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焚き火のある光景
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綾辻綾花はおそるおそる銀紙を剥いた。
そうして、焼けたサツマイモを取り出してぽきりと折る。期待通りだ。よく焼けている。ひとつを早川珪に差し出すと、彼は笑顔で受け取った。
「ありがとう。綾辻さんからもらえるなんて、何よりのごちそうだよ」
「そんな大袈裟な……ど、どういたしまして」
綾花は胸が熱くなった。どうしてこの人は――どうして、これほど私の心をつかむような表現が上手なのでしょう。
「今年もあと、一か月くらいか」
何の気になしに珪が呟いた。これに綾花も乗って、
「早いですね……。先生の、今年思い出に残ってる出来事って何ですか?」
「今年かい? たくさんあって困るくらいだね。でも強いて言えば、最近すぎて悪いけどハロウィンかな。楽しかったね。今年は特に気合いが入っていたから」
「私もハロウィンはその一つに入ります。あとは高校に入学してたこと、初めて寮で一人暮らしを始めたことですね」
訊くべきかどうか綾花は迷った。だけど、先生もハロウィンを挙げた以上、訊いてもいいはずと決意して口を開いた。
「ハロウィンといえば……」
「うん?」
「仮装して会ったとき、どうして私だって分かったのか聞きたいです」
「そうだったね。でも綾花さんだって、僕の変装に気がついたよね?」
「珪先生はマスク付けてても背格好や雰囲気で気付きます!」
「奇遇だね。僕も同じことを言うつもりだったよ」
ごく当たり前のことのように珪は言うのである。けれども綾花にとってそれは、とても特別な言葉のように聞こえるのだった。
なぜなら綾花は「背格好や雰囲気で気付きます」という言葉のなかに、『あなたのことをいつも、意識しているから』というメッセージを差し挟んでいたのだから。
彼の言葉にも同じメッセージがあったのだろうか。
ただの軽い冗談だったのだろうか。
綾花には、わからない。
「わ……私は気付いてもらって嬉しかったです」
やっとのことでそこまで告げられたが、あとの綾花の想いは、もう言葉にならなかった。
一人だったから心細かった。
会いたいって思ってたから本当に会えて一瞬夢かなって、思った。
それらは口に上ることなく炎のゆらぎに乗って天に昇っていく。
珪はどこまで、綾花の気持ちを受け止めてくれたのだろうか。
「じゃあ、そろそろ仕事があるんでね。お芋、ご馳走様。今度何かお礼するよ」
ただそれだけ告げると、彼は風のように姿を消したのである。
するとたちまち綾花に寂しさが襲ってきて、炎のそばにいるのに寒いような気までしてきたが、それでも、彼女の胸の芯に残った火は消えていなかった。
今日、来て良かったと綾花は思う。
七夜あおいが帰ったので、八神修たちは三人に戻った。
恵御納夏朝は熱いサツマイモを、ふーふーはふはふと食べている。
「ホットドッグも用意すれば良かったかも……」
そんなことをつぶやいた。アルミホイルに包んで牛乳パックに入れて燃やせば美味しくできるという話だ。
「へえ、そんなことができるんだ。今度作ってくれると嬉しいな」
と目を細めた修の鼻先に、焼いたマシュマロの串がさしのべられた。
「そうそう、シュー君に報告があるのです」
椿美咲紀だ。彼女は修にマシュマロを渡して、
「先日の英語の小テストが成績結構良かったのです。いつもより20点程高かったのですよ! それもこれもシュー君の厳しい指導に耐え勉強を欠かさなかった努力の賜物!」
「それは良かった」
「という事で、帰りに美味しいスイーツを食べに皆を連れてってなのです」
むっ、と修は怪訝な表情で、
「なんで教えている俺が御褒美なんだ? 普通、お礼として俺がもらうほうだろ」
と言うも、美咲紀はそれとは別ルールで生きているらしい。
「さっきも言ったでしょう? 先生は生徒を褒めて伸ばすべきなのです! ご褒美下さいなのです」
ニコニコニコと、実に屈託がない言い分だった。もちろんおごってもらう気100%だ。
「ま、期末に成果が出たら考えてやるよ」
ぽふっと修は彼女の頭に手を置いた。
「さて、残りも焼いてしまおう」
食べ終わった夏朝が、落ち葉類と紙を火にくべていく。
ちょっと変わった紙だった。いずれにも、『蠅』『恐怖心』など、文字が書いてあるのだ。それを、びりびりとちぎりながら焼いているのだ。
「恵御納さん、今気がついたのですがそれは……?」
と尋ねる美咲紀に答えて、
「怖いものとか、紙に書いて燃やせば…きっと色々和らぐ、と思うんだ……多分」
夏朝は少しだけ恥ずかしそうに言うのだった。
「八神君は何を焼くの?」
ちらっと夏朝が視線を修に向ける。
「特に秘密で燃やしたい物って無いんだよ。使用人が処理するしさ」
「秘密がないなんてつまらないですよー」
ぶーぶー、と美咲紀は頬を膨らませていた。なんともコロコロと表情の変わる娘なのだ。
「秘密か……何がいいだろ?」
周囲をはばかるようにキョロキョロとしてから、そっと夏朝が告げた。
「だったら……フツウでない経験、とか?」
「それって燃やせるのか……?」
真顔で問い返したものの、少しして修は吹き出していた。
「思わず真剣になってしまった。そりゃ無理というもんだな、それに」
穏やかに、付け加える。
「燃やしてしまうのは……勿体ない」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月19日
参加申し込みの期限
2015年10月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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