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寮生の日常 ~星~
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弘明寺 能美子
はドレッサーの扉を開け放ち、赤いシルクのワンピースに身を包む。胸元には同色のバラのコサージュ。高校生が持つには高価な真珠のネックレスを付け、いつもより丁寧に化粧を施す。嫌いなそばかすはコンシーラーでカバーした。
「ふん。田舎の学校でも金持ちのやることは変わんないのね」
鏡の中には派手な生活を送っていたかつての自分。挑戦的なまなざしでケータイに呟いた。
普段ならパーティーの誘いなど一蹴してしまうが、今回は事情が違った。
ある日届いた知らないアドレスからのメール。迷惑メールかと思いつつ画面を開くと、同じクラスの礼二の名前。いつアドレスを知ったのだ? 読まずに削除しようかと思ったが、『夜会』の文字に目がとまる。
周囲全てが敵に見える能美子には、夜会の誘いが挑戦状のように思えた。
「なめんじゃないわよ」
高いヒールをカツカツと鳴らして、展望スペースに単身乗り込みに行く。
ナイトパーティー? 仕事でもプライベートでも慣れているのよ。
ツン、とすまして受付をすませた。礼儀として主催・紗姫への挨拶は欠かさなかった。
パーティー開催の挨拶が終わり、参加者が牡丹と創が作ったケーキや
桐野 正也
の作るカクテルを楽しみ始める。
……群れるのって趣味じゃないのよ。
語らう人々を眺めながらカクテルを飲み干す。
そんな彼女に近づく人物があった。
「よう、パーティー慣れてる感じだな!」
4月から星ヶ丘寮に越してきた
龍目 豪
だ。仕立てはいいが着まわしのきく黒のスーツで参加していた。中のシャツはストライプのグレー。鍛えられた体格の豪にはスーツがよく似合う。
大人のパーティーに参加した経験はないが、ボーイスカウト出身の彼は初めての人とも気軽に話せる社交的な性格である。常人ならひるんでしまう能美子のするどいい視線にも、臆することなく話しかけられた。
「まあ、これくらいの規模のパーティーならね」
「そうか。俺はこんなパーティーは初めてだ! ……と、自己紹介。俺は
龍目 豪
。そっちは?」
「
弘明寺 能美子
。男の方の主催に招待されて来てやったのよ」
視線を礼二に向ける。礼二はホスト部や華やかな女生徒に囲まれていた。挨拶くらいはしようと思うが、タイミングが分からずにいる。
「そうなのか! 挨拶はすんだのか?」
「いや。まだだけど……」
「なら一緒に行こう。ひとりじゃ行きづらいだろ」
「え。あ、ちょ……!」
ずんずんと歩き始めた豪。追う能美子。
なんなのだ、この男は。何も考えていないのか?
