恐竜と遊ぼう！｜リアクション

恐竜と遊ぼう！

「あら……」
　ブリジットも気づいたようだ。
　円は刀に向けて手を振る。
「やっほー刀くん、ルヴィアちゃんもこんにちは～」
「桜庭とアーチャーも来てたのか」
　刀は二人に近づく。
「刀くんも乗ってみる？　あ、そうだ、例の待てのポーズやってみよう！」
　いいことを思い付いた、という顔で円がラプトルくんから下りる。
「いや、俺はいい……何のポーズだって？」
　何のことかわからない刀だが、ブリジットはわかったようだ。
「ふーん、それが噂の人形？」
　訳知り顔で頷き、
「例のポーズ？　んー、ああ、やってたわね。そのポーズ。ネコッターにも動物園の職員がそのポーズ真似してる画像あがっていたもの」
　ブリジットが二頭にビーフジャーキーをあげた後、円が配置を指定する。
「えーっと、にゃーくんは真ん中。ラプトルくんはにゃーくんの左で、テオ……はいないから刀くんでいいや、右側でボクの方を向く形でお願い！」
「こうか」
　よくわかってないまま配置につく刀。
「じゃぁ！　いくよ！　待て！」
　円が両手を広げ真横に伸ばして膝を曲げ、映画で有名なポーズを決める。
「まどか、ちゃんと待って貰ったら、good！って言わないと」　
「あっ、そうだね！　Good！　楽しかった！」
「さすがヴェロシラプター、賢いわね」
　そう言ったブリジットに、恐竜は説明板のほうに首を伸ばしてみせた。
「何？　この説明板見てほしいの？　あなた達の説明よね？
　『ディノニクス。某有名恐竜映画でヴェロキラプトルとして紹介された為に間違われることがあるが、ヴェロキラプトルとは完全に別の種である』……えっ？」
　狐につままれたような顔になるブリジットだった。

「特に何事もなさそうだし、珈琲でも買ってベンチで飲むか」
　刀の言葉に二人が賛成する。
「いいわね」
「にゃーくんには缶詰を開けてあげようか。テオ、どこに行ったのかなあ」
　三人＋αはベンチでのんびり休憩した。
　
　恐竜たちはいつの間にか動かなくなり、模型に戻っていた。
　違和感を感じた人々も、ショータイムの終了として納得していたようだ。

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