折り紙で遊ぼう！｜リアクション

折り紙で遊ぼう！

【折り紙と、校長先生】

　雨宮花三郎は展示教室で感涙していた。
　最初は、本当に小さく、手で折れるだけの範囲だけだと思っていたのに、建てられたビルは頑丈に折り紙が編み込むように差し込まれ、皆の手で不足分が埋められ作られた町は、一時は共存不可能かと思われた光景すら一つのパノラマの光景として見事一体化していたのである。

「ホッホッホ、これは素晴らしいですねぇ。……思わず涙が……」
　目頭を押さえながらも、花三郎校長は一つ一つ目に付いた所を歩きながらも、目にした感動を告げ始めた。

「水族館の窓から、きちんとおさかなさんが見えるのがよくこだわってありますねぇ。お客さんも大入りですね。こんなに……」
「うさぎ園、バラエティあふれるうさぎさんが可愛いですねぇ。
　個人的お気に入りは、裏表が違う折り紙の立体うさぎさんでしょうか」
「町を飾っているハサミの切れ込みや差し込みを使ったカットフラワーが素敵ですねぇ。いろんな色があって、バラエティに富んでいますねぇ」
「これは……」
　目の前の一段高い机に並べられたドラゴンを見た校長先生は、初めて言葉を言いよどんだ。独創的としか言いようのない言葉に白石龍樹が、ドラゴンである旨を伝える。
「なるほど、ドラゴンさんと地底部隊さんが競争しあっているんですね。……いつ仲良くなるといいですねぇ」
　しみじみと一望する中で、校長先生は、決戦の後に見た仲良しの犬と猫の様子を見て、異様な迫力から解放されるかのようにほっとした様子で、その二匹を見た。
「いぬさんとねこさんが、寄り添っているのが仲良くていいですねぇ。
　いぬさんは元気いっぱいで、ねこさんは細やかな様子が伝わってくるようです。とても良く出来ていると思いますよ」
「……別に…誰でもできるよ」
　他のメンツが照れて嬉しがる中で、楠木ゆきのは緊張の余り、ある意味いつも通りに、口が思ったことを言葉にしてくれない。
　校長先生にまで──ゆきのが心の中で、キシリと心を痛めた時、
　校長先生は、そっとゆきのの頭を優しく撫でた。

　そして、締め括りに校長先生はその場にいた児童たちに拍手を送った。
「いやぁ、素敵でした！　どの場所もとても素敵で、
こんな素敵な場所があるならぜひ歩いてみたいと思いましたよ」

　校長先生からの、見れば涙腺まで潤んでいる心からの拍手。
　たくさん、遊びながら作ったけれども、その結果はとても魅力的な一風景になった。

　これが、しばらく一般の人にも見てもらえる──
　それを思うと、参加した皆は照れ恥ずかしくも、ほんの少し──それはとても嬉しい気持ちになれる、そんな気がしたのだった……

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あとがき

担当マスター：冬眠
ファンレターはマスターページから！

この度、シナリオにご参加下さいました皆様、最後までご閲覧頂きました皆様、誠に有難う御座いました。この度ＭＳをつとめさせて頂きました冬眠と申します。

この度は、小学生様の限定シナリオとの事で、かなり限られたプレイヤー様限定となるだろうと緊張しながらお待ちしておりましたが、気が付きましたら個性あふれる７名様のご参加となり、嬉しさで一杯となりました。
今回は、とても小学生様らしいアクションを頂きまして、状況に慣れずに苦心する事もございましたが、どのＰＣ様もアクションで受け取らせて頂きました元気が読んで下さった方に少しでも伝わればいいなと思い、執筆させて頂きました次第です。

この度、事情により皆様に個別コメントが御伝えできない状態となってしまっておりますが、それでも今回は、皆様のＰＣ様の魅力に心を揺さぶられながら執筆させて頂きました。個別の代わりにこちらにて感謝の念をお伝えさせて頂きます。

こちら、少しでも楽しんで頂けましたらこの上なく幸せで御座います。
それでは、この度は本当に有難う御座いました。

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