豪の歩幅が大きいので足の長い能美子でも距離を縮められずにいた。
「おーい、加瀬、だよな? ちょっといいか。お客だぞ」
「おや、弘明寺さん。こんばんは、楽しんでいますか?」
「っ。来てやったわよ。ご機嫌麗しゅう」
余計なことを、と睨もうとした。しかし、豪がきっかけを作ってくれなければ壁の花として無駄な時間を過ごしたかもしれない。悪意がないのは見ればわかるし。
「弘明寺、そんなに固くなることないぜ。じゃあな!」
「な……ちょ! あたしはそんなんじゃ」
言い終わる前に行ってしまった。
豪の後ろ姿を見ながら唇をへの字に曲げる……そんな能美子を見て礼二はくすくすと忍び笑いを漏らし、飄々とした口調で話しかけた。
「他の参加者さんとお話していたんですねぇ……俺は親の都合でここに連れてこられたんですけど、最初は落胆しました。弘明寺さんもそういう人ですか?」
ダークスーツに黒の蝶ネクタイ、白いシャツ……体に合ったラインから見てもオーダーメイド。明らかに礼二はこういった華やかな場に慣れていた。
礼二に半歩分距離を詰められる。夜向けの香水の香りがした。
「どこに行っても知った顔に会いそうなのは気に入らないわね」
更生目的で連れてこられた能美子に、寝子島はタイクツなのだろう。人と会うのは面倒だけど、やることもなく……大量の服やアクセを鏡の前で身に着け、かつての華やかさを思い出してため息をつく毎日だった。
「『最初』、ってことは、今は違うわけ?」
挑むように問うと、礼二はおどけたように胸に手をあてる。
「今は楽しいですよ。こうして貴女との時間をいただけましたし♪」
「はん。言ってくれるわね」
不敵な表情を作りながら、内心、少しうらやましくもある。1年は12か月、卒業までの3年で36か月……今は5月だから、あと35か月。
礼二や、先ほど会ったばかりの……『龍目』とか言ったか。彼らのような社交性があれば、見える景色も変わるのだろうか。心の片隅で小さく考えた。
2年庶民コンビの
行梨 謡
と
安本 マコト
。普段は縁のない星ヶ丘寮だが、紗姫と礼二に誘われてパーティーに参加することになった。
「うわ……これだけの衣装設備……うさぎぬいぐるみ何体分の値段なのだろうか……」
衣装部屋に案内された謡とマコト。店が開けるくらいに充実した衣装部屋に謡はわかりやすくドン引きしていた。
係に簡単に採寸され、すすめられたスーツに素直に袖を通す。マコトは黒のスリーピースに黒のナロータイ。モノトーンですっきりとまとめられていた。
「貸衣装あってマジ助かるわー。つーか、今後のためにバイト探して金貯めてマジイケてるスーツとか何着か買っておいた方がいいかなー」
自分の姿を鏡に映しながらうきうきと喋るマコト。無意味にポケットチーフをいじる。
「俺はうさ耳メイドさんが眺められればいいわ」
謡はブルースーツに白のシャツ、チェックの蝶ネクタイと爽やかな印象だ。比較的くだけた印象のスーツだが、それでも落ち着かないらしい。マコトと衣装部屋から出ると整えられた髪を怒られない程度に崩した。
「まずは主催の丑都渡に挨拶してー……あ、あれじゃん? 隣にいる女子、添木?」
マコトの視線の先では金髪の紗姫らしき人物と、着物姿の牡丹。スーツ姿の創が会話をしていた。
牡丹は自身の名前と同じ花の髪飾りをつけ、薄い桃色の小振袖を選んだ。創はダブルのストライプスーツで、ワインレッドのポケットチーフ。デザイン性の高い革靴を履いていた。
「はわ、安本さん。いつもと違うからびっくりしたですぅ~!」
「ちょっちょりー。いいじゃんいいじゃーん」
マコトは紗姫、牡丹、創に挨拶をすませる。……と、あれ? 謡がいない。探すと後ろの方でハムスターのごとく食べ物をほおばっているやつがいた。余興でうさ耳を付けたメイドさんを見ながら幸せそうにしている。
「行梨ー。女の子たちとチョー親しくなるチャンスだぞー」
「え~。でもメイドさんみんなきゃわわだし」
