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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【お三夜】ワッショイ！ 寝子島お三夜まつり！
スワンボートに乗り込んだ李 小麗と十朱 此方も、湖を渡っていた。
「ギコギコギコギコ……よしよし、進み出したのだ、この調子でどんどん漕いでいくのだっ！」
相変わらずやる気も元気もいっぱいの小麗が、湖をスワンボートが滑るように進んでいくのに表情を輝かせて、ますますペダルを漕ぐ足に力を入れる。
此方の方も、小麗に倣ってギコギコと足を動かしながら、
（結構……すいすい進むわ。思っていたよりもずっと速い）
と、静かに胸の内に驚きを沈めた。けれど。
（これは疲れそう……最初から張り切り過ぎない方が、あとあとの為に良さそう）
そう思って、声をかけた方がいいだろうかとちらと隣の小麗の横顔を見遣る。
でも、すっかりスワンボートが気に入ったらしい小麗の顔は、きらきらと輝いていて。
その様子に、此方の表情がふっと曇った。
（小麗、楽しそう……それに、すごく頑張ってる）
ゴールを目指して燃えている小麗の頑張りに水を差すのははばかられて、迷いに迷った末、結局小麗に言葉をかけることはしなかった此方である。
そして、数分後。
「ぐ、ぐぉぉ……あ、足が、足がぁ……！」
船内には、小麗の悲痛な声が響いていた。
「此方、しゃおりーは……気付いたのだ……」
「な、何……？」
「スワンは……見た目以上に、意外と……疲れる！！！」
カッ！ と目を見開いて、小麗が声を上げる。
ぐぅぅ、なんという盲点……なんて呻く小麗の姿に、此方の胸はちくりと痛んだ。
（ごめんね、小麗……あたし、実は気づいてた……）
だから、後々の小麗の負担も考えてペースを保っていた此方である。
それでも多少足が辛くなってきたが、これならまだ小麗の分も頑張れる。
そのことをどう伝えようかと悩む此方に、小麗の方から声がかかった。
「此方、足は大丈夫か？ しゃおりーは、まだまだ頑張れるから、少し休んでもいいのだ」
そう言って、小麗は疲れの色を覗かせる顔で、けれど明るく笑ってみせた。
此方の胸に、じんとあたたかなものが満ちる。と、その時だ。
――どすんっ！！！
強い衝撃を感じると共に、スワンボートが大きく揺れた。
びくりとして固まる此方の傍らで、小麗が此方の向こう側、『何か』を指差して叫ぶ。
「ギャーッ！ ナマズが体当たりしてきたのだ！」
「えっ？ きゃ、大きい……！」
「コラー！ 何するのだ、危ないのだ！！」
ハプニングを引き起こしたのは、神魂の影響を受けた巨大ナマズである。
ぐらぐらと揺れるスワンボートの中で、体重をかけ、何とかバランスを取って襲撃に耐えようとする小麗。
最初こそナマズの体当たりに虚を突かれた此方だが、小麗の必死な姿を見ていると余計に、ナマズに対してむむむっと腹が立ってきた。
（せっかく小麗が頑張ってるのに……それに、やられっぱなしは、性にあわない）
何か反撃を、と思うものの、手元にはふかふかの魚のぬいぐるみ（奉納用だ）と己の拳くらいしかない。
自身の拳を見つめてしょんぼりとする此方だったが、不意に、ぱっと顔を上げた。
（でも……そう、私には拳も足もある。つまり、パンチと蹴りは出来る……）
「……私、戦える」
小さくもしっかりとした呟きに、小麗が「え？」と目を丸くするその傍らで、
「私は出来る、私は出来る、私は出来る……」
と口の中で繰り返した小麗が、再びざばりと顔を出した巨大ナマズに容赦のない拳骨の一撃をお見舞いする！
ナマズが、突然の反撃に一瞬怯んだ。
「ど……どうしたのだ、こな……た……！？」
大人しげな印象を与える此方のアグレッシブな行動に、小麗は目をぱちぱちとさせたが、
（まさかナマズに拳骨をするとは……此方、見た目はこんなに麗しいのに……逞しいのだ）
しゃおりーも負けてられないのだ！ とバッ！ とお面を頭の後ろにずらす。
「意地でも、スワンで、ここを突破してやるのだ！！」
小麗の決意を耳にして、必ずゴールに辿り着く！ と此方も重々しく頷いた。
「此方、２人で頑張るのだ！」
「うん、人形、絶対に届ける」
「というわけで、こんな所で足止めを食ってる場合じゃないのだ！！」
打倒ナマズ！ とキッと巨大ナマズを睨みつける小麗と此方。
けれど、此方の一撃を食らったナマズの方も（思いきり自業自得だが）怒り心頭という様子で、再びスワンボートへと体当たりを食らわせてくる。
しかも今度は、さっきよりももっとずっと激しく。
「わ、あ、危ない、沈没しちゃう……！」
「こんのー……ナマズめぇ……！」
ナマズが、もう一度全力の体当たりを揺れるスワンボートへ仕掛けようとしてきた、その時。
「ナマズ！？ ナンデデッカイナマズ！？ ウワアア、コッチクルナァ！」
大きな叫び声が聞こえて、ナマズはぬうと声の方へと振り返った。
