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- 00月00日生 00歳
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猫鳴館、自治会長選任戦・秋 ～みんな熊になれ！
●神社目前の罠と乱戦
大回りで森を抜けてきたマウル・赤城・スティックは、神社を前に足を止める。
（俺の勘では、森から出て落神神社に行くまでが勝負。きっと待ち伏せがあるはずだ）
マウルは狩人の目であたりを見回し、不自然に置かれた肉に気づいた。
（これは……罠、なのか？）
こんな罠に引っかかる人がいるとは思えない。が、罠があるということは仕掛けた者がいるということだ。
そのとき少し離れた茂みの中から「０９１７４」と声がした。
紫チームの合言葉だ。
マウルは慎重に「３、１、０、６、８」と返す。
すると「２４５７９」と答えが返って来て、白ハチマキの熊が顔を出した。
「あっしだよぃ」
距離が離れていたので握手こそできなかったが、骨削 瓢だ。なるほど、肉の罠は瓢が仕掛けたものらしい。
瓢のことだ、ただの肉ではないのかもしれないとマウルは思った。じっさい、肉には下剤が仕込んである。
そのとき、まったく別の方向でがさりと茂みが鳴り、ふたりは同時に頭をひっこめた。
現れたのは、青ハチマキの小柄な熊――兵藤 雅也だ。
ずっと走って来たのか、雅也は油断して独り言を言った。
「げほっ、流石にバテちまったな。腹も減っちまったし……って何だこの肉？」
道端に落ちた肉。
そんなものを拾い食いしてはいけない。というか、この状況ではあからさまに怪しい。
が、雅也の目は肉に釘付けになった。
瞳の中には『肉』という文字がしっかりと刻まれ、口からは涎が溢れだす。
なんということだろう、ウルフな雅也は肉に目がないのである！
雅也は迷わず肉にむしゃぶりついた。肉の早食いは雅也の特技のひとつでもあった。
「うめぇ！」
叫んだ次の瞬間、雅也は身体をくの字に折り曲げ呻き出す。
「ぐぁ、腹がいてえ……！」
瓢は茂みの中でほくそ笑んだ。狙い通りである。今こそチャンス、雅也のハチマキを奪う時。
「ひょ……」
しかし、兵藤はん、という瓢の呼び声は、背後からかかった野太い声によって遮られることとなった。
「骨削瓢ちゃん！」
「な……っ！？」
討ち取られた！？
いましも青の大将を討ち取ろうというこのタイミングで！？
完全に虚を突かれた瓢は驚いて振り返る。
いつの間にか背後にいた桃色ハチマキの熊が、瓢に一通の手紙を差し出している。
瓢は忌々しい思いで、その手紙をひったくった。
宛名は骨削瓢様。差出人は橘明里。
「『あなたのハチマキ頂きますなの！』……あああ、そうかい、もってけドロボー！」
瓢が投げ捨てた熊皮とハチマキを拾った桃熊は、青にも接近しようとした。
が、そのとき藪の中から恐ろしいものが飛び出してきた。
手だ。ブーメランから生えた右手が自分を指差したまま目の前を掠めてゆく。マウルの仕業だ。
「きゃ、きゃあっ！」
思いもかけなかったホラーな手の出現に、桃熊は思わず叫んだ。
「どうしたの！？」
悲鳴を聞きつけ、もう一頭の桃熊が現れる。桃熊が二頭になったのだ。
「やっば……逃げよう！」
瓢のハチマキを取った桃熊が、もうひとりの桃熊の手を引いて神社へと走り出す。
二人の桃熊はそっくりで、茂みに隠れていたマウルにも、転がっている雅也にも、討たれた瓢でさえも見分けがつかなかったが、瓢を討った桃熊が郡 トモエ、後から現れたのが橘 明里だ。
人目を避け別行動していた明里は、このとき運命的にトモエと再会したのだった。
手を繋いで走りながら、トモエが「一発大きいのを当てたい」と言っていたのを、明里は思い出していた。
（狙っていた大物って瓢君のことだったのね。どうやったかわからないけど、あの瓢君のウラを掻くなんて、トモエちゃんすごいのなの！）
種明かしをしよう。
トモエは明里に書いてもらった手紙を使い、宛先までの位置を脳内視覚で地図化し認知することのできるろっこん＜メッセンジャーナビゲーション＞で瓢が潜む位置を割り当て、背後から接近したのだ。
これには瓢が施したハチマキの色の偽装も、見た目の変装も役に立たなかった。
完全なるトモエの一本勝ち。
瓢にとってラッキーだったのは、まだ雅也のハチマキを取っていなかったことと、マウルがいたことだ。
「後は頼んだよぃ！」
手紙を握り潰し悔しそうに叫ぶ瓢を、雅也は薄目を開けて睨みつける。
「この肉……てめえの差金か……骨削イィ！！ あ……」
ぐるる、と雅也の腹が鳴る。
マウルは茂みから出て、苦しそうに悶える雅也をお姫様だっこで抱えあげた。
「兵藤先輩。落ちてる肉は食っちゃダメです」
《桃：郡トモエ、骨削瓢の紫ハチマキ（１０点）ゲット！》
《紫：マウル･赤城･スティック、兵藤雅也の青ハチマキ（１０点）ゲット！》