「そーだけどさー。でもさ、いつもガッコで見てる女の子が着飾って、大人っぽいのってマジ色っぽくていいな。あ、丑都渡に挨拶はしておけよー」
「おー」
ごくん、と口の中のものを飲み込んで応じる。そういえば挨拶そっちのけで食ってばっかりだった。
「じゃ、俺、加瀬んとこ行くわー。隣にいる赤いワンピースの子、紹介してもらってくるー。メルアドゲットしてくるぜー」
横ピースを右目に当ててウィンクすると、マコトはちょりちょりーと礼二と能美子の元へ向かった。
あの目つきの悪い女の子に向かっていくなんて安本マジ勇者だけど俺も丑都渡に挨拶しないと激おこプンプン丸が激オコスティックファイナリアリティプンプンドリームになるかもしれん。
「いきなし、いらっしゃーい。警備にひっかかった?」
ぼんやり考えていたら後ろから紗姫に声をかけられた。探しに行く手間が省けていいことである。
「ひっかかったがプリキャの名前を出した、ら……」
振り向きながら答えて言葉が止まった。
淡い黄色のワンショルダーのドレスに、控えめなメイク。上品なアップスタイルの頭には
朝海 瑠歌
に借りた白バラの飾りがついていた。
「んー? どした」
口調はいつもと同じなのだが。
先ほどマコトに言われたことが分かった気がした。
「馬子にも衣装というやつか」
余計なひと言で大噴火レジェントサイクロンフレアァァッ(以下略)とっても高くぶっ飛びました。
「足元に気を付けて、優華ちゃん」
八十八旗 信彦
にエスコートされ、
獅子尾 優華
がパーティーにやってきた。信彦はグレースーツに白のシャツ。シルバーのネクタイ、黒のラベルピンと落ち着いた礼装を選んだ。優華への配慮だろう。今回の場合、男性が女性よりも目立つのはスマートではない。
「……変ではないかしら?」
長いドレスの裾を気にしながら尋ねる優華。試着を繰り返し、優華は淡い紫色のビスチェタイプのドレスを選んだ。美しい鎖骨の上には信彦が贈った小ぶりな真珠のネックレスが飾られていた。ラインストーンのついたカチューシャが、ゆるく巻かれた黒髪に華やかさを添えている。
「今宵の君は一段と素敵だよ。月の女神が舞い降りたようだ。その美しさに心惹かれない男などいな――」
「あれ、獅子尾さん? あまりに綺麗だから驚いたよ……はい、よかったらこれ」
信彦の口説き文句を遮って
添木 千唐
が現れた。ノンアルコールカクテルを優華に手渡し、さりげなく彼女の隣を陣取っている。
「添木さん……あなたも来ていたのね」
千唐は黒のクラシカルなスーツに同色のクロスタイと、正統派な服装でパーティーに出席していた。
「今着いたばかりだけどね……やあ、委員長。同じクラス同士仲良くしようじゃないか。君とは社交界ですれ違ったことも会った気がするけど、きちんと話したことは少なかったよね? ずるいじゃないか、こんな美しい女性をひとりじめかい?」
「はは。今日の俺はホスト部として参加しているからね。美人を口説かないのは罪なのさ!」
ひとりの女性を巡って、静かににこやかに争いの火花が散ろうとしていた。
「おー、信彦くん! 待ってたよ!」
争いの気配を察したホスト部部長・
八城 昌也
が朗らかに声をかけた。昌也は赤シャツに黒スーツ。パッと見てもてなす側とわかるように、あえて部活動のスーツを着てきたようだ。
「あっちに女の子たくさんいるから、みんなで行っておいで。2年生多いけど、みんな同じクラスだろ?」
昌也は
朝海 瑠歌
や
龍目 豪
がいる一角を示した。バーテン姿の
桐野 正也
が瑠歌たちの好みを聞いて即席でカクテルを作っている。年上の女性も好きな千唐は瑠歌にも興味を持ったようだ。1年2組の3人は昌也のすすめに従ってバーテンのいるカウンターに向かった。
――時間は少し巻き戻る。
朝海 瑠歌
は薄いピンク色のAラインドレスに、同色のバラの髪飾りをつけて出席していた。何か手伝えることはないか? と主催の紗姫に尋ねたところ、衣装選びの人手が足りないと言われたので先ほどまで来客のドレス選びに手を貸していた。ちなみに紗姫は化粧担当である。
