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【寝子祭】前夜祭ダンシングアピール
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そもそも
羽生 碧南
がミスコンへの出場を知ったのは、前夜のことだった。
エントリーしといたから、と笑顔で告げるバスケットボール部の友人たち。渡された紙袋の中にはご丁寧に水着とアクセサリーが用意されていた。
(ああ、もうこれはイヤって言ってもムダなんだろうな……)
いつも強引な友人たちのことだ。
仕方ない、とため息をつきつつも羽生は出場を決意した。
しかし、ステージ上で踊る彼女は前日に急遽出場を決めたとは思えないほど伸びやかな様子だった。
もともとバスケで体を良く動かしているだけあって、リズムにさえ乗れればダンスの感覚をつかむのも難しくはなかった。180センチという女子にしては珍しいほどの長身を生かし、ダンスにバスケのフリースタイルを織り交ぜながらアピールをする。
BGMに合わせてのハンドリングやドリブリング。
ボールこそないものの、彼女の動きは完璧にバスケをなぞったものであった。
着ている水着がけっこうきわどいビキニということもあり、激しく動く彼女の体に男子たちの目は釘付けだ。あわよくば何か見えないかと期待する者もいたが、さすがにそんなアクシデントは起こらず、最後のポーズをびしっと決めてみせる羽生。
(水着だなんて寒いと思ってたけど……そうでもなかったみたい)
体を動かしたせいか、体が火照ってむしろ熱いくらいだ。
はあはあと酸素を求めて肩で大きく息をつくその顔は、どことなく色っぽい。
普段はおっとりと可愛らしい印象が強い顔立ちをしているぶん、そのギャップは数人の男子生徒の心を本気でときめかせたとか、させてないとか……。
完璧なダンスパフォーマンスを終えた彼女を待っていたのは、やはり出てきた熱湯風呂! 前日に出場を決めたので、ダンスの他にさらにアピールを考える時間はなかったのだ。
「う、これ熱いんだよね……みんな相当熱そうだったもんね」
怯えながらつんつんと湯の表面を触る。
……熱い。指だけでこんなに熱いとは。
「安心してください、羽生さん。さっきちゃんと追い焚きしましたから」
久良木が安心感をぶち壊すようなことを笑顔で言う。
「うう、仕方ない……こうなったら良い汗かくまではいってやるんだから」
モタモタしていても時間がなくなるだけである。
ええい、と気合を入れると熱湯風呂に飛び込んだ。
「あ、あ、あっつ! 何コレぇぇ」
とても我慢できる熱さではない。
よく前の参加者たちはこんなものに長く浸かっていられたものだ!
今すぐにでも飛び出したかったが、これまでの参加者が長く耐えていたこともあり、早々に上がるわけにもいかない。けれどまともに浸かっていたら頭がおかしくなりそうなくらい、熱い。
「う、う、ど、どうすればいいの……これ……」
半ばパニックに陥った彼女が助けを求めたのは――
「あ、ああっ……悠麻、どこなのっ……!」
無意識のうちに彼女が呼んだその名前は、彼女が愛する男性の名だった。
……厳密に言えば、彼女が最近プレイした乙女ゲームに登場する男性の名だった。
もうちょっと我慢すれば、きっと悠麻が助けてくれる……。
(がんばるのよ、私、それまで耐えるのよ……!)
