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焚き火のある光景
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小山内海は期待に満ちた目で、橘千歳の手の動きを熱心に見つめている。
御剣刀もだ。
二人に注目されていても、料理のこととなると千歳は落ち着いていて、
「いい? まずは焼きてたのポテトに十字に切れ目を入れてから……」
ナイフで撫でるようにして、焼き上がったポテトの表面をすうっと切った。さらに説明しつつ作業する。
「こうして指を四本添えて、ぐいとポテトの内側に押し込むと、切れ目からぽくぽくの中身が出てくるの。見える?」
「ああ、よく見えてる」
刀は言いながら、ふたたび空腹を感じ始めた胃に思わず手を乗せていた。
「そこに塩と胡椒を少々、あとは、下準備のついでにコンビニで買ってきたチェダーチーズとベーコンを挟めば出来上がりね」
こうしてひとつ仕上がったものを、千歳は海に手渡すのである。海は、『ありがとう』と言うようにうなずいて見せた。海のスケッチブックには、「さすがちとせちゃん、よく知ってるね!」との文字が躍る。
とろりとチーズが溶け出して、ジャガイモのうす黄色い肌と、よく焼けたベーコンに均等に被さっていた。白い湯気は銀紙ホイルも曇らせている。これらが一体となって、早く食べてと呼びかけているよう。じゅっという音まで聞こえるではないか。ほどよいチーズの香りが場を満たす。
「上手いもんだな」
「あ、これは友人の受け売りだから。アメリカだと芋というとじゃがいもだから、ベイクドポテトになるんだって」
「へーっ、その友人も詳しいんだな。千歳みたいだ」
見よう見まねで刀も自分の分を仕上げ、さっそくかぶりついていた。
熱い熱い、そして、香ばしい! とろとろのチーズとカリッとしたベーコン、そしてほくほくジャガイモの組み合わせだ。美味しくないはずがないではないか。
「うん熱いけど美味い!」
刀は太鼓判を押す。強く同意しているのだろう。海も元気に手を挙げた。
「それは良かった」
千歳は炎の下から火ばさみで、別の銀包みを出してくる。
「でも、まぁ、やっぱり私はこっちかな。サツマイモの焼き芋」
ぱりっと外装をはぐと、これまたいい塩梅の焼き加減。皮の赤紫が、黒と茶色に焦げている。
「特に味付けもなく素材を良さを最大限に引き出した素朴な味わいが好き」
皮を剥くとこれまたほくほく、しっかり焼けた黄色い身が姿を現す。
「おっと、それもあったな。急がなきゃ」
別にせかされているわけでもないのだが、ついつい刀は、ジャガイモを大急ぎで片付けるのである。なんともはや、贅沢な気分ではないか。
――ふう。
海は秋空を見上げた。やはり曇っていて、太陽は姿を見せない。
けれども火に当たっていると、しかもこうして、秋の美味を楽しみながらだと、こういうのも風情があっていいと思う。
いつかまたこうして、みんなで焚き火を囲む機会があるかもしれない。
けれどもこの日このとき、この組み合わせでのひとときは、この瞬間しかないのだ。
そんなことを考えて、ふと海はスケッチブックに向かってペンをふるった。
二人に見せる。その文字を。『たき火の火って見てるとなんだかおちつかかない?』と書いたものを。
「そうね」
「そうだな」
千歳も刀も、それ以上の言葉はなかった。
三人ともわかっているのだ。
落ち着くのは火が暖かいからだけじゃなく、誰かがそばにいてくれるからなのだと。
アルミホイルを軍手で剥いで、熱々の中身を濡れた新聞紙に包み直す。
箸でさして具合を見る、うん、ちょうどいい塩梅のようだ。
「焼き芋は焚き火に限るよな」
「言えてる」
市橋誉の手から、詠寛美は焼き芋を受け取った。食べ物に対しては、いつも素直な寛美なのである。
「熱いから気を付けろよ」
「わかってるって」
ふうふう吹きながら炎の塊みたいなものをほおばるのは、この季節この状況だからこその贅沢といえよう。舌が火傷しそうなほど熱い。けれどやわらかく、甘みもぎっしりだ。しばし無言で二人は、立ったまま並んで秋の恵みをいただく。
いくらか落ち着いたところで誉が言った。
「焼き芋は余ったら料理やお菓子にも使えるんだ……そんなわけで沢山持ってきてる」
誉が火かき棒をめぐらすと、炎が消えて天然釜のようになったあたりから、アルミの包みがごろごろと姿を見せた。
「焼き芋のクリームが美味いんだ。シュー生地に入れると和風なシュークリームになる」
するとあろうことか、寛美は笑い出したではないか。にっこりするというレベルではなく、腹を抱えての爆笑というほうに近い。
「俺、なにか変なことを言ったか?」
「違う違う。笑ったのは、さっきのメモを書いたのが誰かわかったからだ」
誉が言葉を返せない様子なのを見て、寛美は続けた。
「案外可愛い字を書くんだな、市橋!」
「……いや、それは……」
二の句を告げない様子がおかしいのか、それともなにかツボにでも入ったのか、寛美はアハハと笑い続けていた。
――まったく。
ちょっと腹立たしく、また、気恥ずかしい反面、なぜか誉も一緒になって笑い出したい気持ちだった。
こんなに笑う彼女を見るのは、はじめてだったからだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月19日
参加申し込みの期限
2015年10月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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