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【お三夜】まじかる・りりかる・人助け☆
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参道商店街の外れで、
双葉 由貴
は混乱していた。
「なっ、ななななななななななななな……」
言葉にならないこの想いを、なんと表現すればよいのだろうか。
由貴は今、買い物中に手に入れたお三夜さまキーホルダーのせいで、例にもれなく魔法少女姿なのだった。
セーラーワンピース風のコスチュームには由貴の瞳を思わせる色のリボンが随所にあしらわれていて、彼にとてもよく似合っている……のだが、
「なななな!? な、なんで俺、こ、こんな格好!?」
と、混乱しきりの由貴が黒猫に訴える通り、愛らしい衣装をまとっていることは彼の本意ではない。
「な、なんで!? ぬ、脱げないしっ!」
いたいけな小学4年生とはいえここで服を脱ぐというのもそれはそれで問題がある気もするのだが、すっかりパニックに陥っている由貴。
そんな由貴へと、傍に他の人間がいないのをいいことに存分にふわふわしている黒猫が、『落ち着くのにゃ、少年!』とテレパシーで語りかける。
そして黒猫は、他の魔法少女にしたのと同じ説明を由貴へと繰り返した。
「え、ひ、人助け!? 人助けをすれば脱げるんだな!?」
由貴の問いにこくと頷くや、黒猫は無責任にもただのぬいぐるみキーホルダーに。
手の中に落ちてきたそれをとっさに受け止めて、由貴は胸中に決意を固める。
(は、恥ずかしいけど、こんな格好のままで居たくない! 我慢だ俺! いい事すれば、この格好からも解放されるんだ!)
自分に何度も言い聞かせて、由貴はなるべく人に見られないよう気をつけつつ、こそこそと参道商店街の通りへと繰り出した。
樹弥・エヴァンズ
は、興味深げにきょろきょろとしながら参道商店街を歩いていた。
「旧市街の商店街はあんまり来た事なかったけど、何だか面白そうなところじゃん」
由貴はこういう所よく来るのかな? なんて、ふと年下の友人の顔を頭に過ぎらせる樹弥。
そうして彼は、手に入れたばかりのお三夜さまキーホルダーをくるりと指で回した。
「しかし、オマケにもらったキーホルダー、面白い顔してるじゃん。母さん、こういうの好きか……な……って」
語尾の方が途切れがちになったのは、言葉の途中で、キーホルダーが重力を無視してふわりと浮かび上がったからだ。
そして、その後樹弥を襲った理不尽な事象は――言うまでもなく、魔法少女化である。
「何だよこの恰好!? ひらひらだしスカートだしすーすーするしうわー……」
ちょっと大人っぽいコスチュームは、背中の大きなリボンが愛らしいデザインだ。
短いスカートの裾をつまんで、樹弥はこれ以上ないというほど苦い顔をする。
こんなの紳士じゃない……絶対紳士じゃない……と、うわ言のような言葉が口から漏れた。
既に、黒猫はただのキーホルダーに戻ってしまっている。
「と、とにかく元に戻らないと……こんなの絶対見られたくなっ……」
そこまで言ったところで、樹弥はこちらを見つめる青の眼差しに気づきぴしりと硬直。
視線の先に立っているのは、事もあろうに先ほど脳裏に浮かんだ友人だった。
(お、終わった……)
と思わず遠い目になる樹弥だったが、
(……ん?)
すぐに彼は、由貴少年もラブリーな魔法少女服を身にまとっていることに気がついて。
2人の間に落ちる、何とも居心地の悪い冷たい沈黙。
静寂を破ったのは、「に、似合うな……」という由貴の乾いた賛辞だった。
視線は、あらぬ方向に向いている。
「……ここは、一つ。お互い秘密にしようじゃん? な?」
「お、おう……」
胸の内では互いに声にならない叫びを上げながらも、2人はここに、1つの同盟を成立させた。
「が、頑張ろうぜ、樹弥!」
「だ、だな……」
「……それにしても、どうやったら元に戻れるんだ?」
ふと首を傾げる樹弥に、ちょっと冷静さを取り戻してきた由貴は黒猫の言葉を繰り返す。
その説明に、樹弥は今度こそふむふむと真剣に聞き入った。
先ほどは、あまりの出来事に黒猫の言葉が耳を素通りしてしまったのである。
「よし、それじゃあ早速その人助けとやらを……って、あれ、あんなところに女の子?」
目を丸くした樹弥の視線を由貴も追う。
そこには確かに、ひとりで商店街を訪れるにはまだ幼い、幼稚園生くらいの女の子の姿があった。
2人は顔を見合わせ頷き合うと、女の子の元へと急ぐ。
「どうしたんだ?」
由貴が問えば、女の子は泣き声でお母さんとはぐれたのだと訴えた。どうやら迷子らしい。
女の子を励ますように、由貴は力強い笑みをその顔に乗せる。
「じゃあ一緒に探してやるよ、俺ここら辺の事なら良く分かってるし!」
「ほら、ハンカチかしてやるから泣かないで、な?」
膝をついた樹弥が紳士らしくハンカチを差し出せば、女の子は涙に濡れた顔をきゅっと引き締めた。
その様子に、樹弥は目元を和らげる。
「そう、大丈夫。紳士たるもの困っている女の子を助けられなくちゃ、だからな。かならず君を親ごさんと会わせてみせるからさ。な? 由貴」
「ああ、任せとけって!」
