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紫雲英畑に寝ころんで
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● 紅紫の花冠 ●>
そうして生徒たちがそれぞれにレンゲ畑で過ごしているところに、
牛瀬 巧
がふらりと現れた。
「牛瀬先生、こんにちは」
気付いた
森 蓮
が挨拶すると、牛瀬はよおと手を挙げて答えた。
「森くんも来てたのか。どうや? 木戸さんちのゲンゲ畑は」
「見事なものですね。あ、さっき木戸さんがいらしてましたよ」
「そうか。後で茶菓子でも持って挨拶にいってくるわ。よいせっ、と」
牛瀬は畦をまたぎ越してレンゲ畑に入り、生徒たちの様子を見渡す。
「なんだ、案外大人しくしとるんやな」
「もっと騒いでると思った?」
琴村 嬢
に聞かれ、牛瀬はそうやなと懐かしそうにレンゲを見やる。
「ワシが子供ん頃は、入っちゃいかんって言われとる畑を駆け回るわ、傘でゲンゲを叩っ切るわで、よう怒られたもんや」
「先生、それレンゲが可哀想……ってゲンゲ? レンゲじゃないんですか?」
似ているけれど少し違う呼び名に嬢が聞き返すと、それはな、と牛瀬は説明してくれた。
「学名と対応させた標準和名では、これはゲンゲなんや」
「ゲンゲっていう名前が正しいってこと?」
「いやまあ名前なんて、どれが正しい正しくないってものでもねぇけどよ。レンゲって聞くとワシの頭ん中では、蓮のほうの蓮華とか、ラーメンについてくるレンゲが思い浮かぶんだよなぁ」
汁をすくう仕草をする牛瀬を見て、
「ああ、チリレンゲですねー」
薄野 五月
がちょっと笑った。
これだけ幻想的なレンゲ畑が広がっていても、牛瀬にかかってはムードもへったくれもないらしい。
「で、薄野さんは何やってんだ?」
牛瀬に手元を覗き込まれ、五月は照れながら編みかけの花冠を見せた。
レンゲの花冠を作るのは久しぶりだから、上手くできるか心配だったけれど、手というのは案外こういうものの作り方を忘れないらしい。作り出しこそ戸惑ったけれど、すぐに編むときの感覚を思い出せた。
「シロツメクサでなら作ったことあるけど、レンゲのほうが難しいね」
嬢も花冠を作ってみたが、巻き付けるときにぽきっと茎が折れてしまう。
「そういうときはな、ゲンゲの茎を軽く指で潰すんや」
「潰すって……こんな感じかな? あ、巻きやすくなった」
これなら作れると、嬢は花冠を編んでゆく。
「先生も良かったらご一緒に如何です?」
五月はそう誘ってみた。
「ワシがか? 柄じゃないやろ」
「別に柄とか関係ないと思いますよ」
「先生、もしかして作れなかったりして?」
嬢に言われ、牛瀬は何をとレンゲソウを手に取った。
少し離れたところでレンゲ畑を見つめている
哀坂 零葉
に気付くと牛瀬は、
「一緒に作らへんか?」
と呼びかける。
「……私はこういうものを作るのは……」
零葉は断ったが、難しいものではないからやってみろと牛瀬は自分の手元を見せる。
「こうやって数本束ねてな、そこに巻き付けていくだけや。密に巻けば丈夫になるけど、その分固くなるから輪にするのが難しくなる。かといってあまり緩くすると解けてばらばらになる。そのあたりの手加減がポイントやな」
花冠なんて似合いそうもない牛瀬だけれど、零葉に説明しながら、茎を潰すことなくくるっととレンゲソウを巻いてゆく。
それを真似て零葉もレンゲソウを扱おうとするのだが。
手の中でレンゲソウはぽきぽきと折れ、散らばってゆく。
「……もしかして、かーなり不器用だったりするんか?」
牛瀬に聞かれ、零葉はうっと言葉に詰まった。
家庭系全滅、何かを作ることにかんしては壊滅的。そんな自分にコンプレックスを持っている零葉にとってその質問はかなりぐさりと刺さるものなのだ。
「まあ、作ってるうちにコツも分かってくるやろ。こういうものは習うより慣れろやからな」
多少見栄えが悪くても自分でかぶる分には問題ないと言う牛瀬に、五月は自分の手元の花冠を見直した。
「自分でかぶる分には、ですか。私、1つ下に妹がおるんですよ。レンゲの花冠をお土産にしたら喜んでくれるかと思って作っとるんですけど……」
一応、ちゃんと花冠になっていると思うのだけれど。喜んでくれるとええなぁ、と五月は呟いた後、牛瀬に尋ねる。
「先生の奥さんは、こういう花冠とかお好きですか?」
「ぐあ、っ……」
不意を突く質問に、牛瀬は持っていたレンゲソウを握りしめ、折ってしまった。
「先生?」
「いや、し、知らんな……」
当人は素知らぬ顔をしているつもりだろうが、明らかに動揺している。いや、とか、その、とか意味不明な呟きをこぼしながら牛瀬は花冠を完成させると、さりげなく……と本人は思っているに違いない動作で、その花冠をしまい込んだ。
楽しむ皆の声を聞くともなしに聞きながら、
逆巻 天野
はレンゲ畑で寝ころんで、花の図鑑をめくった。
マメ科ゲンゲ属。
マメ? とよく見てみれば、確かにレンゲソウは豆の花が集まったような形をしている。
ミツバチの蜜源としてレンゲミツになったり、若芽を食べたり、乾燥させたものは民間薬として用いられたり、雑草防止に役立てられたり。
レンゲソウは昔の風物詩であるだけでなく、人との関わりの深い花なのだと思いつつ、天野は少しだけ身を起こした。
レンゲ畑のあちこちで、のんびりと過ごしている皆。
昔の人たちもこうしていたのだろうか。
一面に咲き乱れるレンゲソウの中、時を過ごして。
試しに皆が和服を着てこの場にいたら、と天野は考えてみる。
レンゲ畑と晴れた空。
その中で和服姿の皆が、寝ころんだり花冠を作ったり。
(……意外と似合いそうだ)
気のせいかも知れないけれど、思い浮かべた光景はやたらとしっくりきて。
その光景を脳裏に焼き付けたまま、天野は再びレンゲ畑に寝転がった。
ぽかぽかとした太陽の温もりに、眠気が兆してくる。
風に乗って聞こえてくる皆の声は、まるで子守歌。
(昼寝は時間の無駄だろうか……)
夜にあった様々な事件を思い出しながら、天野は目を閉じる。
このまま寝てしまいたい。
皆に起こされるまでもう少し……寝てもいいよね?
自分で思っていたよりも、疲れていたのだろう。
あとで配ろうと思った水筒のお茶もそのままに、いつしか天野はとろとろしたまどろみから、すやすやと本格的な眠りに誘われていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
ねこの珠水
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年03月30日
参加申し込みの期限
2013年04月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年04月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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