ。
スパイごっこでもしてるのかしら？ モニカは辺りを見回すが、子供は誰もいない。
（……あら？）
注意深く女の子の視線の先を追って、気が付いた。財布が落ちていた。赤い、小さな布のがま口財布だ。
あの子が落としたのかしら？ モニカは首を傾げる。だったら早く拾えばいいのではと思うが、何か遊びであそこから離れられなくて困ってるのかもしれない。
そうかもと合点して、モニカは赤い財布に近付いた。拾って、女の子に渡してやろうと思ったのだ。その瞬間。
「あーーーーっ、だめえーーー！！！」
「な、何っ？！」
女の子がモニカの前に飛び出した。
「おねえさん、わるい人ぉ？！」
「え？！？」
わ、悪い人と思ったことはないけど、実際はどうなのかしら……。
思いもかけず、モニカは突然自分と向き合う羽目になった。
「モニカおねえさんといっしょで、よかったぁ！」
「海美ちゃんにそう言ってもらえて、私も嬉しいわ」
結局海美の事情が分かり、モニカは交番まで付き合うことにした。その道すがらすっかり仲良くなった２人は、目的地に着くとにっこりと笑い合った。
「おまわりさーん！ おとしものですよー！」
海美が元気よく交番に飛び込んでいく。
（可愛いわね。小さい子とゆっくり話すなんて久し振りだから嬉しいわ）
モニカもにこにこしながら後について入る。すると、中に先客がいた。上品な老婦人だ。彼女は警官と話をしていたが、海美に気付き、その手に握られた財布を見て目を丸くした。
「あら、それは私の財布！」
「え！ これおばあちゃんのなの？！」
わあと海美も目をまん丸くして、モニカを振り返った。
「本当にありがとうございました」
交番を出て、婦人が深々とお辞儀をする。その手には海美が見つけた財布があった。
「よかったね、おばあちゃん！」
「わたしは何もしてませんから、お顔を上げて下さい」
海美はぴょんぴょんしながら喜び、モニカは慌てて婦人を手で制する。
「いえいえ、助かりましたよ。この財布は思い出の財布でね。縮緬なの。若いあなた達は縮緬なんて知らないと思うけど」
「あ！ こうもんさまだね！ えちごのちりめんどんやなんだよね！」
海美の発言にモニカは驚く。確か随分昔の時代劇だったはずだ。……再放送でも見てるのかしら？
「あらあらあら、こんなに小さいのに、良く知ってるわね～」
老婦人は楽しそうに笑うと、財布から５００円玉を取り出した。
「少なくてごめんなさいね。２人でお菓子でも買ってちょうだい」
「わ、おばあちゃん、ありがとう！」
「え？ いえ、わたしはいいですよ」
「何言ってるの、子供が遠慮しちゃ駄目ですよ。ほら、仲良くわけてね」
戸惑うモニカの手のひらに硬貨を握らせ、婦人は笑顔で立ち去った。
（子供……。そっか、彼女にとってはわたしでも子供なのよね……）
何か心の奥がむず痒く、温かい。モニカは海美を見る。小さい子供と大きい子供は顔を見合わせ、ふふっと笑い合う。モニカは海美の手を取った。
「お菓子、ありがたく買いに行こうか、海美ちゃん」
「うん！ おねえさんは、なにがすき？」
２人で手を繋ぎ、仲良く歩き出す。
素敵な１日、ひーろった！
あとがき
担当マスター：
ＫＡＮ
ファンレターはマスターページから！
新米マスターＫＡＮです。
シナリオにご参加の皆様、本当にありがとうございました！
初シナリオでもう何だか最後までドキドキでしたが、皆様素敵な１日を拾えたでしょうか？
皆様のアクションに、こちらが楽しい時間を頂いちゃいました。ありがとうございます！
至らぬ所ばかりですが、これからも是非是非お付き合い下さい。
またシナリオでお会いできること、楽しみにしています！
シナリオにご参加の皆様、本当にありがとうございました！
初シナリオでもう何だか最後までドキドキでしたが、皆様素敵な１日を拾えたでしょうか？
皆様のアクションに、こちらが楽しい時間を頂いちゃいました。ありがとうございます！
至らぬ所ばかりですが、これからも是非是非お付き合い下さい。
またシナリオでお会いできること、楽しみにしています！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2015年11月14日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年11月21日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年11月21日 11時00分
