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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
トワイライト・フェアリーテイル ―逃げ出した姫―
破：地を舞う蝶を追い、空を行く蝶へ手を伸ばし
最初にまゆの姿に変化した華夜を見つけたのは、仙藤 紫だった。場所は繁華街で、丁度大学生ぐらいの男性と何か話しているようだった。
（これで解るかしら）
紫は手早く現在位置などを知らせると、華夜へと向かう。その途中で華夜は男性達と分かれていた。聞こえてきた内容から、どうやらフラれたらしい。
「何がいけなかったのかしら……」
「先生、何をしているのですか？」
突如現れた紫に、華夜はふいっ、とそっぽをむいた。紫はそれでも食い下がる。
「ちょっと話したい事があります。先生、よろしいですか？」
「先生、先生って煩いわね。私は、貴方なんか知らないわよ」
苛立ちを隠さずそういいきる華夜は、乱暴に紫を押しやる。刹那、その掌に異様な熱を覚え、紫は僅かに怯んだ。
（何？！ これは……）
幸い、一瞬だったためやけどはしなかった。息を飲む紫の様子を見、華夜は目を見開く。紫は、その唇が「しまった」と小さく言い放つのを聞き逃さなかった。
「とっ、兎に角。私に付きまとわないで」
傍目から見れば、シックな衣装を纏ったまゆが水泳部の部員である紫に対し他人行儀にしているように見えたことだろう。
（あら、これは声をかけたほうがよかったかしら？）
紫の書き込みを見、やってきた尾鎌 蛇那伊は一瞬迷ったものの、紫から背を向けた華夜は蛇那伊を見るなり、艶っぽい笑みを浮かべた。
「そこの方、少しいいかしら？」
華夜の方から声をかけてきた。蛇那伊は驚いたようなそぶりで頷く。華夜は艶やかな笑みを零し、紅を引いた唇を開いた。
「中々ステキな方ね。私、この辺りは初めてなの。よかったら案内してくださるかしら？」
「ふふっ、お嬢さん、私と火遊びでも致したいのですかな？」
深みのあるバリトンボイスでそう言えば、そんなところよ、と笑い混じりに華夜は頷く。蛇那伊は紫に「ここは任せて」とウインク１つすると華夜をエスコートして雑踏へと紛れる。その背中を見送りながら紫は事のあらましをねこったーに乗せ、他のメンバーに現状を伝えるのだった。
（何かしら。こう、寂しげに見えたわ）
紫もまた、内心でため息を吐きながら雑踏に紛れる。そうしながらも対峙した時に見た華夜の眼差しを思い出し、口に苦い物が広がるような気がした。
蛇那伊にエスコートされ、夕暮れの街を歩く華夜はご機嫌だった。彼女は淑女たる仕草をみせつつも彼と腕を組み、楽しそうに目を細める。
「あら？」
そんな彼女が見つけたのは、知的な印象を持つ義弘と彼と共に行く智瑜の姿だった。いや、智瑜はおまけ程度で、メインは義弘だろう。蛇那伊が「知的な方がお好みなのかい？」と冗談めかして言えば「内緒」と華夜は笑う。
（あの人の名前は、華夜さんでしたね）
ねこったーやメールに記された名前を思い出し、智瑜は息を整える。彼女のろっこん『想い見る』は役に立ちたいと願う事で対象の求める物や願いなどが頭に浮かぶのだ。
――華夜さんの想いを知りたい！
次の瞬間、智瑜の脳裏に夜の花園が浮かび上がる。華夜は赤い翼を出した本来の姿で、見目美しくもそれだけでないような男性と腕を組んで花を愛でていた。
『面白みの無い男なんて要らない。私を引っ張って行ってくれて、個性的な人と恋がしたい……。そして、デートとか、してみたいわ……。うん、ときめきたいの。それでもって、恋する女の子と恋話とかしてみたいかしら……』
うっとりと男性と見つめあい、抱き合うその姿に頬が赤くなる。だが、我に帰ったのは義弘に肩を叩かれたのだ。
「さっき見たのは、彼女だ。……どうやら、他の人に助けてもらったみたいだな」
「！ そ、そうですね……」
義弘が安堵したようにそう言えば、智瑜もまた頷く。だが、そんな２人に華夜から近づいてきたのだ。
「ふふっ、なかなかスマートそうな方だと思ったけど……可愛い子がいるのね」
スーツ姿の蛇那伊と腕を組んだ華夜がくすっ、と笑って義弘と智瑜を見た。彼女はくすっ、と笑って義弘を見上げる。だが、不安げな智瑜を見て彼女は
「大丈夫。人の物は取らない主義だから」
と囁き、智瑜の頬が真っ赤になった。何のことだかわからない義弘は首を傾げる。一方の蛇那伊は義弘が生徒である自分に気付いていない事に少しばかり安堵していた。
「ねぇ、この辺りにカフェとかない？ この２人とも話したいの」
「確か、近くにあったかな」
蛇那伊がスマホでチェックし、華夜は２人に笑いかける。
「良かったら、一緒にどう？ この辺りは初めてだし、いろんな人に話を聞きたいのよね」
華夜の言葉に、義弘が何か言う前に「はいっ」と智瑜は返事を返した。
