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Kiss or Treat ~お菓子くれるかキスしてくれる?
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●若きリザードマンと陽だまりのような少女の恋
魔王の城の城門には若きリザードマンの衛兵が立っている。
雨の日も、風の日も、太陽が強く照りつける日も、彼は変わらずそこに立つ。
甲冑に身を包んだ立ち姿は人間とほとんど変わらず、頬や手の甲の鱗がなければ、リザードマンとは分からないかもしれない。
彼はとても仕事熱心で、自分の仕事に誇りを持っていた。
名を、
高峰 一馬
という。
本居 陽毬
はそんな彼が気になっていた。
メイドの仕事にも慣れ、鼻歌混じりに寝室の掃除していると、窓から遠くに城門が見える。城門の前には槍を構えた衛兵がふたり。左側が彼だと、後ろ姿でわかる。
(今日も頑張っているみたい。彼が運命の相手だったらいいのにな)
つい手が止まってしまい、同僚の碧南に窘められる。
「手を止めない」
「あ。ごめん」
「恋もいいけど今はお仕事中よ。ほら、そっち、シーツに皺が寄ってるわ」
背が高く、一見おっとりした雰囲気の碧南だが、外見とは裏腹に生真面目なメイドだ。仕事は早くて丁寧、身のこなしもスマートな彼女は、メイドとして完璧と言ってもいい。
一方の陽毬は見た目通り中身もおっとりふわり。明るく元気だけれど、ちょくちょく運命とか恋とかに思いを馳せて手が止まるので、見ている方はハラハラしてしまう。
「よし。お掃除は完了。次は食事の用意よ」
脚の長い碧南を小走りに追いかけようとして、陽毬はまた窓の方を振り返った。
「あの、ごめん、先に行ってて。私、彼に差し入れしてくる」
もともとの陽毬と、ゲームのキャラクターとしての陽毬の気持ちが交錯する。
(攻略云々の事もあるけど……誰でもお腹が減るとしょんぼりするもんね。切ないもんね!)
お仕事の合間に食べようと思っていたナッツ入りのクッキー。
彼のところに持って行くと、休憩に入ったらいただくよ、と嬉しそうに受け取ってくれた。
(あ……)
近くで見上げて陽毬は気づく。
人間によく似ているのに、瞳が違う。
琥珀のような澄んだ褐色の中に浮かんでいるのは、爬虫類じみた縦長の月。
「ありがとな」
その瞳が細められると、陽毬の胸はとくんと高鳴る。
たぶん、この時からだったと思う。ハロウィンの夜が本気で待ち遠しくなったのは。
◇
ハロウィンの夜も更けて。
城の中からは煌びやかな灯りと、遠い笑い声が漏れている。
城の外は闇に包まれ、ひっそりと静まり返っていた。城を襲う魔物だって、今夜はハロウィンを楽しんでいるに違いない。なのに彼はいつもと変わらず背筋を伸ばして、城門の前に立っていた。
「こんばんは」
夜闇の中から現れた陽毬を見て、一馬は目を丸くする。
「おう、どうした? こんなとこに居たら危ねえよ」
「どうしてるかなって気になって。折角のパーティなのにお仕事熱心なんですね」
そう言われ、一馬は照れたように頭を掻く。
「城の外にゃ我を失ってるモンスターも居るし……そいつらを防ぐために俺らがいるんだけど、まぁ万が一ってこともあるからな。それにしてもこんな夜更けに危ないぜ。城の敷地内とはいえ女性の一人歩きはよくない。送って行くよ」
もう一人のリザードマンに見張りを任せ、一馬は陽毬と寄り添うように歩き出す。
城の敷地は広大で、城門から玄関までは遠い上に道も暗い。
「大丈夫か? 怖かったら手を掴んでくれていいぞ」
半歩前を行く彼が、自分を不安がらせないように気遣ってくれる。それが嬉しくて、陽毬は一馬の手を握る。彼の手はひんやりとして力強く、指先感じる鱗は思ったより滑らかだった。けれどそれより、自分の手に通う血液が、どくどくと脈打っているのが気になった。
痺れるくらい、熱くて。
リザードマンの一馬は火傷をしてしまわないだろうか。
そんなことが気になって。
「あのっ」
これ以上黙っていられなかった。
「なんだ?」
彼は立ち止まって、首を傾げる。
この人は、あまりに仕事熱心過ぎて、きっと今夜がハロウィンだということも忘れてる。
「ロマンチックは好きだけど、言葉を凝らすのも駆け引きも苦手。……なので単刀直入にききますっ。
Kiss or Treat?
答えてくださいっ」
一馬は突然のことに息をのみ、それから事態を把握して、あー、うー、と視線を泳がせながら唸ると、片手で顔を押さえるようにしてしばし沈黙した。
「……俺は、さぁ。この城の衛兵だから。もしもの時には城を守って戦わなくちゃなんねえ。だから……」
中途半端な気持ちで恋なんかできない。誰かの一生を縛る資格なんてない。そう思っていた。
けれど、目の前の陽毬は、まるで陽だまりのように温かく微笑んでいて。
手を伸ばして抱きしめたくなる衝動は、中途半端なんかじゃなくて。
仕事も、彼女も、どちらも大事になってしまっていることに気づいて、苦しくて口唇を噛む。
「一番お前が怖い思いしてる時に、傍にいられないかもしれないんだ。……だからこれは、俺の、ただの我が儘なんだけど」
つないでいた手を無意識に持ち上げる。
「ここで笑っててくんねえか。そうしたら俺は何があっても戻って来れる。
俺が、ここを護る理由になってくんねえかな」
一馬は真剣な顔でそういうと、恭しく陽毬の手の甲に口唇を押し付ける。
「答えは、キス、だよ」
嬉しかった。心から。例えモンスターになってしまおうとも。
陽毬は自然と口もとを綻ばせる。
「はい。笑ってます。あなたのために」
一馬もようやく、ほっとしたように笑った。それから陽毬の肩を抱き、歩き出す。
「近すぎません?」
「言っただろ、お前を守りたいってさ」
隣を歩く彼女の髪からはいい匂いがした。緩やかに肩にかかるその髪に、気づかれない様そっと口付ける。
「ん? なんですか?」
「なんでもないよ」
くすくす、くすくす、忍び笑い。
紫色の夜空に架かる大きな月に、寄り添うふたりの黒い影。
<HAPPY END>
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月16日
参加申し込みの期限
2015年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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