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【お三夜】お三夜迎撃準備! と書くと過激ですが要するにですね
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仲村渠鳴はじっくりと、乃木成美のことを見る。
正面から向かい合っているのではなく、彼に両腕を回している格好、といっても、メジャーを使って採寸しているだけだが。
そうやってサイズだけではなく、彼のことを観察しているのだ。
「結構スタイルいいし顔立ちも整ってるほうだし、すごく衣装映えしそう……」
そんなことを言っていると顔が上気してきたので、顔を見せずに向かい合える採寸作業は、彼の観察になかなか適していると言えた。
「スタイルがいい? あー確かに運動とか欠かしたことはないかな。体を動かすのは苦じゃないし」
成美は考え込むように言う。
「和風も洋風も……パンク風とかも似合うかも……! なんかやる気がわいてきた! 気合入れて作るわよー」
「ありがとう。僕は裁縫はそこまで得意じゃないから尊敬するよ」
成美の言葉はひとつひとつ、鳴の頬を紅潮させる。
「そ、尊敬なんてオーバーな……それで、成美はどんな感じの服がいい?」
「どんなのがいいか、ねぇ……できれば和風かな?」
「和風ね? 考えてみるよ」
こうして採寸が終わった時点で、すでに一時間が過ぎていた。
「ああそうだ。ちょっとここらで休憩にしよっか、お腹も減ってきたところだし。多少早いけど昼ごはんにしない?」
「熱中してたらいつの間にか結構時間経ってたな……そうね、少し休憩しようかな」
うなずいて成美は鞄を開けると、そこから唐揚げとか、卵焼きが爪楊枝で刺して食べれるようにしたオカズの入ったタッパ、それにおにぎりの包み、魔法瓶が入った風呂敷を取り出したのである。
「向こうで食べようよ」
「お弁当作ってきたの!?」
驚いた。それは単に、彼の持参した弁当が美味しそうな色合いをしていたからだけではない。
「うん。今日は朝時間があったもんでね」
「成美って本当マメなのね……」
「そうかい? 僕は好きなことをしてるだけで、特別なつもりはないんだけど。もしかしたら嫌だった?」
そんなはずはない、と鳴は声を大きくした。
「も、もちろん食べるわよ!」
フードコートの空きスペースに陣取ると、成美はいそいそと弁当を広げた。
まだ混雑する時間には多少間がある。フリースペースなので、他にも弁当持参の客がちらほら見かけられた。だが確信をもって鳴が言えるのは、成美の弁当より、美しいものはひとつもないということだった。
「お口に合うといいんだけど」
「いただきます!」
拝むようにして、鳴は朱塗りの箸を握った。弁当を眺める。
丁寧に巻かれた太陽色の卵焼き、揚げたてのような鮮度の唐揚げ、均等に切り目が入れられたタコさんウインナー、肉汁がしたたりそうな手ごねハンバーグ、ぷりぷりで真っ赤なトマト、さくっとした歯触りが想像できるハムカツ……定番メニュー中心ゆえ、技量の違いがはっきりと出るような組み合わせであった。きっと成美は素材選びから、じっくりと時間をかけたにちがいない。
それなのに――鳴は頬の内側を噛んでいた。
これだけ美味しそうなのに、自分はまた、どれひとつだって味を理解できない……かもしれない。
成美が、何気なく言った。
「そういえば以前、バザールでアイスが冷たいだけなのに、って言ってたけど……」
「え、そんなこと言ったっけ……」
だが隠す必要はないだろう。むしろ彼女は彼に、隠し事はしたくなかった。
「もしかして……」
という彼の言葉を継ぐ。
「うん。まあ、生まれつき体質でね、物の味がわからなかったの。よほど極端なもの以外はね。でも気にしなくていいよ、ときどきだけど最近は味感じるようになってきたし」
本当なんだから、と早口で言い、鳴は箸を黄色い卵焼きに向けた。
つかんだ。
意を決したように口に含む。
――!
背中に翼が生えたよう。
わかる。
これが美味しいって、わかる!
甘いとしょっぱいと香ばしいとが、ふかふかになってやってくる。
泣きたかった。
でも鳴の顔に広がったのは、笑みだった。
「成美の料理が美味しいってこともちゃんと分かるしね! 嘘じゃない。本当に、おいしいよ!」
たとえ一瞬の奇跡だったとしても、鳴はこの感覚を抱きしめたかった。
これが『ろっこん』の発動であるということを、鳴はまだ自覚していない。
笑みは笑みを呼ぶ。成美の顔にも喜びが広がった。言葉にも。
「イベントにこうして一緒するのは楽しいね、鳴ちゃん。もちろん普段も楽しいけどね。また違った一面も見られたし」
そうだね、と応じかけて、なにか不慣れな感覚を鳴は胸に抱いていた。味覚ではない。
まばたきを繰り返して考える。
その原因は聴覚だ。具体的には彼のさっきの言葉。
思い返して見よう。
――こうして一緒するのは楽しいね、
鳴ちゃん
。
鳴はまるで熾天使のように、背の翼が増えたように感じた。顔はたちまち真っ赤だ。
「っ……そ、そう言うのなら、せっかく衣装も作るんだしそれを着るようなところにも行きましょ
ほら、こんど神社で縁日もあるみたいだし、そういうのとか……ね?
多少、遠回りながらこれが、お三夜まつりデートへの呼びかけであるのは言うまでもないだろう。
もちろん成美の回答は、イエスである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月12日
参加申し込みの期限
2015年10月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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