朦朧としてきた彼女の体を、何者かが引っ張りあげる。
(ああ、助けてくれたのね……悠麻)
「ゆう、ま……ゆうまぁ……」
火照った顔でうわごとを言う羽生に、彼女の体をひっぱりだした悠麻――ではなく実行委員の女子2人は、困った顔で首を横に振る。
「羽生さん、ちょっともうコレだめっぽいですね……」
観客を魅了したダンスを披露する一方、熱湯風呂では思いがけず残念な一面を披露してしまう羽生であった。
「……あの人、大丈夫かな」
実行委員たちにアイシングされる羽生を見ながらつぶやいたのは、
飛吹 勘助
だ。
彼の出番は次である。生来気が弱くおどおどとした性格の飛吹だったが、思わず勢いでミスターコンテストにエントリーしてしまったのだ。
「せっかく、綺麗な、衣装……用意してもらったし」
参加しないわけにはいかない、と緊張しながらも出場に対し後悔の気持ちはなかった。
飛吹は、どこかの王子様を彷彿とさせるような衣装を身にまとっていた。青いマントが目に鮮やかで、彼の瞳の色ともよく似合っている。
「さて、続いての登場は、飛吹勘助さんです!」
ついに出番だ。
高鳴る胸を必死におさえると、飛吹はステージへと歩き出した。
(緊張するけど……ここは、親父直伝の振る舞いで……)
流れてきたのは、今の彼の衣装にぴったりと似合う優雅なワルツ。
剣を片手に、マントを翻して舞い踊る。
それだけでも様になるステップだったが――ワルツは2人で踊るもの。
世にも珍しい虹色のバラを観客席に投げると、最前列で彼の踊りにすっかり見惚れていた1人の女子生徒の膝の上にぱらりと落ちる。棘の無いその優しい不思議なバラは、まるで飛吹そのもののようだった。
「1人で、踊るのもさびしいから……もし、よければ」
俺といっしょに踊りませんか?
勇気を出してそう誘うと、女子生徒ははにかみながら、喜んで、と差し出された飛吹の手をそっと握った。
フツウの女子高生ならば、ワルツなど踊ったことはないだろう。ステージに上がったもののどう動けばいいのかまったく分かっていない様子の女子を、飛吹はそっと優しくエスコートする。
ゆっくりと体を揺らし、リズムに合わせてステップを踏み、くるりとゆっくり回ってみせる。
(……正直、これ、やってみたかったんだけど……ちょっと、恥ずかしい)
女の子をその腕に抱いて踊るというのは、思った以上に恥ずかしいことだった。
しかし、その緊張感を乗り越えるのは――愛する人と近づくための大事な試練だと、彼の父親は言っていた。
やがてワルツが終わると、飛吹は優雅に観客たちに一礼してみせた。彼の様子を真似て、制服姿のフツウの女の子もなんとなく恭しい様子で頭を垂れる。
「ありがとう、今日のことは、忘れないよ……」
ステージ下まで彼女を送っていくと、優しく微笑んで飛吹は礼を告げた。
「こ、こちらこそ……」
女の子も照れた様子で、小さく笑ってみせる。
そしてそんな甘い空気のままステージに戻った飛吹を待ち受けていたのは――
そう、どんなときも変わらぬ温度で参加者を苦しめる、地獄の熱湯風呂だった!
「う、いよいよか……」
熱湯風呂を前に、思わず身構える飛吹。
これがどれだけ熱いかは、これまでチャレンジした参加者たちを見ていればイヤでも分かる。しかしその割に、みんな妙にねばるものだから、後の挑戦者たちにとってハードルは上がる一方だ。
「……男気を見せるのも、試練だって」
親父は言っていたな。
よし、と小さく気合を入れると、上着を脱ぎ――下に履いている人魚の足を模したような鱗のズボンやそのままに、熱湯風呂に飛び込んだ。
「うううっ……あつっ!」
熱い熱いとは思っていたが、想像以上の熱さである。
思わず悲鳴を上げそうになるが、情けなく叫んでしまっては男気などあったものではない。これは試練だ、ともう一度胸の中でつぶやくと、目をつぶってぐっと耐えてみせる。
(……これくらい)
こんな熱さくらい、あのときの苦しみに比べたら――。
目をつぶって苦痛に耐えていると、どうしても昔のことを思い出してしまう。
暴力を受け、中傷を受けた過酷な日々。
(あれにくらべれ、こんな熱さくらい……)
もうやられているだけの自分ではない。
試練を乗り越え、男気を見せるときが来たのである。
――世の中、熱帯魚という魚が存在する。
(だから、俺は……熱帯魚のように……暑さに耐える……きれいな……)
きれいな魚に、なってみせるんだ。
朦朧とする意識の中、飛吹も結局実行委員から助け出されるまで耐えてみせるのであった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
82人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月15日
参加申し込みの期限
2015年08月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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