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焚き火のある光景
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どしんと大きなクーラーボックスが置かれたのを見て、前髪をぱっつんと切りそろえた黒髪ストレートの少女が、いそいそと寄ってきた。
「おやこれはどうした中身食べ物? 開けて見せてさわらせておくれよ」
「厚かましいわ! ばかたれ!」
と、彼女の連れらしき優等生風眼鏡の少女が叱りつけている。
「……連れが失礼した。体だけ大きいが中身は小学生並のやつなのだ。許してほしい」
ちょっと小学生ってなによー、と抗議する黒髪を手で押しやって、優等生風は1年2組の喜多川怜子だと名乗った。黒髪のほうはこの通り。
「あたしは同じ2組の弥島純子! おひかえなすって!」
妙な二人組だがこんな彼女たちを見ても、クーラーボックスの主、すなわち
旅鴉 月詠
は動じたりしない。世は不可思議に満ちている、が信条の月詠ゆえ、たとえ二人がビキニ水着姿だったとしても驚くことはないだろう。
「6組の旅鴉月詠、よろしく」
お近づきのしるしに、と月詠はクーラーボックスを開け、よく冷えた冷たい瓶を2本取り出した。
「焚き火のそばだと喉が渇くと思って持ってきた。葡萄ジュース、どうぞ」
「いやー、なんか催促したみたいで悪いねえ、ありがとう」
純子はさっと受け取ってほとんど一気みたいにしてこれを飲むが、怜子のほうは眼鏡の位置を直して、
「このクーラーボックス、冷凍マグロでも入りそうなサイズに見える。中身もぎっしりだ。……だが旅鴉さん、見たところきみは一人のようだが、どうやってこれを運んで……?」
瓶に口を付けず立ち尽くしていた。
「ありえないことなどない、とだけ言っておこう」
実は『ろっこん』でなしたものだが、月詠ははっきりとは言わないのである。
「車輪、それとも誰かがいた……?」
怜子はかがみこんでクーラーボックスを調べている。彼女は無数の疑問符にとらわれているようだが、一方で純子はまたまた無遠慮に、
「おー、いいねいいね、食材わんさとあるじゃないのさ」
「うん、芋とか持ってきた」
本当にたくさん、月詠は持参していた。
サツマイモは新聞紙で包む予定で、舞茸やシメジはホイル包みにする予定である。バター醤油味じゃが芋も、塩とバターでホイル包みにしよう。
「イカも、モヤシも、あるんだよ」
「ほうほう、ちょっとしたバーベキューってやつさね」
よだれがこぼれそうな顔をしている純子に月詠は言った。
「手伝ってくれるなら好きに食べてくれ。独りではあきらかに余る量だ」
「そうと決まれば!」
ごうごう燃えさかる火に純子はホイル包みを投げ込もうとするも、それは月詠に止められた。
「紙や枝が灰化したら芋を灰に埋める……これで十分焼ける。つづけてホイルも順次投下するが、あまり投下しすぎると火が弱くなるから数は考えて行うべきだ」
「さすがだねえ。月詠ちゃんだっけ? あんたとはいい友達になれそうだよ。よろしく」
純子の『いい友達』は食べ物を食べさせてくれる人という意味の可能性があるが、ともかくも彼女が手を差し出したので、月詠は握った。
「こちらこそ、よろしく」
「栗もあるけど焼く?」
「お、『火中の栗』ってやつだね! いなせだねえ」
「いなせなものか。そのまま入れたら破裂するから気をつけろ」
やれやれ、と純子を押さえるようにして、怜子が言う。
「クーラーボックスの謎は解けない……まあ今はそれを気にしていても始まらないだろう。私もよろしく頼む」
「うん」
こうして月詠はこの日、弥島喜多川コンビと行動を共にすることになった。
篠宮六花が着いた頃には、焚き火はかなり盛大なレベルに達していた。
「お、いいねいいね、いい燃え具合だ」
和服の袂に腕を入れ、よし、と六花は封筒を取り出した。
改めて見ても、禍々しいと思う。
曇り空とはいえ、外の光はこの封筒にはいかにも似つかわしくない――そんな風に彼は感じている。
迷いはない。まったく。これっぽっちも。
「さて、綺麗に燃え上がってくれたらいいんだが」
封筒から乱暴に楽譜をつかみ出すと、これを六花は火に投じた。
一気にばあっと炎上して消滅する……そんな期待もあったのだがはからずや、炎の勢いは強くそれだけに上昇気流も強烈で、燃えるものもがあったが数枚は、炎から逃れるようにひらひらとその上を舞った。
「悪あがきしてるなぁ、誰も拾わないでくれたらありがたいんだが……」
「なにが?」
という声に驚いて振り向くと、そこにいたのは2年6組担任、
小日向 つばめ
ではないか。
「うわ先生! どうしてここに!」
「守り役よ守り役、ボランティアなんだから感謝してよね」
お団子頭のつばめはプロ仕様の一眼レフカメラを構えた。
「……というのは名目、炎ってね、結構被写体として魅力的なのよねー。一瞬たりとも同じ形じゃないでしょ? その決定的な表情をとらえるにはテクニックがいるし」
と言うそばからもう、バシャバシャとシャッターを押している。
「ちょ……先生、いきなり撮らないで……?」
「ええ、なに? 火には肖像権はないでしょ?」
「火じゃなくて燃えているものに!」
「ああ、舞ってるのなんだろ……五線譜? 六花ちゃんが持ってきたものなの?」
いい意味でも悪い意味でもこの人の辞書に『遠慮』という文字はない。ファインダー越しに話しながらも、バシャバシャとシャッターを押す手を止めないのである。
異民族の侵攻にさらされている気分! 六花は大慌てだ。
「これは中学の頃に書いたもので、その、未熟で、書きかけも多いし、えぇと、あー……見逃して!」
六花が今、赤面しているのは、決して火のそばにいるせいではないのである。
二人の頭上よりも高い位置まで吹き上げられた楽譜の一枚が、勝ち誇るようにしてひらひらと踊り続けていた。
楽譜をすらすらと読める教養があれば、そこに刻まれた楽曲は、今日火の中に投じられたものとはまったく性質を異にした旋律を持つことが理解できるかもしれない。
そしてこの楽譜には、今日燃やされたもののなかで唯一、作曲者たる六花自身による表題がつけられているのである。
題名は『Agape』。
無償の愛という意味だ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月19日
参加申し込みの期限
2015年10月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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