折り紙で遊ぼう！｜リアクション

折り紙で遊ぼう！

【ジオラマなんてどうでしょう？】

　一大決戦を終えて、苑下ちかは展示室の周りを見渡した。
　戦いは人の邪魔にならない様に右端に寄って置かれている。机を使ったスケールの大きさもあってか、その他の建物や人物は平和でかつ、少し活気がない。
「これ、このまま飾ってもらえるんやろ？　せっかくやし、ジオラマみたいにならへんかなー……」
　せっかく作ったものだから──みんなで作った言うた方がかっこええやん。
　ちかはふと呟いて、試しに一つ先程の決戦場所と、新たに展示された柵を作ったうさぎ園や水族館のギャップ緩和の為に、縦長に折って曲線を工夫した水色の折り紙で、ちょっとした川を敷いてみた。
「ゆきの、川が出来てる！」
「……聞こえてる」
　東条あんずと楠木ゆきのがその様子に感銘を覚える。
　その様子を見たちかは、二人に声を掛けた。
「さっき、いぬねこ作ってたん見たわ。もメッチャかわいくてん。
　あれ、お友だちどうしなんやろ？　せっかくやし、もっとお友だち増やさへん？」
「すごい！　どうしてお友達同士って分かったの？」
「二人とも仲よさそーさん。きっと作るのもお友だちに違いない思ったん。──カン、やな」

　同時に、その様子を見ていた白石龍樹も、建物がしっかりと並んでいる“水族館”と、平面から立体まで、たくさんのうさぎがクリーム色の紙柵で広く囲まれている“うさぎ園”を運んできた、水カジカと赤銅スフィアに声を掛けていた。
「いいな！　オレも客なりてぇ！」
「……！！　いい……？」
「おうっ！　男に二言はないんだぜ！」
　こうして、カジカの水族館は少しずつ、着実にお客さんを増やしつつあった。今の時点でも、少し賑やかな位には集まった。

「でさ、ちょうど町みたいにして……あー、何だっけ？　──とにかく派手にしたい！！　高いビルとか、うさぎ園にも花とか、草とかあったら、スゲーじゃん」
「では、トワbuilding作るマス！
　一緒にScissors使える聞いたデスから、それで折ったPaper craftをcutしてSnow Design飾るデス！
　buildingを、よりwildに！！　……あ。もちろん応用してflourも作れるマスよ」

　こうして、トワ・E・ライトフェロゥの言葉に微かに緊張するシーンもあったが、最初に自分の作りたい物を作り切った後だった為か、皆が興味深そうにそれぞれ、それをジオラマに見立てた時に足りないものを自分から作り始めた。
　折り紙の本と紙を全て展示教室に運んで、皆で分け隔てなく交換で本を見ながら、必要そうなものを次々と作っていく。

　──こうして、作品完成にみんなが声を上げた時、丁度午後４時の鐘が鳴った──

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