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焚き火のある光景
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缶コーヒーから白い湯気が上がっている。
鉄の匂いがほんのちょっぴり、けれどそれを上回るのは、暖かな香り。
「ビーカーで沸かすのとは、また違った味わいがありますね」
五十嵐尚輝は、静かに香りを吸い込んだ。前髪のせいで見えないが、目も閉じているのではないか。
今、彼と御巫時子は、校庭の隅で古タイヤに腰掛け、ひとつの毛布で暖を取っている。
「喜んでもらえて嬉しいです」
時子は目を細め、ところで尚輝先生、と話題を変えた。
「理科室に暖房器具は何があるのでしょうか? 寮には床暖房・炬燵・エアコンなど色々ありますが学校は寒くないか心配です」
「実験に夢中になっていると、暑さ寒さはあまり気になりません。それに、僕はたいていバーナーやアルコールランプを燃やしていますし……」
ふと尚輝は顔を上げた。ここにはないアルコールランプの燃える匂いを、思いだしているのかもしれない。
「そうそう、お弁当ですが。今度から温かいものを持って行きますね。保温性のあるお弁当箱があるんです。リクエストとかありますか?」
ところが彼は直接それに答えず、うなだれたように言った。
「いつもすみません。 僕、いつも御巫さんに甘えているような気がします……」
「そんなことは……」
ありません、と言おうとしたのだが、尚輝が先に言葉を発していた。
「その代わりと言ってはなんですが…… 御巫さん困ったことがあればなんでも言って下さい。できるだけ……力になります……から」
靴紐でも気になるかのように、尚輝はじっと下を向いている。これを言うのにかなりの勇気を要したようだ。
「その気持ちだけで十分です」
時子は彼の言葉を、優しくくるむようにして受け止めた。
もしかしたら……気持ちが通じ合った……のかもしれない。ところがすぐに、
「コーヒー、ごちそうさまでした」
まるで気恥ずかしさをごまかすように、さっと尚輝は立ち上がり毛布から出たのである。
「そろそろ、実験室の冷凍庫に入れた材料が固まった頃です。おいとま……します」
寂しいと思っても時子は、それを表に出さずにいることができる。
「今日はありがとうございました」
だから、そう言って笑顔で彼を見送った。
焚き火と夕日で赤く染まっているはず、だから顔が赤いのは気付かれないはず――そう時子は思う。
最後まで残って、焚き火の後片付けを手伝って帰ろう。
こってり絞られたが野菜原ユウと鬼河内萌は、もうすっかり元気で和気あいあいと焚き火に興じている。
「ユウくんは何を焼く? ボクはやっぱり数学のテストかなぁ?」
などとぽいぽい、萌は答案を投げ込むのだ。
「俺も数学のテストだな。このヤローって感じだぜ!」
萌の手から一枚の答案が逃げ出し、炎の上でひらひらと舞った。
「わ-! 見ないで見ないで-!」
とはいえしっかり、赤い点数が表がえってしまった。強烈な点数! ああもう焚き火に飛び込みたい!
「はははっ! 俺といい勝負のやつがここにいた!」
ところがユウと来たら堂々としている。自分のテストを萌につきつけたのである。接戦、というか悲惨という意味ではまるで同レベルの内容だった。よくもこれだけ間違えたな、というほどに。
「同志よ!」
ユウが右手を開いてぱっと垂直に立てた。これを勢いよく、パーンと萌はつかむ。
「我ら赤点連盟! だね☆」
がっしりと握る。
――こういうのが希望じゃなかったんだけどなー、でも、いっか。
苦笑いと照れ笑いが一緒になったようなのが、萌の頬に浮かんでいた。
今日、彼の手をさりげなく握れたらいいな――と彼女は思っていたのだ。
さりげなくは全然ないが、願いが叶ったのは事実なので結果オーライとする。
さて旅鴉月詠と弥島純子、それに喜多川怜子はどうしているだろうか。
月詠はスケッチブックを取り出し、熱心に焚き火をスケッチしていた。
火はとてもよく動くから、一瞬の煌めきを逃さぬよう目に焼き付けてさっとペンを走らせる。
今彼女は、薪が爆ぜる様子を描写していた。
ある程度まとまったところで、ふうと息を吐いて月詠は振り返った。
「上手いものだな。本当に。私は絵のことは素人だが、躍動感があると思う」
怜子のささげたこの評価を、月詠は受けてややはにかんだ。
「美味いものだよ、こっちも!」
と、純子のほうは焼けたホイル焼きを月詠に捧げるのだった。
「ありがとう」
「なんのなんの、持ってきてくれたのは旅鴉さんじゃないの。あたしゃ焼いただけだよ」
純子は屈託ない様子で、串打ちのサンマも手渡してくれた。
「それにしてもサンマまで串に刺して持ってきてくれるなんて! その準備の良さには尊敬の念を覚えたよ」
「まあ、これも面白いかと思って……」
着想が沸いたのか月詠は、焼けた秋の味覚の数々をスケッチしはじめるのである。
「こう、火を見ると焼き物をしたくなる。また粘土でも捏ねようかな。皿か、茶碗か」
ふと呟いた言葉を怜子はとらえて、
「根っからの芸術家なんだな……面白い人と、知り合えたと思う」
「あたしも!」
ぱっと純子が応じた。
「こちらこそ」
月詠はうなずいてみせた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月19日
参加申し込みの期限
2015年10月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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