最初にまゆの姿に変化した華夜を見つけたのは、仙藤 紫だった。場所は繁華街で、丁度大学生ぐらいの男性と何か話しているようだった。
（これで解るかしら）
紫は手早く現在位置などを知らせると、華夜へと向かう。その途中で華夜は男性達と分かれていた。聞こえてきた内容から、どうやらフラれたらしい。
「何がいけなかったのかしら……」
「先生、何をしているのですか？」
突如現れた紫に、華夜はふいっ、とそっぽをむいた。紫はそれでも食い下がる。
「ちょっと話したい事があります。先生、よろしいですか？」
「先生、先生って煩いわね。私は、貴方なんか知らないわよ」
苛立ちを隠さずそういいきる華夜は、乱暴に紫を押しやる。刹那、その掌に異様な熱を覚え、紫は僅かに怯んだ。
（何？！ これは……）
幸い、一瞬だったためやけどはしなかった。息を飲む紫の様子を見、華夜は目を見開く。紫は、その唇が「しまった」と小さく言い放つのを聞き逃さなかった。
「とっ、兎に角。私に付きまとわないで」
傍目から見れば、シックな衣装を纏ったまゆが水泳部の部員である紫に対し他人行儀にしているように見えたことだろう。
（あら、これは声をかけたほうがよかったかしら？）
紫の書き込みを見、やってきた尾鎌 蛇那伊は一瞬迷ったものの、紫から背を向けた華夜は蛇那伊を見るなり、艶っぽい笑みを浮かべた。
「そこの方、少しいいかしら？」
華夜の方から声をかけてきた。蛇那伊は驚いたようなそぶりで頷く。華夜は艶やかな笑みを零し、紅を引いた唇を開いた。
「中々ステキな方ね。私、この辺りは初めてなの。よかったら案内してくださるかしら？」
「ふふっ、お嬢さん、私と火遊びでも致したいのですかな？」
深みのあるバリトンボイスでそう言えば、そんなところよ、と笑い混じりに華夜は頷く。蛇那伊は紫に「ここは任せて」とウインク１つすると華夜をエスコートして雑踏へと紛れる。その背中を見送りながら紫は事のあらましをねこったーに乗せ、他のメンバーに現状を伝えるのだった。
（何かしら。こう、寂しげに見えたわ）
紫もまた、内心でため息を吐きながら雑踏に紛れる。そうしながらも対峙した時に見た華夜の眼差しを思い出し、口に苦い物が広がるような気がした。
蛇那伊にエスコートされ、夕暮れの街を歩く華夜はご機嫌だった。彼女は淑女たる仕草をみせつつも彼と腕を組み、楽しそうに目を細める。
「あら？」
そんな彼女が見つけたのは、知的な印象を持つ義弘と彼と共に行く智瑜の姿だった。いや、智瑜はおまけ程度で、メインは義弘だろう。蛇那伊が「知的な方がお好みなのかい？」と冗談めかして言えば「内緒」と華夜は笑う。
（あの人の名前は、華夜さんでしたね）
ねこったーやメールに記された名前を思い出し、智瑜は息を整える。彼女のろっこん『想い見る』は役に立ちたいと願う事で対象の求める物や願いなどが頭に浮かぶのだ。
――華夜さんの想いを知りたい！
次の瞬間、智瑜の脳裏に夜の花園が浮かび上がる。華夜は赤い翼を出した本来の姿で、見目美しくもそれだけでないような男性と腕を組んで花を愛でていた。
『面白みの無い男なんて要らない。私を引っ張って行ってくれて、個性的な人と恋がしたい……。そして、デートとか、してみたいわ……。うん、ときめきたいの。それでもって、恋する女の子と恋話とかしてみたいかしら……』
うっとりと男性と見つめあい、抱き合うその姿に頬が赤くなる。だが、我に帰ったのは義弘に肩を叩かれたのだ。
「さっき見たのは、彼女だ。……どうやら、他の人に助けてもらったみたいだな」
「！ そ、そうですね……」
義弘が安堵したようにそう言えば、智瑜もまた頷く。だが、そんな２人に華夜から近づいてきたのだ。
「ふふっ、なかなかスマートそうな方だと思ったけど……可愛い子がいるのね」
スーツ姿の蛇那伊と腕を組んだ華夜がくすっ、と笑って義弘と智瑜を見た。彼女はくすっ、と笑って義弘を見上げる。だが、不安げな智瑜を見て彼女は
「大丈夫。人の物は取らない主義だから」
と囁き、智瑜の頬が真っ赤になった。何のことだかわからない義弘は首を傾げる。一方の蛇那伊は義弘が生徒である自分に気付いていない事に少しばかり安堵していた。
「ねぇ、この辺りにカフェとかない？ この２人とも話したいの」
「確か、近くにあったかな」
蛇那伊がスマホでチェックし、華夜は２人に笑いかける。
「良かったら、一緒にどう？ この辺りは初めてだし、いろんな人に話を聞きたいのよね」
華夜の言葉に、義弘が何か言う前に「はいっ」と智瑜は返事を返した。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年01月12日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年01月19日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年01月19日 11時00分