2人がそう請け負えば、女の子は安心したように笑顔の花を咲かせた。
「お姉ちゃんたち、ネコキュアみたい! 可愛いね、似合ってるね!」
きらきらと顔を輝かせた女の子にそんなことを言われて、ぴしりとフリーズする由貴。
『可愛い』や『似合ってる』だけでもグサリとくるのに、『お姉ちゃん』とまで言われてしまってはダメージは絶大である。けれど、
(しっかりしろ由貴。相手は小さい女の子だ、俺は男だ、大人だ……)
なんて、自分に教え込むように胸の内で繰り返して、由貴は「そ、そうか……」と何とか声を絞り出した。
「とりあえず、こういう時は今までの行動を見返しつつ元の場所に戻ってみるのが良かったりするけど」
こちらも『お姉ちゃん』というワードに心を抉られつつも、樹弥は最年長らしくちょっぴり大人びた苦笑を漏らして、この事態の打開策を提案する。
「案外探している相手が戻ってきたりするし。それに、お店とかに寄っていたらお店の人がどこに行ったのか知っているかもしれないじゃん」
説得力のある樹弥の言葉に、その全ては理解できていないだろうが女の子はまたまた瞳を輝かせ、「カッコいい……!」なんてませたことを口にした。
樹弥にだけ『カッコいい』とのお言葉が贈られたことに内心では少しばかり唇を尖らせつつも、由貴も友人の案にこくと頷いてみせる。
今は、頼り甲斐のある仲間が一緒にいてくれることが本当に心強い。
「よし、それじゃあ行こう」
言って、由貴は女の子の手を握ってあげた。
今のメンバーでこの辺りの事情に一番詳しいのは自分だからと、由貴は女の子の話を聞きながら、どこから回るべきかの目星をつける。
その頼もしい姿に、今度は樹弥の方が感心させられる番だった。
そして、3人連れ立って商店街を歩いていると、
「……あれ、あの人何か落として……?」
樹弥が、前を行く女性がハンカチを落としたのに気がついて。
「声をかけ……って、聞こえないか。届けないと!」
女性は急いでいるのか早足で、このままでははぐれてしまいそうだった。
けれど、樹弥は少しも動じることはなく。
「ふん、このくらい俺の脚の速さなら追いつけるさ」
「あっ、おい!」
由貴、言うなり走り出した樹弥の姿をつい追いかけそうになるも、女の子が自分の手をぎゅっと握ってきたのに気づいてぐっと思い留まる。
「ねえ、あのお姉ちゃん行っちゃうの?」
「大丈夫だ。ちゃんとすぐ戻ってくるから」
言い聞かせるように言葉を零せば、不安げだった女の子も納得したようだった。
じきに、女性に落し物を届け終えた樹弥が、またダッシュで戻ってくる。
「遅いぜ……まあ、お疲れ」
「んっ、由貴こそ、その子のことありがとうな」
「別に……。ところで、今のも人助けだよな? でも樹弥、まだ元の格好に戻ってないぜ?」
「ん? ああ、ほんとだ。多分、その子のこと助けるって決めたから、それでじゃないか?」
つと口の端を上げる樹弥、まだ少し幼さは残るもののもう立派な紳士である。
その後、街行く人の視線に胃が痛むような思いをしながらも、
(今の俺は普段の俺じゃない……!)
とか何とかそれぞれ自分に自己暗示をかけつつ、2人はまた女の子の母親探しを再開した。
そして――日暮れ近くになって、ようやく尋ね人を見つけ出す。
女の子の心からの「ありがとう」に、由貴は照れ臭さに視線を逸らしつつ「別に……」と応じ、樹弥は「ふふ、ありがとうって嬉しいものだな」と笑みを漏らした。
何度も頭を下げる母親と振り返っては手を振る女の子と別れたところで、2人の服装も無事元に戻る。
自分の格好をしっかりと検めて、由貴はほっと安堵の息を零した。
「やっと戻れた……」
「でもまあ、恰好がどうだろうが困ってる人は助けないと紳士じゃないよな」
あの子が親と会えて良かったという樹弥の言葉に、由貴も「そうだな」と応じる。
身体はくたくたに疲れていたけれど、その表情は柔らかなものだった。
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あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
素敵に個性的なアクションの数々をいただきまして、とても楽しく執筆に当たらせていただいた当シナリオ。
個性豊かな魔法少女さん達の奮闘っぷりを描かせていただきまして、わくわくが止まりませんでした。
魔法少女なひと時、PC様にとっても皆様にとっても心に残る時間になっておりましたら幸いでございます。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を!
ありがとうございました!!
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担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月10日
参加申し込みの期限
2015年10月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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