パーティーが始まった後は同学年の生徒たちと会話を楽しんでいた。
「最近は猫鳴館でねずを発見したぜ。夏休みには探検部でキャンプをする予定だ。たまにはアウトドアもいいもんだぜ」
「まあ。龍目さんて、色々お詳しいんですね」
他の寮の話に興味がある興味がある瑠歌は豪の話を楽しそうに聞いていた。豪は手に菓子箱を持っている。ルームメイトへの土産なのだろう。
かわいらしい下級生も加わり場は和やかに盛り上がっている。
「よう、お嬢さん方。楽しんでるか?」
「俺らホスト部なんてやってるんだけど、今日はヨロシク~♪」
大きく胸の開いた赤いシャツからのぞく土気色の肌。ホスト部・
屍 骸
が、部長の昌也と共に女性陣に声をかけた。
ホスト部の初陣、こける訳にはいかねぇ。
骸は熱く激しく心の中で呟いた。今夜を成功に導き、灰色の青春時代とおさらばするのだ。スーツよし、髪型よしっ、肌色も気持ち良好! 月光は俺を照らすためのスポットライト。女の子たちを最高に楽しませてやるぜ。
「こ、こんばんは。私、ホストの方にお会いするのって初めてなんです」
瑠歌が期待に目を輝かせて骸に話しかけた。お嬢様育ちの彼女には、ホストはテレビの芸能人と同じくらい珍しい存在のようだ。
……この可憐なレディ、脈、あり?
「おっと失礼、まずは自己紹介からだな。俺は寝子島高校ホスト部所属の墓場系ホスト、
屍 骸
ことナイスガイ。以後お見知りおきをってな」
スイッチが入った骸はシュババッとごついシルバーアクセのついた右手で髪をかきあげ、左手は腰に。骨が軋むまで上体を反らせるが流し目は忘れずに3秒キープ。
『荒ぶるナイスガイのポーズ』……これで落ちないオンナはいない。というか、やったの初めてなんだけど。
骸の紹介に瑠歌たち女の子はくすくすと微笑んでいる。昌也はパーティーの雰囲気にのまれている女の子がいないか目を配りつつ、笑顔で手拍子をはじめた。
「骸先輩、面白いっしょ~☆ じゃ、先輩! 一発芸ならぬ『一発骸』をお願いしやーす!」
「部長のリクエストとあっちゃ仕方ねえな。さーて」
何をしようか……と骸がこめかみに人さし指を当てて考え出したその時、彼の頭上に放物線を描いて白っぽいものが落下してきた。大噴火レジェントサイクロンフレアァァッ(以下略)でぶっとばされた謡である。色々な奇跡が重なり合って狙ったように骸に激突。ふたりはギャグ漫画のように大きなたんこぶを作って静かになった。
「先輩……骸せんぱぁぁぁい!!」
昌也の声が星ヶ丘の夜空に響く。今日は満月……月の光が、寝子島に奇跡を起こした。
「……ぅ、ぁー……。ぁー……」
空に月が出て着る状態で致命傷を負った骸。額から鮮血をぴゅーぴゅー吹き出しながら、ゆらぁりと幽鬼のごとくに立ち上がる。ろっこんの力で死の淵から蘇った骸の目はカッと見開かれていた。口の両端がにんまりと持ち上がり、血色の悪い歯茎が見える……笑っている。笑っているのだ。
「以上、骸先輩の『一発骸』でした~っ☆ はい、拍手拍手~っ☆」
「……ぁ……ぁー……」
空気の読める男・昌也がウィンクしながら明るく言うと、『あ、ああ。そうだよね、ギャグだよね』と我に返った瑠歌たちが拍手をはじめる。
「ホストのお仕事ってすごいです……!」
ひゅー……ひゅー……とか細い呼吸の骸を見つめながら、瑠歌の胸に不思議な感動が満ちる。
こうして、星ヶ丘の夜は大きなトラブルもなく華やかに更けていった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年04月03日
参加申し込みの期限
2013年04月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年04月10日 11時00分
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