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焚き火のある光景
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勢いを増した炎を眺めて、綾辻綾花と早川珪は顔を見合わせていた。
「いい感じに育ってきました」
「うん。暖かいな」
互いに、笑み。
だが見つめ合っていることに気がつき、慌てて綾花は目をそらせてしまう。
「どうかした?」
「いえ、ちょっと、煙が目に入ったかも……あ、もう大丈夫です」
感度の悪いラジオみたいな小声で言って、綾花はこっそり珪を盗み見る。
彼は正面を向いていた。
焚き火で照らされる彼の顔。
絵になりますね――そんなことを綾花は思った。
許されるのならずっと、こうして盗み見ていたい。
「おーい、こっちに来てイモでも食わんかー」
高野 有紀
先生が誘ってくれたのだが、
「先に燃やしたいものが……」
と断って、郡トモエは炎の前に来た。もっと食い下がってくるかと思いきや有紀は、「そうか」と案外簡単に解放してくれたのである。キラーマシンとかあだ名される有紀先生だってかつては女子高生、この年頃の繊細さを理解していたから……かどうかはわからない。
ともかくもトモエは、両手を伸ばして火にあたるような姿勢を取りながらそそくさとファイルケースを開いた。
――よし、これでリセット……。
しゃがみこむと、出せなかった父親への手紙を丸めて火にくべる。じわわと火は紙に広がって、インクの跡をちりちりと灰に変えていった。
どんどんくべよう。出せなかったラブレター……南波太陽に宛てた手紙も……。
想いが炎に焼かれる。
先輩への想いが……。
「いよーう」
その南波太陽の声が背後からしたので、それこそトモエは月まで不時着しそうな勢いで飛び上がった。
「こんなところで合うとは奇遇だねー」
見間違いようがない。それは太陽だった。秋の曇り空の下でも、彼の口調と髪色、そして表情は底抜けに明るい。まさしく『太陽』という名前にふさわしい。
「あ、ははは、はは、先輩……!」
まるで手紙から、先輩がにょろりと飛び出してきたようなタイミングではないか。実に心臓に悪い!
「まさに焚き火日和、暑すぎもせず寒すぎもせず、雨も降ってないなんてちょっとできすぎじゃね?」
おや、と太陽は首を巡らせて、
「ひょっとしてもしなくても、まさかユー……」
ぎく、とトモエは心臓に杭を突き立てられた気分である。
「オレ宛のラブレターを焼いてるのかい?」
ドカーン! トモエは砕け散った!
……というのは当然トモエの早とちりで、実際のところ太陽はこう言ったのだった。
「芋でも焼きに来たのかい?」
「あーはい、芋? お芋ですね? ええ、お芋でも焼いたら美味しそうですよね」
いくらか引きつった表情でトモエは返した。ところがこの返答はあまり太陽の気に入らなかったようだ。
「『芋でも』っていうことは、芋じゃなかったか。残念……」
これ以上追求されたら大変なので、慌ててトモエは逆に彼に問うことにする。
「そういう先輩は、なにか燃やしに来たんですか?」
「えー? オレ-?」
へへっと無邪気に太陽は笑って、
「今年受けたテストの答案用紙を一気に灰に返しにね。大学入試の模試の結果とか……いやあ、これがまた、ひとつとてロクな結果じゃないんだなー、これがー」
ほれほれ、と恥ずかしげもなく太陽は答案を見せてくれる。これがもうすべて散々な結果、模試も大抵が志望校に対しD判定だったりE判定だったりして、『やめときなはれ』と書いてあるに等しい。つまり結構大変なことになっているようなのだが、太陽はいたって楽天的だ。
「なんかさ、こういうもので一喜一憂? わおオレ今難しい言葉使ってね? で、そのイッキイチユーしてても仕方ねーって思うわけ。こういうもんはパーっと燃やして、炎の中から新しいオレになって蘇るっていうかさ、それってフェニックス? 不死鳥? ホーオー群馬県? なんで群馬県なんだ!? まあいいや……っと、どこまで話したっけ?」
「群馬県、いえ、燃やして不死鳥のように蘇る、というところまでです」
「そうだったそうだった。これで焼いた芋を食えば新しい自分になれる気がするわけー」
そんなわけないと思うのだが、太陽は自信たっぷりであり、そんな彼が口にすればこの妄想(?)も現実になるような気がしてくるのだから不思議だ。
太陽はその一切合切をじゃんじゃん火にくべた。そうしてニヤッと笑って、懐からもうひとつ、封筒を出して来たのである。
「ま、ひとつのケジメってやつかな、これも。実際、オレもちょっとは勉強もしてんだよねー。ほら」
太陽に手渡されトモエはこれを開ける。
「え……?」
最新の模試結果であった。なんと志望校への判定が『C』になっている。教科によっては『B』まであった。
「これは焼かない。こいつを信じてもうひとがんばりするつもりなんだよね。だから、それ以前のやつはいらないっつーか」
彼はただ、現実逃避しているわけではなかったのだ。物事のいいところだけ見て、いいところだけ見ているからがんばれる、そういう性分なのだろう。
「ごめん、見えちゃったから言うけど、それ、手紙みたいだね」
太陽がぽつんと言ったので、トモエは手元に視線を落とした。
――しまった……!
やや青ざめる。炎が封筒だけ焼いて、中の便せんがあらわになっていた。
横書きで書いたラブレター。
太陽へのラブレターだ。幸い、宛名はもう焼け落ちていた。
できるだけ動揺を表にしないよう気をつけながら、トモエはゆっくりと首を縦に振った。
「正しくは、出せなかった手紙、です。……思いを込めた手紙ですけど、思いを渡すことが……受け取ってくれるかが怖くて、一度白紙にしようと思って」
その相手が目の前にいるとは、さすがに言えない。
「そっか」
太陽はうなずいて、優しく言ったのである。
「今度は、出せるといいね」
軽薄な人、それが太陽への一般的な評価らしい。
けれどトモエは知っている。彼の軽さは、他人を傷つけるたぐいのものではないと。
むしろ安心感を与えてくれるものだと。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月19日
参加申し込みの期限
2015年10月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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