【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー｜リアクション

【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー

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「にゃー」

　とりあえず言ってみるみゆき。

「……にゃー」
　返事をする美野梨。

「猫だにゃー」
「……」
「他の猫と話せなくなっているけど、気にしないほうがいいにゃー」
「……」

　沈黙が重い。
　勢いで言ったが、変に思われていないだろうか。

　猫の着ぐるみを纏った豪も、みゆきに助力する。

「にゃー！」

「にゃー」
「猫だにゃー！」
「……」
「いろいろあるけど、全力を尽くせるといいにゃ！　さらばにゃ！」

　どぴゅーと、走って退散する豪とみゆき。
　士も、あとからついていく。
　
　唖然とする美野梨。
　自分がろっこんを一時的に失ったのを、気にしてくれたのだろうか？

　なんで彼らが、気にかけてくれたのだろうか？

　なぜ、猫の着ぐるみを？

　なぜ「にゃー」と言ってきたのか。

　猫の着ぐるみを着た人間は、もはや猫。

　――そういうルールでも、あるのだろうか。
　その時、物陰から這い出してきたのは、チェシャ猫すがたの恵御納夏朝。
　美野梨と目があった。

「にゃー」

　美野梨が挨拶した。
　先ほど自分がされたのと、同じように。

　一瞬の間があった。

　いきなり「にゃー」と挨拶されるのは、夏朝にとっても意表を突かれた形だ。
　確かに猫のかっこうをしているが、人間の挨拶ではなく、鳴き声だ。
　
　しばし、黙考の時間があり、

「にゃー」

　夏朝が答えた。

　そう答えるしか、ないではないか。

　混乱する美野梨に、声を掛けるすばる。
　なんでもない、と答えて、不意に彼女はこう問うた。
「ちくわは、何て鳴くの？」

「まだまだ、やってやるにー！」
　コメディエアーの中を突っ走る侑。
　美野梨は、彼女の声を聞き、眉根を寄せた。

（人間なのに、にー。
　そういうのも、あるの？）