「ギコギコギコギコ……よしよし、進み出したのだ、この調子でどんどん漕いでいくのだっ！」
相変わらずやる気も元気もいっぱいの小麗が、湖をスワンボートが滑るように進んでいくのに表情を輝かせて、ますますペダルを漕ぐ足に力を入れる。
此方の方も、小麗に倣ってギコギコと足を動かしながら、
（結構……すいすい進むわ。思っていたよりもずっと速い）
と、静かに胸の内に驚きを沈めた。けれど。
（これは疲れそう……最初から張り切り過ぎない方が、あとあとの為に良さそう）
そう思って、声をかけた方がいいだろうかとちらと隣の小麗の横顔を見遣る。
でも、すっかりスワンボートが気に入ったらしい小麗の顔は、きらきらと輝いていて。
その様子に、此方の表情がふっと曇った。
（小麗、楽しそう……それに、すごく頑張ってる）
ゴールを目指して燃えている小麗の頑張りに水を差すのははばかられて、迷いに迷った末、結局小麗に言葉をかけることはしなかった此方である。
そして、数分後。
「ぐ、ぐぉぉ……あ、足が、足がぁ……！」
船内には、小麗の悲痛な声が響いていた。
「此方、しゃおりーは……気付いたのだ……」
「な、何……？」
「スワンは……見た目以上に、意外と……疲れる！！！」
カッ！ と目を見開いて、小麗が声を上げる。
ぐぅぅ、なんという盲点……なんて呻く小麗の姿に、此方の胸はちくりと痛んだ。
（ごめんね、小麗……あたし、実は気づいてた……）
だから、後々の小麗の負担も考えてペースを保っていた此方である。
それでも多少足が辛くなってきたが、これならまだ小麗の分も頑張れる。
そのことをどう伝えようかと悩む此方に、小麗の方から声がかかった。
「此方、足は大丈夫か？ しゃおりーは、まだまだ頑張れるから、少し休んでもいいのだ」
そう言って、小麗は疲れの色を覗かせる顔で、けれど明るく笑ってみせた。
此方の胸に、じんとあたたかなものが満ちる。と、その時だ。
――どすんっ！！！
強い衝撃を感じると共に、スワンボートが大きく揺れた。
びくりとして固まる此方の傍らで、小麗が此方の向こう側、『何か』を指差して叫ぶ。
「ギャーッ！ ナマズが体当たりしてきたのだ！」
「えっ？ きゃ、大きい……！」
「コラー！ 何するのだ、危ないのだ！！」
ハプニングを引き起こしたのは、神魂の影響を受けた巨大ナマズである。
ぐらぐらと揺れるスワンボートの中で、体重をかけ、何とかバランスを取って襲撃に耐えようとする小麗。
最初こそナマズの体当たりに虚を突かれた此方だが、小麗の必死な姿を見ていると余計に、ナマズに対してむむむっと腹が立ってきた。
（せっかく小麗が頑張ってるのに……それに、やられっぱなしは、性にあわない）
何か反撃を、と思うものの、手元にはふかふかの魚のぬいぐるみ（奉納用だ）と己の拳くらいしかない。
自身の拳を見つめてしょんぼりとする此方だったが、不意に、ぱっと顔を上げた。
（でも……そう、私には拳も足もある。つまり、パンチと蹴りは出来る……）
小さくもしっかりとした呟きに、小麗が「え？」と目を丸くするその傍らで、
「私は出来る、私は出来る、私は出来る……」
と口の中で繰り返した小麗が、再びざばりと顔を出した巨大ナマズに容赦のない拳骨の一撃をお見舞いする！
ナマズが、突然の反撃に一瞬怯んだ。
「ど……どうしたのだ、こな……た……！？」
大人しげな印象を与える此方のアグレッシブな行動に、小麗は目をぱちぱちとさせたが、
（まさかナマズに拳骨をするとは……此方、見た目はこんなに麗しいのに……逞しいのだ）
しゃおりーも負けてられないのだ！ とバッ！ とお面を頭の後ろにずらす。
小麗の決意を耳にして、必ずゴールに辿り着く！ と此方も重々しく頷いた。
「此方、２人で頑張るのだ！」
「うん、人形、絶対に届ける」
「というわけで、こんな所で足止めを食ってる場合じゃないのだ！！」
打倒ナマズ！ とキッと巨大ナマズを睨みつける小麗と此方。
けれど、此方の一撃を食らったナマズの方も（思いきり自業自得だが）怒り心頭という様子で、再びスワンボートへと体当たりを食らわせてくる。
しかも今度は、さっきよりももっとずっと激しく。
「わ、あ、危ない、沈没しちゃう……！」
「こんのー……ナマズめぇ……！」
ナマズが、もう一度全力の体当たりを揺れるスワンボートへ仕掛けようとしてきた、その時。
「ナマズ！？ ナンデデッカイナマズ！？ ウワアア、コッチクルナァ！」
大きな叫び声が聞こえて、ナマズはぬうと声の方へと振り返った。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年10月24日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年10月31日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年10月31日 11時00分