大回りで森を抜けてきたマウル・赤城・スティックは、神社を前に足を止める。
（俺の勘では、森から出て落神神社に行くまでが勝負。きっと待ち伏せがあるはずだ）
マウルは狩人の目であたりを見回し、不自然に置かれた肉に気づいた。
（これは……罠、なのか？）
こんな罠に引っかかる人がいるとは思えない。が、罠があるということは仕掛けた者がいるということだ。
そのとき少し離れた茂みの中から「０９１７４」と声がした。
紫チームの合言葉だ。
マウルは慎重に「３、１、０、６、８」と返す。
すると「２４５７９」と答えが返って来て、白ハチマキの熊が顔を出した。
「あっしだよぃ」
距離が離れていたので握手こそできなかったが、骨削 瓢だ。なるほど、肉の罠は瓢が仕掛けたものらしい。
瓢のことだ、ただの肉ではないのかもしれないとマウルは思った。じっさい、肉には下剤が仕込んである。
そのとき、まったく別の方向でがさりと茂みが鳴り、ふたりは同時に頭をひっこめた。
現れたのは、青ハチマキの小柄な熊――兵藤 雅也だ。
ずっと走って来たのか、雅也は油断して独り言を言った。
「げほっ、流石にバテちまったな。腹も減っちまったし……って何だこの肉？」
道端に落ちた肉。
そんなものを拾い食いしてはいけない。というか、この状況ではあからさまに怪しい。
が、雅也の目は肉に釘付けになった。
瞳の中には『肉』という文字がしっかりと刻まれ、口からは涎が溢れだす。
なんということだろう、ウルフな雅也は肉に目がないのである！
雅也は迷わず肉にむしゃぶりついた。肉の早食いは雅也の特技のひとつでもあった。
「うめぇ！」
叫んだ次の瞬間、雅也は身体をくの字に折り曲げ呻き出す。
「ぐぁ、腹がいてえ……！」
瓢は茂みの中でほくそ笑んだ。狙い通りである。今こそチャンス、雅也のハチマキを奪う時。
「ひょ……」
しかし、兵藤はん、という瓢の呼び声は、背後からかかった野太い声によって遮られることとなった。
「骨削瓢ちゃん！」
「な……っ！？」
討ち取られた！？
いましも青の大将を討ち取ろうというこのタイミングで！？
完全に虚を突かれた瓢は驚いて振り返る。
いつの間にか背後にいた桃色ハチマキの熊が、瓢に一通の手紙を差し出している。
瓢は忌々しい思いで、その手紙をひったくった。
宛名は骨削瓢様。差出人は橘明里。
「『あなたのハチマキ頂きますなの！』……あああ、そうかい、もってけドロボー！」
瓢が投げ捨てた熊皮とハチマキを拾った桃熊は、青にも接近しようとした。
が、そのとき藪の中から恐ろしいものが飛び出してきた。
手だ。ブーメランから生えた右手が自分を指差したまま目の前を掠めてゆく。マウルの仕業だ。
「きゃ、きゃあっ！」
思いもかけなかったホラーな手の出現に、桃熊は思わず叫んだ。
「どうしたの！？」
悲鳴を聞きつけ、もう一頭の桃熊が現れる。桃熊が二頭になったのだ。
「やっば……逃げよう！」
瓢のハチマキを取った桃熊が、もうひとりの桃熊の手を引いて神社へと走り出す。
二人の桃熊はそっくりで、茂みに隠れていたマウルにも、転がっている雅也にも、討たれた瓢でさえも見分けがつかなかったが、瓢を討った桃熊が郡 トモエ、後から現れたのが橘 明里だ。
人目を避け別行動していた明里は、このとき運命的にトモエと再会したのだった。
手を繋いで走りながら、トモエが「一発大きいのを当てたい」と言っていたのを、明里は思い出していた。
（狙っていた大物って瓢君のことだったのね。どうやったかわからないけど、あの瓢君のウラを掻くなんて、トモエちゃんすごいのなの！）
種明かしをしよう。
トモエは明里に書いてもらった手紙を使い、宛先までの位置を脳内視覚で地図化し認知することのできるろっこん＜メッセンジャーナビゲーション＞で瓢が潜む位置を割り当て、背後から接近したのだ。
これには瓢が施したハチマキの色の偽装も、見た目の変装も役に立たなかった。
完全なるトモエの一本勝ち。
瓢にとってラッキーだったのは、まだ雅也のハチマキを取っていなかったことと、マウルがいたことだ。
「後は頼んだよぃ！」
手紙を握り潰し悔しそうに叫ぶ瓢を、雅也は薄目を開けて睨みつける。
「この肉……てめえの差金か……骨削イィ！！ あ……」
ぐるる、と雅也の腹が鳴る。
マウルは茂みから出て、苦しそうに悶える雅也をお姫様だっこで抱えあげた。
「兵藤先輩。落ちてる肉は食っちゃダメです」
《桃：郡トモエ、骨削瓢の紫ハチマキ（１０点）ゲット！》
《紫：マウル･赤城･スティック、兵藤雅也の青ハチマキ（１０点）ゲット！》
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年10月05日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年10月12日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年10月12日 11時00分
